ドル安基調継続、ドル円一時103円台、ユーロドルはほぼ高値引け
ドル安基調継続、ドル円一時103円台、ユーロドルはほぼ高値引け
ポンドは売りが出る流れ、EUとの通商交渉難航
【本日の見通し】ユーロドル主導でのドル売り継続か
ユーロドルが1.19台後半まで上昇してきている。9月初めに付けた1.20超えも視野に入ってきている。
ドル全面安の流れが基本も、ポンドはEUとの自由貿易協定の協議動向をめぐって上がりにくい。
ユーロドルとドル円でのドル売りが基本か。
ドル円はブレグジットがらみの不透明感が円買いに働くと、売りが加速する可能性も。
103円台を付けてからの戻りが鈍く、104円台を回復したものの、上値の重さが継続。
ドル円も下方向への意識が強い展開となりそう。
今週は、明日のISM製造業や3日の同非製造業、4日の米雇用統計など重要指標が目白押しとなっており、
神経質な動きも。週明けの段階での突っ込んだドル売りには慎重姿勢が見られる可能性も。
【本日の戦略】戻り売り
ドル売りの流れが継続。
ユーロドルの1.20近くの売りがどこまで出てくるか。
ドル売りが強まる局面で1.20をあっさり超えるようだと、ドル売りの動きがさらに強まる可能性も。
新型コロナウイルス向けワクチン開発期待などがリスク回避で集まったドル資金の新興国などへの移動を誘っており
ドル全面安基調自体はまだ続きそう。ドル円は104円台前半での売り場探し、
突っ込んだ売りは避けたい。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
【東京市場】ドル円104円割れ
ドル円は104円割れまでドル売り円買いの動きが強まった。月末を前にした実需がらみの売りに加え、株安の動きを受けたリスク警戒の円買いなどが噂された。海外市場で1.19台を割り込んだユーロドルが再び1.19台に乗せてきたことで、ドル全面安の基調が継続との思惑も、ドル円の重しとなったとみられる。
ドル円はNY市場が感謝祭で休場となったこともあり104円台前半でのもみ合いを経て、朝は104円台でスタート。当初はもみ合いが続いたが、午前9時を過ぎて東京株式市場スタートし、日本勢も本格参加する時間帯に入ってドル売り円買いが強まった。午前中は104円ちょうど前後で下げ止まる動きも見せたが、戻りは104円10銭前後までにとどまっており、午後に再びドル売り円買いの動きが広がると、103円90銭近くまで値を落とした。
【ロンドン市場】ポンド売り
ドル円が104円台を回復するなど、序盤はリスク選好の動き
泥安の流れは継続でユーロドル、ポンドドルは序盤しっかりとなった。
しかし、その後ポンドは売りが目立つ天下に。
ジョンソン首相がEUとの自由貿易協定の協議で依然として大きな相違、
合意に至るかはEU次第と発言し
交渉の合意期待が広がった。
【NY市場】ドル円は一時103円台
ドル円が再び103円台に値を落とすなどドル売りの動きが優勢に。
NY勢は株式が短縮取引ということもあり、活気に欠ける展開も。
ドルは全面安でユーロドルが1.1960台まで上昇。
一方ポンドは1.32台を一時付けるなど、ポンド売りの動きがロンドン市場から継続した。
EU外交筋から英国の迅速な政治的決定無しに合意はほぼ不可能と発言があり、
ロンドン市場でのジョンソン首相の合意はEU次第と合わせて、
合意が厳しい状況を印象付けた格好。
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《11/27 金曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 104.26 1.1913 124.22
高値 104.29 1.1964 124.55
安値 103.91 1.1908 123.90
終値 104.09 1.1963 124.48
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《11/27 金曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 26644.71 +107.40
DOW 29910.37 +37.90
S&P 3638.35 +8.70
Nasdaq 12205.85 +111.45
FTSE 6367.58 +4.65
DAX 13335.68 +49.11
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《11/27 金曜日の商品市場》
NY原油先物1 月限(WTI)(終値)
1バレル=45.53(-0.18 -0.39%)
NY金先物2 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1788.10(-23.10 -1.28%)
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《11/27 金曜日に発表された主な経済指標》
【ユーロ圏】
フランスGDP・確報値(第3四半期)16:45
結果 18.7%
予想 18.2% 前回 18.2%(前期比)
結果 -3.9%
予想 -4.3% 前回 -4.3%(前年比)
ユーロ圏消費者信頼感・確報値(11月)19:00
結果 -17.6
予想 N/A 前回 -17.6
ユーロ圏景況感(11月)19:00
結果 87.6
予想 86.0 前回 91.1 (90.9 から修正)
【インド】
実質GDP(2020年第3四半期)21:00
結果 -7.5%
予想 -8.2% 前回 -23.9%(前年比)
【ブラジル】
雇用統計(9月)21:00
結果 14.6%
予想 14.8% 前回 14.4%(失業率)
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《11/27 金曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【ユーロ圏】
*パネッタECB理事
ECB理事会は12月に政策の再調整が必要であると考えている。
たとえ経済が再生を続けているときであっても
インフレを目標に戻すというコミットメントに疑いの余地はない。
インフレ見通しの下方修正リスクを回避するために、断固たる措置をとる。
行動に躊躇はできない。それだけのツールがある。
ユーロ圏の金融機関の資金調達は順調、フォワードガイダンスでコミットメントを明確に表明。
来年以降の銀行の配当については、状況がどのようになるのか明確になるまで銀行は慎重であるべき
経済状況が改善するにつれて合理的な解決策はケースバイケースのアプローチに。
*ビルロワデガロー仏中銀総裁
市中銀行に配当の再開を認めること正当化する可能性も。
必要である限り、好ましい金融環境を保つことが第一の目標。
金融政策手段の再調整は規模だけに焦点当てるべきではない。
時間軸、柔軟性、効果的な目標についても検討。
危機対応策は釣り合い、有効性を保ってきた。
*バルニエEU首席交渉官
現段階では合意が可能かどうか言及できず、英国との貿易交渉。
今晩、ロンドンを訪れる、交渉継続で。
【中国】
*中国商務省
11月28日から豪州からの輸入ワインに一時的な反ダンピング関税を課す。
【トルコ】
*メディアNTV
トルコ中銀が準備預金比率を引き上げ
現預金と当座預金の比率を4%から6%へ引き上げ
外貨預金と当座預金の比率を17%から19%に引き上げ
【日本】
*菅首相
経済対策、経済回復に向けて十分な中身になるよう検討。
コロナ感染拡大に万全つくし経済回復はかる。
来年度予算、感染対策行いつつ、改革議論を反映したものに。
飲食店の時間短縮が極めて重要、協力店舗をしっかり支援。
札幌、大阪市の「出発分も」利用控えるよう呼び掛け、GOTOトラベル。
【英国】
*英フロスト氏
遅れているが合意は依然として可能だ。
バルニエEU首席交渉官のロンドン訪問を歓迎。
合意に至るためには英国の国家主権を尊重すべき。
交渉期限までEUと引き続き鋭意作業する。
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《本日予定されている主な経済指標》
【韓国】
鉱工業生産(10月)8:00
予想 -1.7% 前回 5.4%(前月比)
【日本】
鉱工業生産・速報値(10月)8:50
予想 2.2% 前回 3.9%(前月比)
予想 -4.6% 前回 -9.0%(前年比)
【中国】
製造業PMI(11月)10:00
予想 51.5 前回 51.4
【トルコ】
GDP(第3四半期)16:00
予想 5.0% 前回 -9.9%(前年比)
【スイス】
小売売上高(10月)16:30
予想 N/A 前回 0.3%(前年比)
KOF先行指数(11月)17:00
予想 101.0 前回 106.6
【南アフリカ】
貿易収支(10月)21:00
予想 N/A 前回 335.0億ランド
【ユーロ圏】
ドイツ消費者物価指数・速報値(11月)22:00
予想 -0.7% 前回 0.1%(前月比)
予想 -0.1% 前回 -0.2%(前年比)
ドイツ調和消費者物価指数・速報値(11月)22:00
予想 -0.6% 前回 0.0%(前月比)
予想 -0.3% 前回 -0.5%(前年比)
【カナダ】
経常収支(第3四半期)22:30
予想 N/A 前回 -86.3億カナダドル
住宅建設許可(10月)22:30
予想 N/A 前回 17.0%(前月比)
鉱工業製品価格(10月)22:30
予想 N/A 前回 -0.1%(前月比)
原材料価格指数(10月)22:30
予想 N/A 前回 -2.2%(前月比)
【米国】
シカゴ購買部協会景気指数(11月)23:45
予想 59.2 前回 61.1
中古住宅販売成約指数(10月)1日0:00
予想 1.0% 前回 -2.2%(前月比)
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員