【これからの見通し】ドル相場の流れは停滞、米利上げペース縮小も終着点は定まらず
【これからの見通し】ドル相場の流れは停滞、米利上げペース縮小も終着点は定まらず
今週はドル相場の方向性が見えにくくなってきている。市場の関心は米金融当局の利上げ姿勢の変化に集まっている。一連の米インフレ指標の伸び鈍化を受けて、市場では今後の利上げペースの縮小がコンセンサスとなってきている。次回12月FOMC会合では50bp利上げが有力となっており、4回連続の75bp利上げからはペースダウンする見込み。問題は、インフレ退治のためにどの水準まで金利を引き上げるべきなのか、そのターミナルレート(終着金利水準)の見通し。昨日はタカ派として知られるブラード総裁が少なくとも5%、場合によっては7%までの予測を示していた。利上げペース鈍化と、最終的な金利水準観測の引き上げが併存している状況だ。今後いつまで利上げが続くのかは、まだまだ不透明だ。
このような状況をうけて、ドル相場は強弱感が対立している。一連の米インフレ指標の鈍化を受けたドル売りの流れは停滞しており、地政学リスクも加わってドル買いの動きが散見されるところとなっている。まだまだボラタイルな相場展開ではあるが、大きな流れは次第に出にくくなっているようだ。米金融当局者発言や、米経済指標の際立った結果などに随時反応する神経質な地合いになっている。
この後の海外市場で発表される経済指標は、英小売売上高(10月)、カナダ鉱工業製品価格(10月)、米中古住宅販売件数(10月)、米景気先行指数(10月)など。注目の米中古住宅販売は前回からの減少が見込まれている。
発言イベント関連では、ラガルドECB総裁、ナーゲル独連銀総裁、クノット・オランダ中銀総裁、マン英中銀委員などがフランクフルト欧州銀行会議に出席する。ハスケル英中銀委員が討論会に参加。コリンズ・ボストン連銀総裁、ボスティック・アトランタ連銀総裁などが講演を行う。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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