トール・ブラザーズ、第３四半期の購入契約が６０％減＝米国株個別

　高級住宅建設のトール・ブラザーズ＜TOL＞が前日引け後に５－７月期決算（第３四半期）を発表し、売上高は予想を下回ったものの、１株利益は予想を上回った。ただ、受注が急減しており、販売件数の見通しを下方修正している。金利上昇が高級住宅市場にも影響し始めていることが示された。第３四半期に締結された購入契約は６０％減少した。

　パンデミック時の販売急増の後、米建設業者は需要急減に直面している。多くの業者が在庫積み上がりを避けるため、値引きや販売奨励策を打ち出している。同社の顧客の大半は平均１００万ドル（約１億３７００万円）で販売される高級住宅を買う富裕層だが、住宅ローン金利が急上昇し、富裕層も購買力が低下していることが示された。

　同社のイヤリーＣＥＯは、「夏が終わりに近づくにつれて、より良いトラフィック、より質の高いトラフィックが引き続き見られる。しかし、買い手市場であることは認識しており、それに応じて行動する」と述べていた。

　ただ、株価は下落して始まったものの、直ぐに買い戻しが入りプラスに転じている。

（５－７月・第３四半期）
・1株利益（調整後）：2.35ドル（予想：2.31ドル）
・売上高：24.9億ドル（予想：25.2億ドル）
・住宅粗利益率（調整後）：27.9％（予想：26.8％）
・物件引き渡し：2414件（予想：2756件）
・受注残：111.9億ドル（予想：119.6億ドル）
・受注残の平均価格：104万ドル（予想：102万ドル）

（通期見通し）
・販売件数：1万～1万300件（従来：1万1000～1万1500件）（予想：1万1100件）
・販管比率：10.5％（従来：10.4％）（予想：10.3％）
・住宅粗利益率（調整後）：27.5％（予想：27.3％）

（NY時間14:21）
トール・ブラザーズ＜TOL＞　46.14（+0.51　+1.12%）

MINKABU PRESS編集部　野沢卓美