9月の米貿易赤字は3年ぶりの低水準
*米貿易収支(9月)22:30
結果 -615億ドル
予想 -605億ドル 前回 -587億ドル(-583.0億ドルから修正)
日本時間の22時半に発表になった9月の米貿易赤字は約5%増の615億ドルとなった。しかし、3年ぶりの低水準に留まったほか、2020年以降で最小の増加に留まっている。これは第3四半期の米GDPが上方修正される可能性を示す。
輸入は2.7%増の3227億ドルとなった。2月以来の高水準でホリデーシーズンを控えた米企業による仕入れを反映しているものと思われる。携帯電話やその他消費財の輸入が急増した。
一方、輸出は2.2%増の2611億ドルと過去最高に接近。世界の多くの国々で成長が鈍化しているため、米製品に対する需要も抑制されているが、自動車、旅客機、新型ウイルス関連医薬品の出荷が水準維持に貢献した。しかし、ドル高により、海外の顧客が購入する際のコストが高くなっているため、今後数カ月は輸出の足かせとなる可能性がある。
2023年通期の貿易赤字は過去3年間で最低となる見通しだが、米国は依然として歴史的な高水準の貿易赤字を抱えている。その理由の大部分は、パンデミック以来の米経済の力強い回復。米消費者はアイフォーンや衣料品、蒸留酒などの外国からの輸入品を買う余裕がある。しかし、もし経済が減速し、多くが輸入品を買う余裕がなくなれば、貿易赤字の減少は実際に米経済の状況悪化の兆候となる。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。