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海外市場ではドル売りやや優勢、米CPIなど重石に

見通し 

海外市場ではドル売りやや優勢、米CPIなど重石に

コアインフレ低下でインフレ期待が後退。米債利回りも低下
10年債入札も無難にクリアで利回り低下促す

【東京市場】ドル買い基調に復する

ドル円は108円50銭前後で始まると、その後はじりじりとドル買いが進む展開に。
昼前に108円80銭前後を回復すると、午後もしっかりの展開で108円90銭台まで。
109円に乗せず、値幅自体は限定的なものにとどまっているが、押し目はあまりなく地合いは堅調。
 ユーロドルは1.1870前後までユーロ売りドル買いが進んだ。
前日の海外市場でのドル高に対する調整で1.19台を回復したユーロドルは1.1900前後で朝を迎え、
ドル円同様にドル買いの動きが優勢となる中じりじりと値を落とした。
昼前に1.1877まで値を落とし、1.1880前後でのもみ合いを経て1.1870前後へ。

【ロンドン市場】一転しドル売りに

 海外市場に入って東京市場のドル買いの流れが一服し、ドル売りの動きが広がっている。
ドル円は108円60銭台に下落、ユーロドルも東京市場の1.1869前後から1.19台を回復。
米債利回りが1.56%台を付けるなどしっかりも、NY市場の動向を見たいとの思惑や
東京市場で109円を付けきれなかったことでの短期筋の見切り売りなどが重石に。

【NY市場】注目のCPIや10年債入札が重石

 注目された米CPIはエネルギー価格の上昇を受けて全体の数字は前年比+1.7%と前回から上昇も
食品とエネルギーを除くコアの数字が予想及び前回を下回る1.3%に低下し、
ドル売りの動きが広がった。米債利回りもこの結果を受けて下落。
ドル円は一時108円35銭まで値を落とした。
その後いったんドル買いの動きも、10年債入札は無難な結果となり
その後米債利回りの低下が見られたことで、ドル売りの動きに。

【本日の見通し】ドル高の調整ムード続く

 注目された米CPIのコアが弱めに出たことで、ドル円はやや頭の重い展開に。
ユーロドルが1.19台にしっかり乗せてきており、ドル高進行に一服感が広がっている。
来週のFOMCでの緩和姿勢維持の見込みや
来週の日銀金融政策決定会合で示される政策点検で長期金利買入により柔軟な姿勢を示すとの思惑なども
ドル売り円買いに寄与している。

 ドル円は108円台でのレンジ取引が中心の展開か。
109円がやや重くなっていることもあり、上値を無理に狙う流れにはならず。
もっとも108円ちょうど近くでは買いが出るとみられ、上下ともやりにくい。

【本日の戦略】押し目買い

 スウィングは押し目買い継続。
108円台前半の買い場探しで107円80銭割れストップの流れ変わらず。

 デイトレは難しいがごく短期の流れ的には戻り売り
ただ中期的にはまだ上を向いているだけに見切りをいつも以上に気を付けて。

※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
-+—+–+—+—+—+—+—+—+–+–
《3/10 水曜日》
   ドル円  ユーロドル  ユーロ円
始値  108.48  1.1901  129.10
高値  108.92  1.1930  129.43
安値  108.34  1.1869  129.03
終値  108.38  1.1929  129.29
—+—+—+—+—+—+—+–+–
《3/10 水曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経  29036.56 +8.62
DOW   32297.02 +464.28
S&P    3898.81 +23.37
Nasdaq  13068.83 -4.99
FTSE   6725.60 -4.74
DAX   14540.25 +102.31
—+—+—+—+—+—+—+–+–
《3/10 水曜日の商品市場》
NY原油先物4月限(WTI)(終値)
1バレル=64.44(+0.43 +0.67%)
ブレント先物5月限(ICE)(終値)
1バレル=67.90(+0.38 +0.56%)
NY金先物4月限(COMEX)(終値)
1オンス=1721.80(+4.90 +0.29%)
+—+—+—+—+—+—+—+—+-
《3/10 水曜日に発表された主な経済指標》

【中国】
消費者物価指数(2月)10:30
結果 -0.2%
予想 -0.3% 前回 -0.3%(前年比)

生産者物価指数(2月)10:30
結果 1.7%
予想 1.5% 前回 0.3%(前年比)

【トルコ】
雇用統計(1月)16:00
結果 12.2%
予想 13.5% 前回 12.9%(失業率)
※今回から3カ月平均から単月に算出方式が変更
前回値および予想値は旧方式によるもの

【米国】
MBA住宅ローン申請指数(02/27 – 03/05)21:00
結果 -1.3%
予想 N/A 前回 0.5%(前週比)

消費者物価指数(2月)22:30
結果 0.4%
予想 0.4% 前回 0.3%(前月比)
結果 1.7%
予想 1.7% 前回 1.4%(前年比)
結果 0.1%
予想 0.2% 前回 0.0%(コア・前月比)
結果 1.3%
予想 1.4% 前回 1.4%(コア・前年比)

【カナダ】
中銀政策金利(3月)00:00
結果 0.25%
予想 0.25% 前回 0.25%

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《3/10 水曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》

【豪州】
*ロウ豪中銀総裁
少なくとも2024年まで政策金利が上昇する可能性は低い
ここ数週間のマーケットプライスは早ければ来年後半、
その後2023年に政策金利が上昇する可能性があることを示している
これは私たちが共有する見通しではない
利上げ前にインフレ見通しではなく、実際のインフレがターゲットバンド内に収まる必要がある
これには賃金の伸びが3%を超えることが必要。
現状では過去最低水準である1.4%前後で推移している。

【スイス】
ツァブリュック・スイス中銀副総裁 
現状の-0.75%の政策金利と為替介入が必要であると確信
状況に応じて、さらに強化することが可能
スイス中銀は最近のフラン安を歓迎

【日本】
*関係者
日銀、国債金利がより柔軟に動く方法を政策点検で検討。

【米国】
*米10年債入札結果
最高落札利回り 1.523%(WI:1.513%)
応札倍率    2.38倍(前回2.37倍)

*サキ米報道官
バイデン大統領は金曜日に追加経済対策に署名する。

*米下院が追加経済対策法案を可決
 米下院は先ほど、1.9兆ドル規模の追加経済対策法案を可決した。
同大統領の署名を経て成立する。採決は賛成220、反対211だった。

【カナダ】
*カナダ中銀声明
インフレ目標の持続的達成まで現行の金利水準を維持。
量的緩和も継続。
異例のフォワードガイダンスを維持。
週40億加ドルの資産購入を継続。
カナダドルは対米ドルでは安定も、他通貨に対して高い。
経済は感染第2波による封鎖措置に予想以上に弾力性があることを
証明。
第1四半期のGDPはプラスを予想。(1月時点ではマイナス成長
を予想)
住宅市場は予想よりも遥かに力強い。
伝染性の強い変異株の蔓延は最大の下振れリスク。

+—+–+—+—+—+—+—+—+–+–
《本日予定されている主な経済指標》

【日本】
国内企業物価(2月)8:50
予想 0.5% 前回 0.4%(前月比)
予想 -0.7% 前回 -1.6%(前年比)

【英国】
RICS住宅価格指数(2月)9:01
予想 45.0% 前回 50.0%

【南アフリカ】
製造業生産高(1月)20:00
予想 -0.7% 前回 -0.1%(前月比)

【ユーロ圏】
ECB政策金利 21:45
予想 0.00% 現行 0.00%

【米国】
新規失業保険申請件数(6日までの週)22:30
予想 72.5万件 前回 74.5万件(前週比)

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執筆者 山岡和雅

執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長

1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員

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