米ドル/円 上値が重いものの105円台後半は買い場にも
FOMCの緊急大幅利下げがリスクオフ懸念に
先週の米ドル/円は乱高下。新型コロナウィルスへの警戒感から週明けには一時101.17まで下落する局面がありましたが、週末にかけて値を戻し108円台半ばまで反発しました。
週明けの本日16日は、新型コロナウィルスの経済対策として実施したFOMCの緊急大幅利下げが、マーケットに大きな景気後退懸念を想起させたことで、NYダウ先物の時間外取引が下落し、これを受けてリスクオフの円買いとなりましたが、105円台後半では大口の買いが入り106円台での推移となっています。
テクニカル的な観点では、一目均衡表の基準線が位置する106.68、200日移動平均線の位置する108.26がレジスタンス、104.843に位置する転換線がサポートとして意識されます。
均衡表からトレンドは下向きですが、ストキャスティクスも上向きなため、106.68以上となる場合は、108円前後までの上昇も想定できます。
一方で、106.68をバックに売りが、メインシナリオで、当面の下値は本日大口の買いが入ったとされる105.70前後を見ています。
本日は、緊急の日銀金融政策決定会合が12時から1日で開催される予定で、米国をはじめ世界各国との協調金融緩和となる可能性もあるので午後の相場動向には注意が必要です。
このコメントは弊社チーフテクニカルアナリスト山口の個人的な見解で、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
執筆者 : 山口哲也|フジトミ証券株式会社 チーフテクニカルアナリスト
株式会社フジトミ 国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト 金融機関でアナリストとして経験を積んだのち株式会社フジトミ入社。幅広い手法を網羅した緻密な分析とわかりやすい解説が好評。日経CNBC・東京MXテレビ等メディア出演多数。