タカ派なFOMC議事録受け、ダウ平均は下げに転じる ナスダックは一時3%の大幅安=米国株後半
NY株式5日(NY時間15:46)
ダウ平均 36512.84(-286.81 -0.78%)
ナスダック 15164.57(-458.15 -2.93%)
CME日経平均先物 29135(大証終比:-135 -0.46%)
NY時間の終盤に入ってダウ平均は下げに転じており、ナスダックは一時3%超の下げとなった。午後になってFOMC議事録が公表されたが、全体的に予想以上にタカ派な印象が強く、速いペースでの早期利上げの可能性を示唆したほか、バランスシートは前のサイクルよりも速く縮小の可能性も示唆した。3月利上げ開始の可能性を高める内容でもあり、株式市場はネガティブな反応を示している。
ただ、市場では今年の見通しを上方修正する動きが相次いでおり、きょうも米大手銀がS&P500株価指数の今年末の目標を5100ポイントに上方修正した。10月末に4900ポイントを予想していた。昨年の最後の2カ月間の株価上昇が要因だと述べている。
来週は米大手銀を皮切りに10-12月期決算が始まるが、最近の市場の動きを裏付ける内容になるという。通期の見通しは、感染拡大とサプライチェーン問題が続いているにもかかわらず、快適さを提供するはずだという。株価目標の設定プロセスで10項目を使用するが、特に決算関連のアプローチは新たな目標を最も支持しているという。一方、センチメントとインフレはそれほど支持的ではないという。FRBの動向変化や感染拡大、頑固なサプライチェーンとインフレの問題が気掛かりだが、すでによく認識されていることではあるとも言及している。それよりも、全体の成長への警戒が最大のリスクかもしれないとも指摘した。
また、今年は米国債利回りの上昇が予想される中、IT・ハイテク株から景気回復の恩恵を受けやすい割安な循環株へのローテーションが加速するとの見方も出ているようだ。
個別にアドビ<ADBE>が4日続落。きょうはアナリストが投資判断を「買い」から「中立」に引き下げ、目標株価も従来の635ドルから575ドルに引き下げたことが伝わった。
ファイザー<PFE>が3日ぶりに反発。アナリストが投資判断を「買い」に引き上げ、目標株価も従来の59ドルから70ドルに引き上げた。前日終値から28%高い水準を示唆。
セールスフォース<CRM>が下落し、ダウ平均を圧迫。アナリストが投資判断を「中立」に引き下げた。2022年の同社の成長が予想以上に鈍化する可能性を指摘。
インテル<INTC>が逆行高。きょうから米ラスベガスで世界最大のテクノロジー見本市「CES2022」が開催されているが、同社はプロセッサーやグラフィック用チップの新製品を発表。アナリストからは、同製品の力強いベンチマークに励まされており、同社のイノベーションは改善したと考えているとのコメントも聞かれた。
電気自動車(EV)スタートアップのリビアン<RIVN>が下落。同社の大株主で提携しているアマゾン<AMZN>が欧州の自動車メーカー、ステランティスとソフトウエア開発で協力し、配送用の新たな電動バンを購入することで合意したことを嫌気。
アドビ<ADBE> 514.84(-39.16 -7.07%)
ファイザー<PFE> 55.86(+1.33 +2.43%)
セールスフォース<CRM> 228.23(-20.00 -8.06%)
インテル<INTC> 54.23(+1.09 +2.04%)
リビアン<RIVN> 90.29(-11.11 -10.95%)
アップル<AAPL> 176.26(-3.45 -1.92%)
マイクロソフト<MSFT> 317.71(-11.31 -3.44%)
アマゾン<AMZN> 3301.82(-48.62 -1.45%)
アルファベットC<GOOG> 2767.08(-121.25 -4.20%)
テスラ<TSLA> 1090.95(-58.64 -5.10%)
メタ・プラットフォームズ<FB> 327.48(-9.05 -2.69%)
AMD<AMD> 136.47(-7.95 -5.50%)
エヌビディア<NVDA> 277.33(-15.57 -5.32%)
ツイッター<TWTR> 39.65(-1.20 -2.94%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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執筆者 : MINKABU PRESS
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