一時105円台、ドル全面高基調に
一時105円台、ドル全面高基調に
米債利回り上昇などが支え、中国勢不在のアジア市場はいまいち冴えず
リスク警戒のドル買いの場面も
【東京市場】狭いレンジでもみ合い
ドル円は104円台後半での落ち着いた推移が続いた。
9日に105円ちょうどを割り込み104円台半ばへ値を落としてからは、レンジ取引が続く展開に。
午前中に104円84銭と10日につけた戻り高値に並ぶ勢いを見せたが、そこからの買いには慎重で、
その後はもみ合いが続く展開に。朝からの値幅は10銭にとどまっており、様子見ムードが強い展開に。
昨日の海外市場で1.21台半ば前後まで上昇したユーロドルは、朝方1.2130前後での推移と比較的しっかりとなったが、
その後昼前に1.2119を付けるなど頭の重い展開に。
もっとも午後はユーロ買いドル売りの動きがやや優勢で1.2125前後での推移となっている。
もっとも朝からの値幅は16ポイントとこちらも狭いレンジの中での動き。
【ロンドン市場】リスク警戒感がドル買いを誘い、ドル円は105円台を回復
12日のロンドン市場でドル円は105円台を回復する動きを見せた。ユーロドルが一時1.2100を割り込むなど、ドルは全面高の流れに。
ダウ平均株価先物時間外取引が一時140ドル安となるなど 米株先物の売りがめだつ中で、
リスク警戒の動きが広がり、ドル買いにつながった。
リスク警戒の動きが米長期債の買いにつながり、米債利回りが低下する展開となったが、金利面でのドル売りよりも、
リスク警戒のドル買いが勝る展開に。
ドル円は105円18銭を付けた後、いったん調整が入って105円割れを付ける動きとなったが、
その後再び105円台に乗せるなど、ドル高基調が継続した。ユーロドルは1.21割れを前にユーロ売りに慎重な場面が見られたが、
ドル全面高の流れが強まり、1.21の大台を一時割り込む動きに。もっともすぐに1.21台を回復するなど、1.20台でのユーロ売りには慎重。
【NY市場】ドル円104円台に値を落とす
NY市場でドル円は105円台を維持出来ず。ドル円は104円90銭台に値を落として週の取引を終えた。
来週月曜日、米国はプレジデントデーで休場となっており、ロングウィークエンド前に積極的な動きが手控えられた。
ユーロドルも1.21台で週の取引を終えている。
【本日の見通し】休場多く様子見ムード
本日は春節によりアジア時間で中国、香港が休場、北米市場はプレジデントデーで米国、ファミリーデーでカナダが休場となっており、
取引参加者がかなり少ない日となっている。
ドル円は先週末に105円台を一時回復も、大台を維持出来ずに週の取引を終えている。
今日も上下ともに動きにくい展開となりそう。
104円台後半から105円台前半にかけてのレンジ取引を意識。
先週末のドル高円安局面では終盤にかけてドル金利の上昇が目立った。
この流れが続くようだとドル買いの勢いが強まる可能性がある。
105円20銭台を付けてくるようだと要注意。
【本日の戦略】レンジ取引を意識
基調はレンジ取引か。
今晩北米勢が不在で、そうした状況ではロンドン勢も様子見ムードに徹することが多いことから
レンジを大きく超えての積極的な取引は期待しにくいところ。
ドル円は押し目買いを中心に、104円台後半の買い場探しか。
104円台半ば割れではストップ。
先週末の10年債利回りが1.2%を超える流れから、基調はドル高方向と見られる。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《2/12 金曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 104.75 1.2130 127.06
高値 105.18 1.2135 127.31
安値 104.74 1.2082 126.98
終値 104.94 1.2120 127.16
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《2/12 金曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 29520.07 -42.86
DOW 31458.40 +27.70
S&P 3934.83 +18.45
Nasdaq 14095.47 +69.70
FTSE 6589.79 +61.07
DAX 14049.89 +8.98
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《2/12 金曜日の商品市場》
NY原油先物3月限(WTI)(終値)
1バレル=59.47(+1.23 +2.11%)
NY金先物4月限(COMEX)(終値)
1オンス=1823.20(-3.60 -0.20%)
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《2/12 金曜日に発表された主な経済指標》
【英国】
実質GDP(速報値)(2020年第4四半期)16:00
結果 1.0%
予想 0.5% 前回 16.0%(前期比)
結果 -7.8%
予想 -8.1% 前回 -8.6%(前年比)
鉱工業生産(12月)16:00
結果 0.2%
予想 0.5% 前回 0.3%(-0.1%から修正)(前月比)
結果 -3.3%
予想 -3.7% 前回 -3.9%(-4.7%から修正)(前年比)
製造業生産高(12月)16:00
結果 0.3%
予想 0.7% 前回 1.1%(0.7%から修正)(前月比)
結果 -2.5%
予想 -3.2% 前回 -2.6%(-3.8%から修正)(前年比)
貿易収支(12月)16:00
結果 -143.15億ポンド
予想 -150.0億ポンド 前回 -147.94億ポンド(-160.12億ポンドから修正)(商品貿易収支)
結果 -62.02億ポンド
予想 -57.5億ポンド 前回 -66.18億ポンド(-49.95億ポンドから修正)(貿易収支)
【スイス】
消費者物価指数(1月)16:30
結果 0.1%
予想 0.0% 前回 -0.1%(前月比)
結果 -0.5%
予想 -0.6% 前回 -0.8%(前年比)
【インド】
鉱工業生産(12月)21:00
結果 1.0%
予想 -0.1% 前回 -1.9%(前年比)
【カナダ】
卸売売上高(12月)22:30
結果 -1.3%
予想 -1.7% 前回 0.7%(前月比)
【米国】
ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)(2月)0:00
結果 76.2
予想 80.9 前回 79.0
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《2/12 金曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【ユーロ圏】
*ワイトマン独連銀総裁
ドイツの消費者物価指数はEU基準で年内3%超に上昇する。いつまでも昨年のような低水準にはとどまっていない。
【英国】
*スナク財務相
英国経済は冬を越して回復力を示している。
楽観的な見方の根拠がある。引き続き注意深く見ていく。
【米国】
*イエレン米財務長官
バイデン政権は多国間協調主義と同盟強化にコミットしている。
強固で持続的な回復のため、各国に財政拡大を要請。
気候変動への取り組みを支持。
トランプ政権に比べて米国の関与は劇的に増加する。
米国は世界的な気候変動の取り組みにおいて重要な役割を果たす必要。
パンデミックで苦しんでいる低所得国支援のために、国際金融機関との協力必要。
*麻生財務相
マクロ経済では、今後の景気回復の道筋を見据えた政策必要。
デジタル課税の建設的な議論は春までに形が見える可能性。
新型ウイルス感染は比較的落ち着いていると説明。
パンデミック後のデジタル、グリーン投資を説明。
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《本日予定されている主な経済指標》
【日本】
GDP・1次速報(第4四半期)8:50
予想 2.4% 前回 5.3%(前期比)
予想 10.1% 前回 22.9%(前期比年率)
GDPデフレータ・1次速報(第4四半期)8:50
予想 0.5% 前回 1.2%(前年比)
設備稼働率(12月)13:30
予想 N/A 前回 -2.9%(前月比)
鉱工業生産・確報値(12月)13:30
予想 N/A 前回 -1.6%(前月比)
予想 N/A 前回 -3.2%(前年比)
【英国】
ライトムーブ住宅価格(2月)9:01
予想 N/A 前回 -0.9%(前月比)
予想 N/A 前回 3.3%(前年比)
【インド】
卸売物価指数(1月)15:30
予想 1.10% 前回 1.22%(前年比)
【ユーロ圏】
ユーロ圏鉱工業生産指数(12月)19:00
予想 -0.5% 前回 2.5%(前月比)
予想 -0.2% 前回 -0.6%(前年比)
ユーロ圏貿易収支(12月)19:00
予想 N/A 前回 258.0億ユーロ(季調前)
予想 N/A 前回 251.0億ユーロ(季調済)
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員