トランプ大統領が新型コロナウイルスに感染の報道でリスク警戒強まる
トランプ大統領が新型コロナウイルスに感染の報道でリスク警戒強まる
症状は軽症との一部報道で行き過ぎた動きには調整
【東京市場】トランプ大統領の新型コロナ感染報道で一気にリスク警戒感
ドル円は105円台半ばでのもみ合いから一気にドル売り円買いの動きが広がり、104円台に値を落とした。
トランプ大統領とメラニア夫人が新型コロナウイルス検査で陽性を発表され、一気に警戒感が広がった。投票まであとひと月に迫った大統領選挙への影響も予想され、警戒感が広がる展開となった。
ドル買い円買いの動きの中、円買いが特に優勢で、クロス円も軒並み大きく値を落とし、ユーロ円は123円80銭前後での推移から123円00銭に迫る動きを見せている。
ユーロドルは1.1696と、1.17割れまでドル高が進んだものの、その後はいったん値を戻し1.1730前後。ドルに関しては反応がやや微妙という流れ。ドル円でのドル売り円買いの動きなどがドル安を誘った面も。
【ロンドン市場】トランプ新型コロナショック
トランプショックの動きは一服。
ドル円は東京午後からの流れで朝方104円台も、
その後105円台に値を戻してもみ合いとなった。
ユーロ円は123円を割り込み切れずに少し値を戻した
ポンドは英首相と欧州委員長が週末に会談との報道が支えとなり
1.28台前半から1.29台に。
【NY市場】ドル円もみ合い
トランプ大統領の容体は経度と報じられたこともあり
トランプショックは一服した。
ドル円は105円台前半でのもみ合いが続いた。
今後の容体への警戒感もあり上下ともにやや動きにくい展開。
選挙キャンペーンの中止などもあり、選挙への影響は不可避。
ユーロドルは、東京午後の1.16台から少し戻したところでのもみ合いがロンドン市場から続いている。
【本日の見通し】トランプ大統領病院を出るとの報道
金曜日に新型コロナウイルスの陽性発表で市場を驚かせたトランプ大統領。
首都ワシントン近郊の軍病院に入院中の大統領の容体について
メドウズ大統領首席補佐官が2日に血液中の酸素濃度が急激に下がるなど、
一時は深刻な状態にあったことを発表したが、その後大きく改善したと米メディアで発言。
大統領自身も3日夜にビデオメッセージをツイッター上で公開し、
体調はかなり改善したと発言している。
さらに、今朝には病院を出たとの報道もあり
リスク警戒の動きが大きく後退している。
ただ、この後の選挙戦への影響は確実にあるとみられている。
前回の選挙戦でトランプ大統領はぎりぎりまで全米の州を回って選挙活動を行っており
今回も同様の対応を取る予定が、直近のスケジュールがキャンセルされるなど
影響が出てきている。
また、高齢ということもあり、この後の経過観測にも予断を許さない面があり、
無理をしない選挙キャンペーンとなる可能性があり、警戒感は継続か。
アルメニアとアゼルバイジャンの衝突がさらに強まり、
アゼルバイジャン第二の都市ギャンジャがミサイル攻撃を受けたなどの一部報道もあり
こちらも警戒感。国際法違反となるダムへの攻撃との一部報道も
アルメニアは否定しており事態は混とん。
トルコやユーロには重石となりそう。
【本日の戦略】戻り売り
レンジ取引が続くと見られる。
トランプショック一服で、金曜日に同報道が出る前の水準105円台半ば超えまでの上昇を期待も
そこからの買いには慎重姿勢か。
基本は戻り売り。106円台はいったんストップで様子見という印象。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《10/2 金曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 105.53 1.1748 123.97
高値 105.67 1.1749 124.01
安値 104.94 1.1696 123.03
終値 105.29 1.1716 123.39
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《10/2 金曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 23029.90 -155.22
DOW 27682.81 -134.09
S&P 3348.42 -32.38
Nasdaq 11075.02 -251.49
FTSE 5902.12 +22.67
DAX 12689.04 -41.73
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《10/2 金曜日の商品市場》
NY原油先物11月限(WTI)(終値)
1バレル=37.05(-1.67 -4.31%)
NY金先物12 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1907.60(-8.70 -0.45%)
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《10/2 金曜日に発表された主な経済指標》
【日本】
雇用統計(8月)08:30
結果 3.0%
予想 3.0% 前回 2.9%(完全失業率)
結果 1.04倍
予想 1.05倍 前回 1.08倍(有効求人倍率)
【豪州】
小売売上高(8月)10:30
結果 -4.0%
予想 -4.2% 前回 3.2%(前月比)
【ユーロ圏】
ユーロ圏消費者物価指数(HICP)(概算値速報)(9月)18:00
結果 -0.3%
予想 -0.2% 前回 -0.2%(前年比)
結果 0.2%
予想 0.4% 前回 0.4%(コア・前年比)
結果 0.1%
予想 0.1% 前回 -0.4%(前月比)
【ブラジル】
鉱工業生産指数(8月)21:00
結果 -2.7%
予想 -2.0% 前回 -3.0%(前年比)
【米国】
雇用統計(9月)21:30
結果 66.1万人
予想 87.5万人 前回 148.9万人(137.1万人から修正)(非農業部門雇用者数)
結果 7.9%
予想 8.2% 前回 8.4%(失業率)
結果 0.1%
予想 0.2% 前回 0.3%(0.4%から修正)(平均時給(前月比))
結果 4.7%
予想 4.8% 前回 4.6%(4.7%から修正)(平均時給(前年比))
民間部門雇用者数
結果 87.7万人
予想 87.5万人 前回 102.2万人(102.7万人から修正)
製造業雇用者数
結果 6.6万人
予想 3.5万人 前回 3.6万人(2.9万人から修正)
週平均労働時間
結果 34.7
予想 34.6 前回 34.6
労働参加率
結果 61.4%
予想 61.9% 前回 61.7%
耐久財受注(確報値)(8月)23:00
結果 0.5%
予想 0.4% 前回 0.4%(前月比)
結果 0.6%
予想 0.4% 前回 0.4%(コア・前月比)
製造業新規受注(8月)23:00
結果 0.7%
予想 0.9% 前回 6.5%(6.4%から修正)(前月比)
ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)(9月)23:00
結果 80.4
予想 79.0 前回 78.9
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《10/2 金曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【米国】
*トランプ米大統領とメラニア夫人が新型コロナウイルスに感染
*米下院、2兆2000億ドル規模の民主党の経済対策法案を可決。
*格付け会社ムーディーズ
NY市とNY州の格付けを従来の「Aa1」から「Aa2」に1段引き下げた。
新型コロナ感染拡大の影響が全米で最大級であり、NY市の正常化には他の都市よりも時間がかかる。
*トランプ大統領の症状は「軽度」
トランプ大統領の症状について、一部報道は「軽度」だと伝えた。
*クドロー米国家経済会議(NEC)委員長
トランプ大統領と昨夜面会したが、状態が悪いとは感じなかった。
大統領の容体は軽度だと聞いている。
私は陰性だった。
メドウ首席補佐官も問題ない。
景気対策合意、規模1.5兆ドル前後で模索。
*ムニューシン米財務長官は陰性
ムニューシン米財務長官は新型ウイルス検査で陰性。
*パウエル議長は陽性判明者との接触はなし
パウエルFRB議長は新型ウイルスの陽性判明者との接触はないと伝わっている。
*バイデン候補は陰性
バイデン候補がウイルス検査を実施しており、陰性だったと伝わった。
*カプラン・ダラス連銀総裁
9月の米雇用統計は自身の見通しに沿った内容。
経済の回復が鈍化しているリスクはある。
財政支援の不足が見通しに下振れリスクを与えている。
FRBの追加支援が必要なら、中小企業や個人事業主への支援になる可能性。
*カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁
米経済の回復には長い道のり。
米雇用統計は失望的だった。
正常に戻るには、少なくともあと1年はかかる。
追加の財政支援がなければ、より多くの企業に悪影響。
財政支援は回復には非常に重要。
【英国】
*ジョンソン英首相と欧州委員長、英EU離脱巡り3日に協議。
(ブルームバーグ)
*ジェンリック英住宅相
あすの英首相とEU委員長の協議が何を意味するのかはまだ時期尚早だ。
ブレグジットに関して、残された時間は多くなく、やるべきことは多い
まだ解決すべき重要な課題がある。
*フロスト英首席交渉官
漁業権巡るEUとの相違は克服不可能になりつつある恐れ。
【ユーロ圏】
*デギンドスECB副総裁
来年にはインフレは回復するとみている。
物価の低下の要因は、エネルギー、需要、独付加価値税など。
*バルニエEU首席交渉官
英国との交渉に進展はない。
両者には深刻な相違が依然残っている。
来週に克服しなければならない。
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《本日予定されている主な経済指標》
【シンガポール】
小売売上高(8月)14:00
予想 N/A 前回 27.4%(前月比)
予想 -5.9% 前回 -8.5%(前年比)
【トルコ】
消費者物価指数(9月)16:00
予想 1.50% 前回 0.86%(前月比)
予想 12.33% 前回 11.77%(前年比)
【ユーロ圏】
ドイツ非製造業PMI・確報値(9月)16:55
予想 49.1 前回 49.1
ユーロ圏非製造業PMI・確報値(9月)17:00
予想 47.6 前回 47.6
ユーロ圏小売売上高(8月)18:00
予想 前回 -1.3%(前月比)
予想 前回 0.4%(前年比)
【英国】
CIPS非製造業PMI・確報値(9月)17:30
予想 55.1 前回 55.1
【米国】
ISM非製造業景気指数(9月)23:00
予想 56.3 前回 56.9
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員