金融不安が後退する中、ドル売り続くも円売りがドル円を下支え=NY為替概況

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金融不安が後退する中、ドル売り続くも円売りがドル円を下支え=NY為替概況

 きょうも為替市場は全体的にドル売りが優勢となったものの、ドル円は買いが続いており、一時132円台後半まで上昇した。ドル売り圧力は続いているものの、円売りがドル円を下支えしている。月末、期末、日本の年度末もあり、前日同様に実需買いも出ていたようだ。

 金融不安がひとまず一服し、米株式市場も買戻されている。為替市場では逃避通貨としての円が復活しており、リスク選好の円売りがドル円を支えている。

 米金利のピークが近く、金融不安もさらに緩和されるとの期待から、市場のムードは高まっている。銀行の流動性問題に関しては、2008年の金融危機時のサブプライムローンとは問題の質が違い、米金融当局が対処可能と見ているようだ。

 また、FRBは否定しているものの、市場は年内の利下げシナリオを織り込む動きを見せている。ただ、「現在はあくまで、行動よりも期待で成り立っているおり、FRBが投資家を失望させた場合は、市場のボラティリティは再び高まる」との警告も出ている状況。その意味では今後発表される雇用、インフレ、生産などのハードテータや景況感、信頼感といったソフトデータの結果を待ちたいところのようだ。

 明日はFRBが参照しているインフレ指標である2月のPCEデフレータが発表される。FRBが最も注目しているコアPCEデフレータは前月比で0.4%上昇、前年比では4.7%の上昇が予想されている。1月からは減速したとはいえ、FRBの物価目標2%を遥かに上回る水準。また、パウエル議長が注目している「スーパーコア」と呼ばれる住宅を除くコアサービス指数も前月比0.4%上昇し、前年比では4.8%の上昇が見込まれているようだ。

 ユーロドルは上値追いが続いており、一時1.0925ドルまで上げ幅を拡大。3月23日につけた高値に顔合わせする動き。この日は3月のドイツの消費者物価指数(HICP)の速報値が発表になっていたが、ガス価格の下落で前回からは低下していたものの予想は上回っていた。

 金融不安が後退する中で市場では、ドイツのインフレが予想を上回ったことでECBは再び利上げに趣きを置くとの見方が広がっており、ユーロも上昇。

 通貨バスケットにおけるユーロの指数は2月2日以来の高水準に上昇しており、ユーロドルも過去2年間の下降トレンドラインを突破している状況。来週から第2四半期入りだが、市場のECBのターミナルレート(最終到達点)の予想が上方修正されれば、ユーロドルはさらに上昇の勢いを増す可能性があるという。

 ポンドドルも上値追いが続いている。本日は1.23ドル台後半まで上昇し、12月と1月に上値を拒んだ1.24ドル台半ばの水準を視野に入れた動きを継続している。

 市場では英経済への悲観論が和らいでおり、ポンドを下支えしている。3月のポンドはG10通貨の中で円とスイスフランに次いで3番目に好調なパフォーマンスとなっている。また、英経済の回復力は英中銀に利上げ圧力をかけ続けている。ベイリー英中銀総裁は今週、「英国の銀行は景気を支える体制が整っている」と述べ、英国での金融不安を払拭する発言を行った。このコメントにより市場では、次回5月11日の金融政策委員会(MPC)でも、さらに0.25%ポイントの利上げを行う可能性を高めている。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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執筆者 : MINKABU PRESS

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