為替相場まとめ6月14日から6月18日の週

為替 

 14日からの週は、ドル買いが強まった。注目された米FOMCで、メンバーの金利見通しで、利上げ開始時期が前倒しとなったことがサプライズとなった。2023年中の利上げ派が従来の7名から13名へと増加、同年中に2回の利上げを見込むタカ派姿勢へと傾斜している。パウエルFRB議長会見では、インフレは一時的との見方を崩さなかったが、労働市場については楽観的な見方へと変化した。米債利回りが急上昇、株式は下落、ドル相場に買い圧力が強まった。ユーロドルは1.21台から1.18台へ、ポンドドルは1.41台から1.38台へと一時下落。ドル円も109円台後半から110円台後半まで急伸した。ただ、株安の動きがリスク警戒を広げる面もあり、円高圧力も広がった。クロス円の下落とともにドル円も110円付近に押し戻された。タカ派色を強めた印象のFRBとは対照的に、ECBは慎重姿勢を崩していない。PEPP縮小の議論については時期尚早との見方と、議論開始の必要性を示唆する見方が対立しており、動きをみせるまでには時間がかかりそうだ。英中銀はCPIが前年比+2.1%と中銀目標を上回ったことなどでインフレ警戒を強めており、早期利上げを促す声も出始めている。ユーロ相場は対ドル、対ポンドともに軟調に推移した。週末にかけては株安を警戒した動きも。ハト派で知られるセントルイス連銀のブラード総裁が来年中の利上げに言及し、サプライズの債券利回り上昇・株安を誘った。

(14日)
 東京市場は、狭いレンジでの揉み合い。豪州、中国、香港が休場で取引参加者は少ない。ドル円は先週末の下値しっかりの動きを受けて109.60台で取引を開始。米10年債利回りがやや上昇したことを受けて、109.83レベルまで買われ、その後は揉み合いに。ユーロドルは朝方に1.2112近辺まで上昇したあとは、1.21台割れとなるなど1.2100を挟んでの振幅に終始した。今週15-16日の米FOMC会合を控えて、積極的なポジション作成がやりにくい週明け相場となった。人民元が軟調。週末G7で中国への対抗姿勢が示されたことを受けて、オフショア人民元が下落。対ドルは8.4090近辺、対円は17.12近辺へと軟化している。

 ロンドン市場は、ポンド売りが先行。ジョンソン英首相が6月21日に予定していたロックダウン完全解除を4週間程度延長するとの報道を受けて売られた。また、週末のG7での英国とEUとの北アイルランド・プロトコルをめぐる摩擦も嫌気されたようだ。ポンドドルは1.41台割れ、ポンド円は154円台前半へと下落した。ただ、市場全般では先週末のドル買いへの調整が入っており、ポンドドルも1.41台、ポンド円は154円台後半へと下げ渋っている。ユーロドルは1.21台前半で小高く推移、ドル円は109円台後半で上値重く推移。ドル指数は先週末の上昇にやや調整の動きが入っている。4月ユーロ圏鉱工業生産は予想を上回る回復をみせたが、ユーロは反応薄だった。ECB当局者らからはPEPP縮小の議論は時期尚早との論調が相次いだ。トルコリラが堅調。米国とトルコの首脳会談、NATO首脳会議が開催されており、トルコをめぐる関係改善期待が広がっているようだ。

 NY市場は、ドル円、ユーロドルがともに上昇。ドル円は110円台を回復。米10年債利回りが1.5%に上昇したことに反応。ユーロドルは下げが一服し、1.21台を回復している。先週末のドル買いの動きに調整が入る格好。ポンドドルも1.41台へと買い戻された。ただ、ロンドン時間には一時1.4070近辺まで一段安となる場面があり上値は重い。全般に米FOMC待ちのムード。市場は出口戦略着手のスケジュールに関する米金融当局のシグナルを待っている状況。オーストリアのホルツマン総裁は新型ウイルスのひどい流行が再び起こらない限り、PEPPは予定通り2022年3月に終了するとの見解を示していた。ラガルド総裁は高インフレは一時的との認識を示していたが、バイトマン総裁とクノット総裁はインフレ率の上昇に言及していた。英国では北アイルランドをめぐるEUとの対立激化やデルタ変異種の広がりが懸念材料。ただ、英中銀のタカ派ぶりはECBやFRBを凌駕しているとの声も。

(15日)
 東京市場は、小動き。主要通貨は軒並み狭いレンジでの取引に終始。ドル円は110円台前半での揉み合いで、朝からのレンジは12銭にとどまっている。ユーロドルのレンジも14ポイントにとどまった。今日、明日の米FOMCにおいて、経済成長見通し、物価見通しの引き上げや、2023年末時点での利上げを見通すメンバーが増えて、多数派になるとの思惑がドル買いを誘っているものの、積極的に上値を買う流れにはならず。1日の豪中銀金融政策理事会の議事要旨では、利上げの条件が整うのは早くても2024年、当面は緩和的な必要などの表現があり、いったん豪ドル売りに。ただ、売りも続かず往って来いとなった。対ドルは0.77挟みの振幅。

 ロンドン市場は、ドル相場が振幅。ドル売りが先行したあとは、すぐに方向転換。ドル買いの動きに。ドル円は一時110円割れ水準まで下落後、高値を110.17レベルに伸ばした。ユーロドルは上に往って来い。一時1.2150手前まで上伸も1.2110台まで押し戻された。ポンドドルは買い先行で、高値を1.4130付近に伸ばしたあと1.41台割れから1.4070付近まで安値を広げた。ユーロ円は133円台での上下動。ポンド円は155円台半ばまで買われたあと一時155円台割れに。ポンドは対ユーロでの売りも優勢で、上値重く推移。EUと米国がボーイングとエアバスめぐる貿易紛争解決で合意、英政府は豪州とFTA(自由貿易協定)で合意など通商問題での進展が報じられているが、市場はさほどリスク選好には傾斜しなかった。英雇用統計の改善への反応も一時的。きょうの一連の米経済統計やあすの米FOMCを控えて一方向には進みにくい展開だった。

 NY市場は、FOMC待ちの雰囲気が広がった。ドル円は110円台前半の狭いレンジでの振幅。18銭程度の値動きにとどまった。ユーロドルは1.21台前半での振幅。ユーロドルはいまのところ1.21台は維持しているものの上値は重い。先週のECB理事会では資産購入ペース縮小の決定を先送りし、当面は景気をサポートすることを表明した。これを受けて欧州債のボラティリティも低下しており、戦術的に夏にかけてユーロのキャリートレードの魅力を高めるとの指摘も。ポンドドルはNY時間に入って下げが一服も、きょうは一時1.4040付近まで下落。下値模索の動きが続いている。対ユーロや対円でも下落している。EUとの対立激化と英中銀の利上げ開始への期待がせめぎ合っている。

(16日)
 東京市場は、米FOMCを控えて様子見ムードが広がった。ドル円の朝からの値幅はわずかに9銭にとどまり、110.10付近で膠着状態に。ユーロドルは1.2120台を中心とした推移。売りが先行して1.2117レベルまで軟化も、その後は1.2130近辺に戻した。前日から変わらずの水準だった。ユーロ円は133.40-50レベルでの揉み合い。ポンドドルは1.40台後半、ポンド円は155円ちょうど付近での取引が続いた。前日にはEUとの北アイルランドをめぐる対立が警戒され、ポンドは売られていた。安値圏に落ち着いた格好。

 ロンドン市場は、ややドル売りが優勢。米10年債利回りが1.48%付近へと小幅低下したほか、ドル円にとっては中国指標が予想を下回ったことが、ポンドにとっては英消費者物価指数が予想を上回る伸びを示したことが影響した。ドル円は110.10付近での揉み合いから一時109.90レベルまで下押し。5月中国小売売上高と鉱工業生産が事前予想を下回る結果に終わったことに反応。ポンドドルは1.4080近辺から一時1.4123レベルまで上昇。5月の英消費者物価指数が前年比+2.1%と前回の+1.5%、事前予想の+1.8%を上回ったことに反応。英中銀のインフレ目標水準に達した。一方、ユーロドルは1.2135近辺まで買われたあとは1.2115近辺へと反落。方向性に欠ける振幅に。米FOMCを控えて様子見ムードが広がっており、値幅は限定的。

 NY市場では、FOMCを受けてドル買いが強まった。ドル円は109円台後半から110.70近辺まで急上昇。ユーロドルは1.21台前半から1.20台割れまで急落。ポンドドルは1.41前後から1.40台割れへと下落。午後に公表されたFOMCの結果とその後のパウエル議長の会見を受けて、市場はFRBがタカ派に転じたとの見方が広がった。FOMCメンバーの金利見通し(ドット・プロット)が公表され、メンバー投票の中央値は、23年末までに2回の利上げを見込んでいる。パウエル議長会見ではインフレ上昇は一時的との見方を繰り返す一方、労働市場については予想以上に楽観的にみている印象が強かった。ただ、市場が最も注目していた資産購入ペース縮小の議論については「議論することについて議論」と述べるに留まり、また、「ドット・プロットは割り引いて見るべき」とも述べていた。しかし、市場は資産購入ペース縮小に一歩近づいたとの見方も強く、全体的には利上げ開始予想も含めて、今回のFOMCは予想以上にタカ派と受け止めたようだ。米債利回りは急上昇、米株は下落した。

(17日)
 東京市場では、前日のFOMC後のドル高水準で推移。東京朝方に、ドル円は110.80台まで一段高となる場面があった。その後は110.61近辺まで調整が入り、午後にはレンジ内で落ち着いた。ユーロドルは午前に1.20台割れとなったが、その後はドル買い一服。戻りも1.2006レベルまでと限定的な動きだった。豪ドルは振幅。豪州雇用統計で雇用者数の増加が予想を上回り豪ドル買いに反応。対ドルは0.7640台まで上昇した。しかし、上値は重く0.76台前半での揉み合いに。米国との金利差を意識した豪ドル売りが上値を抑えたようだ。豪ドル円は84円台半ばで小幅の振幅だった。

 ロンドン市場は、ドル買い圧力が継続。東京市場ではドル買い一服も、ロンドン市場では再びドル買いが進行。ユーロドルは1.20付近から1.1920台まで一段安。ポンドドルも1.40近辺から1.3930台まで下押しされた。ドル円は東京朝方の高値110.82レベルからはやや調整され、ロンドン市場では110.55レベルまで一時下落。その後は高値圏を維持しての揉み合いに。米10年債利回りは1.55%台へと小幅低下。レーンECBチーフエコノミストは、米国とユーロ圏の状況は異なっている、PEPP購入終了の議論は時期尚早と述べており、ユーロ売りを誘った面も。ユーロは対円、対ポンドも軟調に推移した。ECBは英米中銀ほどは出口戦略に近づいていないようだ。ホールデン英中銀チーフエコノミストは、金融政策の正常化が低調達コスト資金に依存するカルチャーを弱めるだろう、と指摘した。トルコ中銀は政策金利を据え置いたが、声明でインフレが鈍化するまでは引き締め策を維持すること確約とし、リラ買いの反応がみられた。

 NY市場では、ドル円の売りが目立った。前日のFOMCを受けたドル買いで110.80近辺まで買われたが、本日は戻り売りが強まり、110.20近辺まで一時下落した。米10年債利回りが前日の急上昇から逆に急低下、一時1.5%を下回った。この日発表の米経済指標が弱い内容となったこともあるが、米株式市場でダウ平均が一時400ドル超下落したほか、原油も下げており、リスク回避の動きが出た。ユーロ円やポンド円などクロス円の下げもきつく、リスク回避の円高の格好だった。市場では前日のFOMCでリフレ取引の終了との声も。前日のFOMCでFRBがタカ派にシフトしたとの見方から、これまで市場が享受してきた適温相場(コルディロックス相場)が後退するのではとの警戒感も。ユーロドルは1.19台を一時割り込んだ。ECBは先日の理事会でハト派姿勢を強調していたが、前日のFOMCを通過して、ECBとFRBの金融政策の格差が拡大するのではとの見方が広がった。ポンドドルは一時1.38台、ポンド円は153円台前半まで一時下落。英国での新規感染者数が再び増加、ポンド売りを誘った。高インフレによる英中銀の早期利上げ期待とのせめぎ合いに。

(18日)
 東京市場は、午後に入ってドル高・円高の動き。午前は実質5・10日(ゴトウビ)ということもあって、仲値にかけてドル円は110.30付近で底堅く推移した。仲値公示後は日銀金融政策決定会合の結果発表を控えて110.20前後で値動きが膠着。日銀は予想通り金融政策を据え置き。午後に入るとクロス円とともに円高方向に振れた。米連邦通信委員会(FCC)が中国企業5社の通信機器の認証を禁じる規制案を発表したほか、バイデン米政権が中国製アプリの規制強化へと報字られたことでリスク回避ムードが強まった。ドル円は109.98近辺、豪ドル円は82.76近辺、NZドル円は76.73近辺まで安値を広げた。クロス円の下落とともに、対円以外の通貨でのドル買いも進んだ。

 ロンドン市場は、リスク回避的な動きのなかで、ポンドが軟調。ポンドドルは1.39台割れから1.38台半ばへ、ポンド円は153円台割れから152円台半ばへと下落した。その後は下げ一服も、東京市場の水準までは戻し切れず。この日発表された5月の英小売売上高が予想外の減少となったことや、新型コロナ感染が再拡大する恐れ、引き続き英国とEUとの北アイルランドめぐる問題が解決していないことなどが重石となっている。ユーロドルは1.18台後半へと下値を広げたあとは、1.19台に戻している。ユーロ円も一時131円台割れも下に往って来いに。ドル円は序盤に110円台割れとなったあとは110円台に戻したが、東京市場の110.20-30レベルまで戻す力には欠けている。FOMC後のリスク警戒モードが続いている。欧州株が売りに押されたほか、NY原油先物も71ドル台を再び下回っている。

 NY市場でドル円は朝方に米債利回りの上昇などを受けて110円48銭まで上値を伸ばす場面が見られた。その後、米株の大幅安などを嫌気した円買いが入り、一転して110円04銭までと、110円ちょうどを試す展開に。大台を何とか維持した後は110円台前半での推移が続いた。ハト派で知られるブラード総裁が自身は2022年中の利上げを見込んでいることを表明し、サプライズからのドル買いに。利上げの影響を受けやすい米2年債の利回りが0.21%前後から0.28%台まで上昇するなど、米債利回りの上昇にもつながった。しかし、利上げの前倒し期待や早期のテーパリング開始期待は、米株式市場にとってはかなりの重石。ダウ平均が30銘柄すべて下げるなど、株安の動きが広がる中で。リスク警戒の円買いを誘った。また米10年債の利回りが低下し、NY朝の1.52%台を付けた動きから1.44%割れまで下げる中で、ドル売りの動きも強まり、朝のドル買いで1.1850割れを付けたユーロドルが1.1880台を付けるなどの動きに。もっとも引けにかけて株安が進んだことでクロス円での円買いが入り、ユーロドルなども売りが出る展開に。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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