アドビが決算受け上昇 生成AIへの期待で通期見通し上方修正=米国株個別
アドビ<ADBE>が上昇。前日引け後に3-5月期決算(第2四半期)を発表し、1株利益、売上高とも予想を上回った。ガイダンスでは、生成AI機能が同社のソフトウェアの需要を喚起するという楽観的な見方から、通期の1株利益および売上高の見通しを上方修正している。
クリエイティブ・プロフェッショナル向けソフトウェアの販売で長年トップである同社は、製品全体に生成AI機能を追加した。先週、この新しいツールのエンタープライズレベルのサブスクリプションを発表し、これには著作権請求に対する法的保証が含まれている。その一環として、フォトショップなどのクリエイティブ・ソフトウェアを含むデジタルメディア部門の売上高見通しを引き上げた。
ナライエンCEOは声明で「われわれの画期的なイノベーションは豊富なデータセット、基盤モデル、ユビキタスな製品インターフェースから、生成AIの新時代をリードする立場にある」と述べた。
同社はデザインの新興企業フィグマ社を200億ドルで買収することで合意している。ただ、米規制当局による綿密な審査と訴訟の可能性によって複雑になっている。ただ、年内には完了したい意向を示した。
今回の決算を受けてアナリストからの目標株価の引き上げも相次いでいる。575ドルまで引き上げたアナリストもいた。
「同社はクリエイティブ事業が牽引し、現在の環境におけるいくつかの弱点を相殺し、好調な業績を報告した。経営陣は生成AIを中心とした戦略および製品ロードマップについて説明したが、クリエイティブとエクスペリエンスの戦略的整合性がかつてないほど高まっていることを実感し続けている」といったコメントも出ていた。
(3-5月・第2四半期)
・1株利益(調整後):3.91ドル(予想:3.79ドル)
・売上高:48.2億ドル(予想:47.7億ドル)
デジタルメディア:35.1億ドル(予想:34.7億ドル)
クリエイティブ:28.5億ドル(予想:28.1億ドル)
ドキュメントクラウド:6.59億ドル(予想:6.52億ドル)
・残存履行義務:152.2億ドル(予想:152.4億ドル)
・デジタルメディアARR:141.4億ドル(予想:140.9億ドル)
(6-8月・第3四半期見通し)
・1株利益(調整後):3.95~4.00ドル(予想:3.89ドル)
・売上高:48.3~48.7億ドル(予想:48.6億ドル)
デジタルメディア:35.5~35.7億ドル(予想:35.3億ドル)
・デジタルメディア新規ARR:4.10億ドル(予想:3.93億ドル)
(通期見通し)
・1株利益(調整後):15.65~15.75ドル(従来:15.30~15.60ドル)(予想:15.50ドル)
・売上高:192.5~193.5億ドル(従来:191~193億ドル)(予想:193億ドル)
デジタルメディア:141.0~141.5億ドル(従来:139~140億ドル)(予想:140.3億ドル)
・デジタルメディア新規ARR:約17.5億ドル(従来:約17.0億ドル)(予想:17.1億ドル)
(NY時間09:40)
アドビ<ADBE> 503.80(+12.89 +2.62%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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