ルピア円は反転上昇一服か、バリ島の海外からの観光客9月受け入れは断念
インドネシアルピア円が先週の0.71円割れから持ち直しており、足もとで0.72円台を回復してきた。18日発表の貿易統計で7月の貿易収支は市場予想を上回る32億6300万米ドル(約3445億円)の黒字となり、3カ月連続で黒字となった。ただ、新型コロナウイルスで内需が低迷し、黒字は輸入の鈍化によるものとされたため、発表後はルピア売りとなっていた。その売りが一巡したと考えられる。
内需の落ち込みは、先に発表されていた4~6月期実質GDP成長率でもうかがえる。結果は前年同期比(原系列)5.32%減(前期:同2.97%増)と大幅に低下しており、需要項目別に見ると、主に内需の落ち込みが成長率低下につながった。
インドネシア経済の先行きは明るいとは言えず、世界的観光地であるバリ島の海外からの観光客9月受け入れは、断念に追い込まれた。バリ州は9月11日から州として独自に海外からの観光客を受け入れる方針を明らかにして、沈滞する地元観光業界だけでなく、国全体の経済底上げが期待されていたが、バリ州政府は24日までにこの方針を撤回した。2020年いっぱいは受け入れを禁止し、ジョコ政権の方針と足並みをそろえて2021年初頭からの受け入れ再開を目指す。
ルピア円は経済再開によって、目先で6月につけた0.79円前後の高値から0.80円回復を見込む向きもあったが、7~9月期のみならず、年内は回復は困難との見方が広がりつつあるもよう。ルピア円の反転上昇が一服し、下値模索から0.70円割れとなるリスクもありそうだ。
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執筆者 : MINKABU PRESS
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