リスク回避の円買い・ドル買い、新型コロナ拡大に英欧協議不透明で=ロンドン為替概況
リスク回避の円買い・ドル買い、新型コロナ拡大に英欧協議不透明で=ロンドン為替概況
ロンドン市場では、リスク回避の円買い・ドル買いが広がっている。前日のNY市場では米支援策の大統領選前の合意に暗雲が漂い米株が下落した。きょうも時間外取引で米株先物が続落している。欧州株も大幅安となっている。フランス大都市での深夜外出禁止措置に加えて、ロンドンでも新型コロナで高度の制限を導入へ、人同士の接触抑制すると報じられた。ドイツなどでは一日当たりの新型コロナ感染者数が過去最多となった。ポンドにとっては、英欧通商交渉が難航するなかで、英国側はきょうにでも交渉継続か否かの判断を示すもようだ。様々な不透明感が重なっている。ユーロドルは1.17台前半へ、ポンドドルは1.29台前半へ、豪ドル/ドルは0.70台後半へと下落。ユーロ円は123円台前半、ポンド円は136円台前半、豪ドル円は74円台半ばへと下押しされている。ドル円は105円台前半で方向性に欠ける取引が続いている。
ドル円は105円台前半での取引。リスク回避のドル買いと円買いの動きがドル円の値動きを抑制しており、105.20-30レベルでの取引が続いている。一時高値を105.34レベルに伸ばしたが、すぐに上値抑えられている。下値も105.20割れでは買いに支えられている。欧州株が大幅下落、米10年債利回りは0.70%割れまで低下する場面があったが、ドル円は反応薄だった。
ユーロドルは1.17台前半での取引。欧州株や米株先物の下落、NY原油先物の下落などリスク回避動向が広がるなかで、売り圧力に押されている。1.17台半ばから一時1.1703レベルまで下落し、その後も戻りは限定的。ユーロ円も123円台後半から123.24レベルまで下落した。フランス大都市での深夜外出禁止措置に加えて、ロンドンでも新型コロナで高度の制限を導入へ、人同士の接触抑制すると報じられた。ドイツなどでは一日当たりの新型コロナ感染者数が過去最多となった。新型コロナ感染拡大が再びセンチメントを悪化させてる。
ポンドドルは1.29台半ばでの取引。1.30付近での揉み合いから下放れると安値を1.2931レベルまで広げた。ポンド円は137円付近から136.15レベルまで下落。ロンドン序盤はユーロ売りに連れ安となっていた。しかし、ロンドンでの高度の制限導入へとのニュースや、英欧通商交渉が難航するなかで、英国側はきょうにでも交渉継続か否かの判断を示すもようと伝わったことで、一気に不透明感が広がっている。ポンドは一段安となった。英交渉担当のフロスト氏がブリュッセルから帰国次第ジョンソン英首相に報告すると報道されている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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