ドル売り基調継続、一時調整の動きも続かず
ドル売り基調継続、一時調整の動きも続かず
ユーロドルはロンドン市場で上値を付けた後1.2100近くまで調整も、その後大きく反発し高値をトライ
【本日の見通し】雇用統計次第も不安定な動きに
ユーロドル主導でのドル安の流れがどこまで続くか。
雇用統計は非農業部門雇用者数が50万人弱の増加と、やや厳しい数字が見込まれている。
ただ、前回の数字は国勢調査関連での政府部門の大きな雇用減を含んでの数字だけに、
そうした特殊要因がない分、前回は好調だった民間部門の数字の影響が素直に出るようだと
予想を超える強めの数字も。
とはいえ、新型コロナウイルスの感染第3波の流れがどこまで雇用市場に影響しているかは未知数。
弱めの数字も十分にありうる。
ドル円は104円台前半がどこまで重くなるか。昨日ねを落とす前に少しもみ合った104円30銭前後がポイントに。
雇用統計までは104円ちょうど前後がすでに重くなりそうだが、雇用統計前後で上値を抑えるには弱いという印象。
【本日の戦略】戻り売り
ドル安基調はまだ続きそうで、目先は戻り売りか。
春からの新型コロナウイルスの関連でドルが買われすぎた感があり
その巻き戻しの流れはまだ当面続くとみられる。
ドル円はドル売り円売りの中で限定的な動きも、頭は重くなりそう。
ただデイトレは雇用統計前にいったんストップ。スウィングもいったんポジションを外すか軽めにする方が無難。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
【東京市場】ドル安基調継続
ドル円は狭いレンジでのもみ合いが続いた。ドル安基調が強まる展開となっているが、ドル安の要因となっている新型コロナウイルス向けワクチンの早期接種開始見込みというポジティブ要因からのリスク選好の動きがドル売り円売りに作用しており、ドル円は動きにくい展開が続いている。
海外市場で104円70銭台からドル安基調に値を落とした流れを受けて、早朝に104円40銭割れを付ける動きが見られたが、その後104円台半ば超えを付けるなど、一方向の動きにはならず。
昨日の海外市場で1.21台を付ける展開を見せたユーロドルは、1.21台を維持する形で堅調な展開が続い気、昼頃に1.2125近辺を付ける動きに。その後も1.2120前後で推移しており、高値圏もみ合いとなっている。ドル全面安の流れが継続しており、ドルインデックスは2018年4月以来の安値を付ける動きが見られた。
【ロンドン市場】ユーロドル一時買いが強まるも続かず
ユーロドルが1.2140近くまで買われるなど、朝方はドル安基調が継続した。
その後一転して売りが強まり1.2100近くまで。
大台を維持したものの調整の流れに。
ドル円は104円20銭台まで値を落とす展開に。
全般に調整ムード。ユーロ円は126円60銭台から126円20銭近くまで調整が入った。
【NY市場】ユーロドル1.2170台まで、ドル円は103円台へ大きく値を落とす
ドル安の動きが強まる中で、ユーロドルは1.2100近くを付けたロンドン市場から一転して1.2170台まで上値を伸ばした。
その後は調整が入り1.2140を挟んだ水準で振幅。
ドルは全面安で、ドル円は104円を割り込んで103円67銭前後まで大きく値を落としている。
ドル円の売りに押されてユーロ円も重い。
ドル円の戻りが鈍いなかでユーロドルが高値を付けた後調整が入ったことで、
ユーロ円はロンドン市場の安値を割り込み126円03銭前後まで売りが見られた。
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《12/3 木曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 104.42 1.2115 126.50
高値 104.54 1.2175 126.66
安値 103.67 1.2101 126.03
終値 103.84 1.2144 126.10
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《12/3 木曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 26809.37 +8.39
DOW 29969.52 +85.73
S&P 3666.72 -2.29
Nasdaq 12377.18 +27.81
FTSE 6490.27 +26.88
DAX 13252.86 -60.38
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《12/3 木曜日の商品市場》
NY原油先物1月限(WTI)(終値)
1バレル=45.64(+0.36 +0.80%)
NY金先物2 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1841.10(+10.90 +0.60%)
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《12/3 木曜日に発表された主な経済指標》
【豪州】
貿易収支(10月)09:30
結果 74.56億豪ドル
予想 58.0億豪ドル 前回 58.15億豪ドル(56.3億豪ドルから修正)(貿易収支)
【トルコ】
消費者物価指数(11月)16:00
結果 2.3%
予想 1.05% 前回 2.13%(前月比)
結果 14.03%
予想 12.66% 前回 11.89%(前年比)
【ユーロ圏】
ドイツ非製造業PMI(購買担当者景気指数)(確報値)(11月)17:55
結果 46.0
予想 46.2 前回 46.2
ユーロ圏非製造業PMI(購買担当者景気指数)(確報値)(11月)18:00
結果 41.7
予想 41.3 前回 41.3
ユーロ圏小売売上高(10月)19:00
結果 1.5%
予想 0.7% 前回 -1.7%(-2.0%から修正)(前月比)
結果 4.3%
予想 2.6% 前回 2.5%(2.2%から修正)(前年比)
【英国】
CIPS非製造業PMI・確報値(11月)18:30
結果 47.6
予想 45.8 前回 45.8
【ブラジル】
実質GDP(2020年第3四半期)21:00
結果 7.7%
予想 8.7% 前回 -9.6%(-9.7%から修正)(前期比)
結果 -3.9%
予想 -3.5% 前回 -10.9%(-11.4%から修正)(前年比)
【米国】
新規失業保険申請件数(11/22 – 11/28)22:30
結果 71.2万件
予想 77.5万件 前回 78.7万件(77.8万件から修正)(前週比)
結果 552.0万件
予想 580.0万件 前回 608.9万件(607.1万件から修正)(継続受給者数)
ISM非製造業景気指数(11月)00:00
結果 55.9
予想 55.8 前回 56.6
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《12/3 木曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
*トランプ大統領
議会は合意に接近している。
議会で合意すれば支持。
(追加経済対策に関して)
*米上院 ウォラー氏を承認
米上院はFRB理事に指名されているウォラー氏を48対47
で承認した。
【英国】
*英BBC
英・EU貿易交渉が午後に悪化した。
EU側が新たな要素を協議に持ち込んだ。
数日以内の合意はまだ可能だが、期待は後退している。
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《本日予定されている主な経済指標》
【豪州】
小売売上高(10月)9:30
予想 0.5% 前回 -1.1%(前月比)
【シンガポール】
小売売上高(10月)14:00
予想 前回 -4.5%(前月比)
予想 -8.3% 前回 -10.8%(前年比)
【インド】
インド中銀政策金利 15:15
予想 4.00% 現行 4.00%
【ユーロ圏】
ドイツ製造業受注(10月)16:00
予想 1.5% 前回 0.5%(前月比)
予想 0.2% 前回 -1.9%(前年比)
【カナダ】
失業率(11月)22:30
予想 8.9% 前回 8.9%
雇用者数(11月)22:30
予想 2.0万人 前回 8.36万人
国際商品貿易(10月)22:30
予想 -31.0億カナダドル 前回 -32.5億カナダドル
【米国】
失業率(11月)22:30
予想 6.8% 前回 6.9%
非農業部門雇用者数(11月)22:30
予想 50.0万人 前回 63.8万人
貿易収支(10月)22:30
予想 -648.0億ドル 前回 -639.0億ドル
耐久財受注・確報値(10月)5日0:00
予想 1.3% 前回 1.3%(前月比)
予想 1.3% 前回 1.3%(輸送除くコア・前月比)
製造業新規受注(10月)5日0:00
予想 0.8% 前回 1.1%(前月比)
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員