広告を非表示にする
ad hide img

みんかぶプレミアム会員なら
広告非表示で利用できます

※サイトからのお知らせは除きます

上昇の確率が依然高いと考えるも、その期待に不安も募る

為替 

 今週のドル円のレンジは60銭程度と、109円台での方向感のない展開に終始した。今週の最注目は米消費者物価指数(CPI)の発表だったが、事前の高い予想を更に凌ぐ強さを示し、市場のインフレ警戒を完全に裏付ける内容となった。

 ただ、驚きだったのが市場の反応だ。発表直後こそ、米国債利回りの上昇と伴にドル買いが強まり、ドル円も109円台後半に上昇したが、直ぐに勢いは止まってしまった。しばらくすると逆に戻り売りが強まっている。「噂で買ってニュースで売る」の典型的な反応だ。強いCPIを期待してポジションを仕込んでいた向きからの戻り売りが一斉に出たようで、米10年債利回りは節目の1.5%を下回った。

 いくら高いインフレ指標が出ても、現時点でFRBは動かないとの見方が根強いのであろう。インフレ指標が強ければ強いほど、逆に特殊要因やある種の異常値が出ている証拠とも捉えることができる。もしかすると、今回の強い米CPIは、FRBが指摘する「インフレ上昇は一時的」との見解を、逆に強固にしてしまったのかもしれない。

 来週は15、16日にFOMCが開催されるが、緩やかな景気回復やインフレ上昇に言及する可能性は高いものの、少なくとも雇用については、出口戦略にはほど遠いとの見解が示されてもおかしくはなさそうだ。FRBは雇用が驚くほど改善しない限り、出口戦略に舵を切らないとの見方が強いことも事実。

 米国では9月に失業給付の特別措置が完全に終了することもあり、市場では秋には米労働者の労働市場復帰が活発化し、それに伴って賃金上昇圧力も弱まるものと見られている。(一部の州では期限前に終了)

 しかし、それに懐疑的な見方を示す向きもあるようだ。人々の労働市場への復帰は9月かそれ以降までないリスクも考えられるという。一部からは毎年8月にワイオミング州のジャクソンホールで開催されるFRBの年次総会でパウエル議長が、出口戦略に関して明確な道筋を示すとの期待があるようだが、労働市場の状況から、投資家が失望するリスクも留意されるとの指摘もあるようだ。

 今週の動きを受けて確率は上も下も低下している。111円と107円に着目すると、6月末までに111円に一度でも到達する確率は前週の35.1%から27.3%に低下。一方、107円の確率は11.4%から2.9%まで低下している。ほぼ可能性ゼロと見ている。7月末までに111円に到達する確率は50.6%と前週とほぼ変わらず。

 市場は、上昇する確率のほうが依然として高いと考えているものの、その上昇期待に不安も募り始めており、いまは動けないといった雰囲気になっているのかもしれない。

◆来週以降6月30日までに各ポイントを1度でも付ける確率
()は先週末
113円: 0.7%( 3.1%)
112円: 5.7%(12.1%)
111円:27.3%(35.1%)
109.70円(週末終値)
107円: 2.9%(11.4%)
106円: 0.3%( 2.6%)
105円: 0.0%( 0.4%)

◆来週以降7月30日までに各ポイントを1度でも付ける確率
()は先週末
113円:10.3%(14.7%)
112円:25.0%(29.8%)
111円:50.6%(53.1%)
109.70円(週末終値)
107円:19.6%(29.8%)
106円: 7.3%(14.3%)
105円: 2.2%( 5.8%)

※ドル円のオプション取引から算出

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
次回の配信は6月26日(土)の午前を予定しています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

為替ニュース/コラム

一覧を見る

注目ニュース

新着ニュース

ad hide img

みんかぶプレミアム会員なら
広告非表示で利用できます

※サイトからのお知らせは除きます

ad hide img

みんかぶプレミアム会員なら
広告非表示で利用できます

※サイトからのお知らせは除きます

主要通貨レート

FXアプリ スマホランキング

GMOクリック証券 56

ドル円スプレッド 0.2銭(原則固定・例外あり)
豪ドル円スワップ 125
最小取引単位 1,000通貨
テクニカルの種類 13
チャート画面で発注
自動利食い・損切り
GMOクリック証券 のアプリ詳細

外為どっとコム 54

ドル円スプレッド 0.2銭(原則固定・例外あり)
豪ドル円スワップ 111
最小取引単位 1,000通貨
テクニカルの種類 23
チャート画面で発注
自動利食い・損切り
外為どっとコム のアプリ詳細

ヒロセ通商 50

ドル円スプレッド 0.2銭(原則固定・例外あり)
豪ドル円スワップ 119.1
最小取引単位 1,000通貨
テクニカルの種類 13
チャート画面で発注
自動利食い・損切り
ヒロセ通商 のアプリ詳細

▶︎ FXアプリをまとめて比較する

直近24時間の重要経済指標

ad hide img

みんかぶプレミアム会員なら
広告非表示で利用できます

※サイトからのお知らせは除きます