アドビが決算受け下落 売上高は予想範囲内も投資家は失望感=米国株個別
アドビ<ADBE>が下落。前日引け後に6-8月期決算(第3四半期)を発表し、売上高は予想範囲内だったものの、1株利益は予想を上回った。第4四半期のガイダンスでは予想を上回る1株利益の見通しを示している。
ただ、株価は冴えない反応。売上高は予想範囲内ではあったものの、AIツールの需要が売上高を押し上げると期待していた投資家には失望感が出ている模様。
同社は製品全体に生成AIの機能を追加し、新ツールを理由に11月1日から製品の価格を引き上げ、AI機能のパワーユーザーには追加料金を請求すると既に表明している。新たなAI価格設定によって収益が急速に上昇し、今後1年間で6億ドル以上の増収になるとの試算も出ているが、一部のアナリストからは、値上げの需要への影響に慎重な見方も出ている。
同社は1年半前に値上げしたばかりで、競争環境は急速に進化している。そのことから、今回の値上げにはより大きなリスクがあると見ているという。
ただ、アナリストからは前向きなコメントも出ている。「同社のデジタルメディアの新規年ベース経常収益(ARR)はコア事業における印象的な勢いを示していた。一方、生成AIのビジネスチャンスはさらに印象的であった」と述べている。
(6-8月・第3四半期)
・1株利益(調整後):4.09ドル(予想:3.98ドル)
・売上高:48.9億ドル(予想:48.7億ドル)
デジタルメディア:35.9億ドル(予想:35.7億ドル)
クリエイティブ:29.1億ドル(予想:28.9億ドル)
ドキュメントクラウド:6.85億ドル(予想:6.79億ドル)
・残存履行義務:157.2億ドル(予想:154.9億ドル)
・デジタルメディアARR:146.0億ドル(予想:145.5億ドル)
・デジタルメディア新規ARR:4.64億ドル(予想:4.11億ドル)
(9-11月・第4四半期見通し)
・1株利益(調整後):4.10~4.15ドル(予想:4.06ドル)
・売上高:49.3~50.3億ドル(予想:50.0億ドル)
・デジタルメディアARR:36.7~37.0億ドル(予想:36.6億ドル)
・デジタルメディア新規ARR:約5.20億ドル(予想:4.63億ドル)
(NY時間09:40)
アドビ<ADBE> 537.00(-15.16 -2.75%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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