ドル高円安基調継続、いったん調整も値を戻す
ドル高円安基調継続、いったん調整も値を戻す
ポンドは一時しっかり、ワクチン接種進行など好感
【東京市場】109円30銭台まで
ドル売り円買いの動きが強まり、ドル円は109円30銭台まで値を落とした。
クロス円も値を落としており、先週末の円安に対する調整の動き。
朝方は先週末に109円85銭まで上昇した流れを継続し、109円80銭前後まで上値を試す場面も、
先週末の高値に届かずに調整が入り、午後には109円37銭まで。
年度末を前にした本邦勢からのドル売り円買いのうわさも流れた。
【ロンドン市場】ポンド高
ポンド高が進む展開。英国で今秋から段階的にロックダウンが解除されており、
市場の好感を誘っている。
特にワクチン接種がアストラゼネカ関連もあって遅れ、
感染拡大が深刻化したユーロ圏との対照的な状況がポンド買いに。
ドル円は東京午後の安値から買い戻し、
109円台半ばをあっさり回復し、109円台後半推移となっている。
【NY市場】ドル円しっかり
ドル円は109円85銭と先週末の高値に並ぶ動き。
その後も高値圏推移となっており、ドル高円安基調が継続。
110円手前の売りはまだ健在と見られるが、いったん109円台前半まで調整が入り
すぐに切り返してきたことで上値をより強く意識する展開となっている。
ポンドドルはロンドン市場からのポンド買いに1.38台を回復も続かず。
ドル買いの勢いに押された。
【本日の見通し】110円トライを意識
上値を意識する展開。
週明けの市場でいったんの調整を経て、先週末の高値に並ぶ動きとなっており
地合いの強さが印象的。
110円の大台を超えていく可能性は十分にある。
今週末、グッドフライデーで市場の多くが休場となる中での米雇用統計発表と
サプライズ要素が大きいだけに、いったん慎重な姿勢が強まる可能性もあり
ここからの動きが注目されるところ。
下がると買いが出る流れは継続で、ドル円の地合いは堅調。
【本日の戦略】押し目買い
ドル円は基本押し目買いの流れ。
110円超えを意識もスウィングは大台手前での買いには慎重になるところ。
デイトレ破壊から入って無理そうならすぐにやめるという流れか。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《3/29 月曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 109.65 1.1797 129.36
高値 109.85 1.1798 129.45
安値 109.37 1.1761 128.83
終値 109.81 1.1765 129.18
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《3/29 月曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 29384.52 +207.82
DOW 33171.37 +98.49
S&P 3971.09 -3.45
Nasdaq 13059.65 -79.07
FTSE 6736.17 -4.42
DAX 14817.72 +68.78
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《3/29 月曜日の商品市場》
NY原油先物5月限(WTI)(終値)
1バレル=61.56(+0.59 +0.97%)
NY金先物6月限(COMEX)(終値)
1オンス=1714.60(-20.10 -1.16%)
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《3/29 月曜日に発表された主な経済指標》
特に目立った経済指標の発表はありませんでした
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《3/29 月曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【日本】
*日銀主な意見(3月18-19日開催分)
景気は、内外における新型コロナウイルス感染症の影響から引き続き厳しい状態にあるが、基調としては持ち直している。
先行きのわが国経済は、感染症の影響が徐々に和らいでいくもとで、改善基調を辿るとみられる。
もっとも、目先は、対面型サービス消費における下押し圧力は続くとみられる。
景気は、海外経済が持ち直すもとで、改善基調にあるが、感染症の影響などから下振れリスクは大きい。
米国長期金利の急上昇を懸念する向きもあるが、
預貸率と貸出利鞘の低下が進んだ銀行による債券需要が旺盛になることで、そうした上昇は限定的となる可能性がある。
消費者物価の前年比は、エネルギー価格などの一時的なマイナス要因を除けば、
小幅のプラスを維持しており、経済の落ち込みに比べると底堅い動きが続いている。
先行き経済は回復するものの、引き続きわが国の物価の動きは弱いとみている。
インフレ予想は弱含んでおり、賃金も上がりにくく、各種部門ショックが物価を当面下押しするリスクが大きい。
欧米とは異なり、日本ではインフレリスクよりも依然としてデフレリスクの方が高い。
引き続き、企業等の資金繰りを支援し、金融市場の安定を確保すべき。
「点検」の結果を踏まえると、「物価安定の目標」の実現のためには、
「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の枠組みのもとで、強力な金融緩和を継続していくことが適当
「点検」での政策効果の分析によって、現行の金融緩和を長期的に継続すべきであることが確認
早期に「物価安定の目標」を達成することが、金融緩和の副作用を抑える最善の処方箋
「貸出促進付利制度」は、利下げの可能性を限定的にみている市場参加者の認識を改めてもらううえでも有効
長期金利が上下 0.25%程度動きうるフレキシビリティは、
収益機会が失われていたアービトラージャーやスペキュレーターが債券市場から退出することを防ぎ、
市場が持つ価格安定化機能を維持する観点からも望ましい。
より効果的で持続的な金融緩和を粘り強く続ける観点から、ETF等買入れの運営を柔軟化すべき
【ユーロ圏】
*デコス・スペイン中銀総裁
緩和的な金融政策の継続が重要だ。
EUは財政ルールの改革に関する議論が必要。
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《本日予定されている主な経済指標》
【日本】
有効求人倍率(2月)8:30
予想 1.09 前回 1.10
失業率(2月)8:30
予想 3.0% 前回 2.9%
【スイス】
KOF先行指数(3月)16:00
予想 104.3 前回 102.7
【香港】
小売売上高指数(2月)17:30
予想 42.5% 前回 -14.5%(数量ベース・前年比)
予想 44.0% 前回 -13.6%(価額ベース・前年比)
【ユーロ圏】
ユーロ圏消費者信頼感・確報値(3月)18:00
予想 N/A 前回 -10.8
ユーロ圏景況感(3月)18:00
予想 96.0 前回 93.4
ドイツ消費者物価指数・速報値(3月)21:00
予想 0.5% 前回 0.7%(前月比)
予想 1.7% 前回 1.3%(前年比)
ドイツ調和消費者物価指数・速報値(3月)21:00
予想 0.5% 前回 0.6%(前月比)
予想 2.0% 前回 1.6%(前年比)
【米国】
S&Pケースシラー住宅価格(1月)22:00
予想 11.35% 前回 10.10%(20都市・前年比)
コンファレンスボード消費者信頼感指数(3月)23:00
予想 96.8 前回 91.3
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員