ユーロドル買戻しも、ユーロ圏財務相会合を控え上値に慎重さも=NY為替
きょうの為替市場はドル売りが優勢となっており、ユーロドルは1.0940ドル近辺まで買い戻されている。ユーロ自体に材料はなく、FRBが2.3兆ドル規模の追加支援策を打ち出したことで、ドル需要のひっ迫感がさらに後退するのではとの期待がユーロドルを押し上げている模様。
ただ、市場はユーロドルの上値に慎重な声が多い。きょうの夕方にユーロ圏財務相会合(ユーログループ)が再開する。7日(火)に5000億ユーロ規模の経済対策を巡り16時間に及ぶ議論を行ったにもかかわらず、結局、結論を出すことができなかった。各国政府への信用供与に付随する条件をめぐる、イタリアとオランダの意見の相違が行き詰まりの原因だという。イタリアは回復に向けた手段の可能性の1つとして債務共通化を将来的にさらに検討するような文言を望んでいるが、オランダが拒否しているという。ユーロ共同債発行を巡っては、南欧と北欧での対立は根深い。
市場はもし、きょうも結論が出せなければ、ユーロは売りが強まると見ている模様。何らかの妥協策が出るとの期待もあるものの、見方が五分五分のようだ。
EUR/USD 1.0928 EUR/JPY 118.43 EUR/GBP 0.8779
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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