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【来週の注目材料】金融政策は現状維持見込み、今後への姿勢に注目~米FOMC

為替 

 来週6月9日・10日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されます。政策金利であるFF金利は3月の二度の緊急利下げで0.00%-0.25%と事実上のゼロ金利となっています。マイナス金利導入についてはパウエル議長がこれまでの何度も否定的な発言を行っており、可能性はまずなさそう。3月に再開された量的緩和(QE)についても、上限のない事実上無制限となる中で、注目はゼロ金利政策がどこまで維持されるのか、またQEについて買い入れペースの調整はどのような形になるのかなど、今後の政策動向に関してフォワードガイダンスでどこまで示されるのかになりそうです。
 また、今回のFOMCで実施される可能性は相当低いものの、今後YCC(イールドカーブコントロール)を採用する可能性が指摘されています。YCC導入の可能性などについての言及があるかどうかもポイントになります。

 まずはこれまでの米FRBの新型コロナウイルス対策についてまとめます。
 
 2月に入って新型コロナウイルスの感染拡大が世界的な広がりを見せるようになったこともあり、まずは3月3日に緊急会合を行い、金利を0.50%引き下げました。
 FF金利はそれまでの1.50%-1.75%から1.00%-1.25%へ。従来は3月17日・18日がFOMCのスケジュールとなっていましたので、2週間待たずに0.50%の大幅利下げ(金融政策の変更は一般的には0.25%単位です)を実施したかたちです。同日緊急のG7財務相・中央銀行総裁電話会議が行われており、各国中銀が引き続き責務を履行するとの声明を発表した直後のことでした。
 さらに3月15日に緊急会合を実施し、政策金利を1.00%引き下げ、0.00%-0.25%と事実上のゼロ金利に。また、量的緩和(QE)を再開し、少なくとも国債を5000億ドル、MBS(住宅ローン担保債券)を2000億ドル購入することを発表しました。17日・18日に予定されていたFOMCをわずか数日前倒しし、さらに日曜日である15日に実施して追加緩和を行ったことで、FRBが事態を相当深刻にとらえているという印象を与えました。
 3月19日にはRBAやRBNZなど9つの国の中央銀行と新たなドルのスワップラインを締結し、ドル資金供給の姿勢を示しました。
 さらに3月23日には、15日に再開を決めたQEについて、規模を必要なだけ、期限も設けずと、事実上の無制限とすることを発表しました。
 続いて3月31日には暫定的なFIMAレポファシリティーを開設。新興国などへドルを供給する道筋を強化しました。
 4月に入ってもFRBによる積極対応が続きます。
9日に米FRBは最大2.3兆ドルにも及ぶ緊急資金供給策を発表しました。その際に市場を驚かせたのが、フォーリン債(堕天使債)の買い入れです。量的緩和の無制限化を決めた3月23日の前日時点で投資適格(格付けがBBB以上)の社債については、その後新型コロナウイルスの影響で格付けがジャンク級に落ちたとしても、BB以上であれば買い入れの対象とするという発表です。また、発行市場・流通市場の両方からの買い入れ、同条件の社債を一部含む社債ETFの購入なども発表しました。
投資適格級からジャンク級(投資不適格級)への格下げを堕天使(Fallen Angel)と呼びますが、新型コロナウイルスの影響で堕天使が一気に増加しており、格下げされた債券はもとより、ぎりぎり投資適格級となっているBBB格社債の堕天使リスクを受けての投げ売りが見られ、かなり問題となっていたところにこの救済措置が市場の安心感を誘いました。
禁じ手ともいえるジャンク級の買い入れにまで言及したことで、さすがに打ち止め感もあり、4月28日、29日のFOMCでは金融政策は据え置かれました。

こうした状況を受けて、今回のFOMCですが、前回同様に金融政策の据え置きが見込まれています。

米国では新型コロナウイルスの感染拡大が一服。感染による死亡者数が全米で最も多いNY市(郡単位での新型コロナウイルスの死亡者数は、全米TOP3がすべてNY市の郡)でも8日から衣料品店や玩具店など生活必需品でない小売店舗の再開が認められ、来月には屋外スペースに限りレストランでの食事が認められるなど、ロックダウンの緩和が徐々に進んできています。

 こうした状況を受けて、市場の注目は現行のゼロ金利政策や量的緩和をどこまで続けるのかという点に。前回のFOMC後の会見でパウエル議長は「しばらくゼロ金利との市場の見方は適切」「GDPは回復しても感染前の水準には当面戻らない」。とかなり慎重な姿勢を示しました。今回も状況は大きく変化していないとみられ、ゼロ金利の解除時期などについてのフォワードガイダンスとしての言及はやや期待薄です。前回同様に長期にわたるゼロ金利の維持姿勢が示されるのではとみられています。

 なお、これ以上の金融緩和余地がないとみられるのもFRBとしては避けたいところ。次の手段として市場が意識しているのが、YCC(イールドカーブコントロール)です。
 日銀の長短金利操作と基本的には同じもので、一般的に金融政策の対象となる短期金利だけではなく、長期金利も低く抑える形で管理しようというもの。
 さすがに世界的なベンチマークである米10年債のコントロールは難しいと思われますが、2年もしくは5年の債券利回りの管理にトライする可能性があります。
 もっとも今回の実施という可能性はあまりなく、今後の導入に向けての何らかの示唆があるのかといったあたりがポイントになりそうです。

 FRBによる緩和の継続と、景気支援姿勢の強調は米景気回復への期待感につながり、ドル円の買いを誘う可能性があります。

MINKABU PRESS 山岡和雅

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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