ユーロ高に対してECBができることは少ない=NY為替
ユーロドルはNY時間に入って一旦伸び悩む動きを見せていたものの、買い戻しの流れを続けており、1.20ドル台後半に再び上昇している。米インフレ期待から米国債利回りは上昇が続いているものの、きょうの為替市場はドル売りが優勢となっており、ユーロドルは買い戻しの展開を見せている。前日は1.20ドル台前半まで下落し、ECBも注目しているとされる大きな心理的節目1.20ドルを試しそうな気配もみられたものの、いまのところ維持されている。
1.21ドル手前に100日線と21日線が来ており、この水準を回復できるか注目される。この水準を回復できるようであれば、上昇トレンド回帰への期待感も高まることから、重要な局面にあるとも言えよう。
このところのユーロ軟調の背景に、欧州は米英に比べてワクチン接種の展開が鈍く、封鎖措置も続いていることから、他国よりも回復は鈍いとの見方が要因の1つとして挙げられている。一方、そのほかECBのユーロ高へのけん制も指摘されている。しかし、市場からは、実効為替レートでユーロが10%上昇すると、成長とインフレが年間で0.3%〜0.4%ポイント低下し、ECBがユーロ高を懸念するのは当然だが、できることは少ないとの声も聞かれる。ECBができる最善の策としては、戦略レビューを完了させ、イールドカーブのスティープ化を抑制しつつ、インフレのオーバーシュートをより長く容認し、緩和策の長期化にコミットすることぐらいだという。
EUR/USD 1.2082 EUR/JPY 127.74 EUR/GBP 0.8658
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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