アドビが決算受け上昇 フィグマ社買収には不安感も=米国株個別
アドビ<ADBE>が上昇。前日引け後に12-2月期決算(第1四半期)を発表し、売上高は予想範囲内だったものの、1株利益は予想を上回ったほか、ガイダンスで通期の1株利益の予想を上方修正した。クリエイティブ・ソフトウェアに対する需要が引き続き堅調であることを示した。
同社はクリエイティブ・ソフトウェアのリーダーとして長い間活躍してきたが、デザイナー、マーケティング担当者、よりカジュアルなユーザー間での足跡を拡大することに取り組んでいる。その戦略の焦点は200億ドルをかけたデザイン新興企業フィグマ社の買収であるが、複数の規制当局の審査と政府による訴訟の可能性もある。
アナリストは業界を取り巻く厳しいマクロ環境を考えれば、今回のガイダンスを好意的に捉えている。ただ、フィグマ社の買収は株価の重石になる可能性も指摘している。
「決算は厳しい環境下での底堅さを示した。しかし、フィグマ社の買収にまつわる不確実性は魅力的なエントリーポイントと考えている投資家に水を差すことになりそうだ」とのコメントも聞かれた。同社はフィグマ社買収を年内には決着したい意向を示している。
(12-2月・第1四半期)
・1株利益(調整後):3.80ドル(予想:3.67ドル)
・売上高:46.6億ドル(予想:46.3億ドル)
デジタルメディア:34.0億ドル(予想:33.7億ドル)
クリエーティブ:27.6億ドル(予想:27.4億ドル)
ドキュメントクラウド:6.34億ドル(予想:6.31億ドル)
・残存履行義務:152.1億ドル(予想:150.0億ドル)
・デジタルメディア新規年ベース経常収入(ARR):4.10億ドル(予想:3.75億ドル)
(3-5月・第2四半期見通し)
・1株利益(調整後):3.75~3.80ドル(予想:3.76ドル)
・売上高:47.5~47.8億ドル(予想:47.6億ドル)
・デジタルメディア新規年ベース経常収入(ARR):4.20億ドル(予想:4.00億ドル)
(通期見通し)
・1株利益(調整後):15.30~15.60ドル(従来:15.15~15.45ドル)(予想:15.31ドル)
・デジタルメディア新規年ベース経常収入(ARR):約17.0億ドル(従来:約16.5億ドル)(予想:16.0億ドル)
(NY時間09:37)
アドビ<ADBE> 346.60(+12.99 +3.89%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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