ダウ平均は小幅高 米CPIは予想通りでネガティブな反応はない=米国株前半
NY株式10日(NY時間12:54)
ダウ平均 35818.66(+63.97 +0.18%)
ナスダック 15562.59(+45.22 +0.29%)
CME日経平均先物 28560(大証終比:+180 +0.63%)
きょうのNY株式市場でダウ平均は小幅高。注目の米消費者物価指数(CPI)が取引開始前に発表され、市場予想とほぼ一致した。総合指数で前年比6.8%、コア指数で4.9%となった。6.8%の伸びは1982年以来、約40年ぶりの高い伸び。パウエルFRB議長が先日の議会証言でタカ派シフトを鮮明に示唆し、市場でもFRBの早期引き締め期待が高っている。きょうの米CPIはその期待を十分に裏付ける内容となった。
ただ、株式市場はネガティブな反応は見せておらず、買いが先行して始まった。想定内の範囲で予想を超える上昇幅でなかったことに安心感が広がっている模様。また、来週はFOMCが予定されており、FRBは早期引き締めを示唆するものと思われるが、それも想定範囲内に留まるとみられているようだ。
一方、米国では感染の症例や入院が増加しており、クリスマス休暇に向けて不安感に直面している。他国でもロンドンの企業は数千人のスタッフに自宅で仕事をするように伝え始め、香港では検疫規則を厳しくしようとしている。英旅行業界ではパンデミックが長距離の旅行を制限させ続けることから、来年の航空機の乗客数はパンデミック以前の半分程度の回復に留まるとの推計も出ている。市場は米当局やファイザーなどの発表によりオミクロン株による経済への懸念を緩めているが、過度に楽観視すべきではないとの主張も根強い。
きょうの米株式市場は小幅な値動きに終始しているが、来週の重要イベント目白押しの週を前に様子見気分を強めている。
米国債利回りが低下していることから銀行株が下落しているほか、エネルギー株も軟調。航空やクルーズといった旅行レジャー関連も軟調。一方、IT・ハイテク株はまちまちの中、ナスダックはプラス圏での推移となっている。
個別にモデルナ<MRNA>が下落。季節性インフルエンザ向けワクチンの臨床試験の結果を嫌気している。ワクチンが、若年および高齢者への初期段階の臨床試験で、4つのインフルエンザ株すべてに対して抗体が増強したと発表した。ただ、アナリストからは仏サノフィのインフルエンザ用ワクチン「フルーゾン」の結果と一致しているとの見方も出ている。
オラクル<ORCL>が大幅高。前日引け後に9-11月期決算(第2四半期)を発表し、1株利益、売上高とも予想を上回った。クラウド関連が好調だった。
半導体の設計開発を手掛けるブロードコム<AVGO>が上昇。前日引け後に8-10月期決算(第4四半期)を発表し、1株利益、売上高とも予想を上回った。第1四半期の見通しも公表しており、売上高見通しが予想を上回っている。また、100億ドルの自社株買いプログラムも発表した。データセンター向け半導体が好調だった。
ブロードコム<AVGO> 627.80(+44.38 +7.61%)
オラクル<ORCL> 102.88(+14.11 +15.90%)
モデルナ<MRNA> 259.51(-12.70 -4.67%)
アップル<AAPL> 177.08(+2.52 +1.44%)
マイクロソフト<MSFT> 339.58(+6.48 +1.95%)
アマゾン<AMZN> 3422.00(-61.42 -1.76%)
アルファベットC<GOOG> 2963.29(+1.17 +0.04%)
テスラ<TSLA> 1011.55(+7.75 +0.77%)
メタ・プラットフォームズ<FB> 328.99(-0.83 -0.25%)
AMD<AMD> 137.95(-0.15 -0.11%)
エヌビディア<NVDA> 302.24(-2.66 -0.87%)
ツイッター<TWTR> 45.32(-1.14 -2.45%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。