米緊急利下げも株安の流れ止まらず、ドル円も106円台をつける
米緊急利下げも株安の流れ止まらず、ドル円も106円台をつける
一気に0.50%の利下げで当局の警戒感を示す
ダウは300ドル超の下げからいったんは利下げで300ドル超の上げも
その後1000ドルを超える下げ、終値は785ドル安
リスク警戒止まらずドル円は107円割れを付ける動きに
【東京市場】朝方の108円台半ばから107円60銭台に
ドル円は前日の海外市場の流れを受けてドル高円安の動きとなり
朝方は108円台半ばを付ける動きとなった。
新型コロナウイルスの感染拡大懸念はい継続も
各国の積極的な対応への期待感が株の買い戻しを誘い
ドル買い円売りにつながった格好。
しかし、東京市場では頭の重い展開となりドル売り円買いに、
リスク警戒の流れが継続。マイクロソフトの本社があることで知られるレドモンド市で
非常事態宣言が出るなどの動きが重石となった。
【ロンドン市場】少し戻す、株も落ち着く
少し値を戻しドル円は108円ちょうど近辺での推移に。
東京市場での売りが一服し値を戻す格好となった。
欧州株の下げも落ち着いており、全体に様子流れムードが広がっていた。
【NY市場】臨時FOMCでの緊急利下げ
朝方はリスク警戒の動きが継続し、ダウが300ドルを超える下げに
そうした中、米FRBは臨時FOMCを開き、緊急利下げを実施。
0.50%の大幅な利下げにいったん大きく株が買われ
ダウ平均は300ドル超まで反発も
その後売りが広がる展開に。
午後に入って下げが止まらなくなる格好で1000ドルを超える下げまで進んだ後
引けにかけて少し戻して785ドル安という展開に
リスク警戒からのドル売り円買いが進行。
ドル円は一時106円台を付ける動きに。
【本日の見通し】緊急利下げもリスク回避止まらず
米FRBが臨時会合を実施し0.5%の緊急利下げを決定したが
リスク回避の動きは止まらなかった。
序盤に300ドル超の下げとなった米ダウ平均株価は、緊急利下げでいったんは+300ドルまでと
大きく回復を見せたが、上がったところで一気に売りが強まり、
逆に一時1000ドルの下げに。終値でも700ドル超の下げと株安の動きが継続。
米10年債債利回りが1%を割り込むなどの動きが見られ
ドル円、クロス円の重石となっている。
ドル円はNY市場夕方に107円を割り込み、週明け早朝の安値を割り込む動きに。
当面はドル安円高基調が続くとみられ、上値では売りが出る流れか。
【本日の戦略】戻り売り
基調は戻り売り
状況によっては再び売りが加速する可能性も。
戻りの鈍さを確認し、106円台をしっかり付けに行く動きが見られた場合に
どこまで勢いが出るのかがポイントに。
デイトレもスウィングも売りからが基本。
ただ、動きはかなり荒っぽく不安定。
ストップを比較的早めに忘れずにいれる。損が出ても取り返すチャンスはあるという意識で
大きな損を避けに行くという流れ。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《3/3 火曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 108.33 1.1134 120.61
高値 108.54 1.1212 120.95
安値 106.93 1.1095 119.54
終値 107.13 1.1173 119.69
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《3/3 火曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 21082.73 -261.35
DOW 25917.41 -785.91
S&P 3003.37 -86.86
Nasdaq 8684.09 -268.08
FTSE 6718.20 +63.31
DAX 11985.39 +127.52
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《3/3 火曜日の商品市場》
NY原油先物4月限(WTI)(終値)
1バレル=47.18(+0.43 +0.92%)
NY金先物4月限(COMEX)(終値)
1オンス=1644.40(+49.60 +3.11%)
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《3/3 火曜日に発表された主な経済指標》
【韓国】
GDP・確報値(第4四半期)8:00
結果 1.3%
予想 1.2% 前回 1.2%(前期比)
結果 2.3%
予想 2.2% 前回 2.2%(前年比)
消費者物価指数(2月)8:00
結果 0.0%
予想 0.0% 前回 0.6%(前月比)
結果 1.1%
予想 1.3% 前回 1.5%(前年比)
【豪州】
経常収支(第4四半期)9:30
結果 10億豪ドル
予想 23億豪ドル 前回 79億豪ドル
豪中銀政策金利 12:30
結果 0.50%
予想 0.50% 現行 0.75%
【スイス】
GDP(第4四半期)15:45
結果 0.3%
予想 0.2% 前回 0.4%(前期比)
結果 1.5%
予想 1.3% 前回 1.1%(前年比)
【トルコ】
消費者物価指数(2月)16:00
結果 12.37%
予想 12.70% 前回 12.15%(前年比)
結果 0.35%
予想 0.65% 前回 1.35%(前月比)
【南アフリカ】
GDP(第4四半期)18:30
結果 -1.4%
予想 -0.2% 前回 -0.8%(-0.6%から修正)(前期比年率)
結果 -0.5%
予想 -0.2% 前回 0.1%(前年比)
【ユーロ圏】
ユーロ圏失業率(1月)19:00
結果 7.4%
予想 7.4% 前回 7.4%
ユーロ圏消費者物価指数・速報値(2月)19:00
結果 1.2%
予想 1.2% 前回 1.4%(前年比)
結果 1.2%
予想 1.2% 前回 1.1%(コア・前年比)
結果 0.2%
予想 0.2% 前回 -1.0%(前月比)
ユーロ圏生産者物価指数・速報値(2月)19:00
結果 0.4%
予想 0.5% 前回 0.1%(0.0%から修正)(前月比)
結果 -0.5%
予想 -0.4% 前回 -0.6%(-0.7%から修正)(前年比)
【米国】
FRB政策金利 4日0:00
結果 1.00~1.25%
予想 N/A 前回 1.50~1.75%
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《3/3 火曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【米国】
*ペンス副大統領
米国における新型コロナウイルスのリスクは依然低い
米国内の感染者は43名。うち17名は旅行が要因、26名が人から人への感染。
6週以内にワクチンの臨床試験を行うことが可能
治療薬は夏の終わりか秋になる。
*FOMC声明
新型ウイルス感染でリスク強まる。
米経済のファンダメンタルズは依然強い。
動向を注視し、適切に行動。
全会一致。
*パウエル議長
リスクの中で米経済の強さを維持するための行動。
1月会合以降、ウイルス感染が新たなリスクに。
見通しに対するリスクが大きく変化したと判断。
景気支援で手段を活用し適切に行動へ。
どの程度、ウイルス感染の影響が続くのか誰もわからない。
G7声明は高い協調性を示す。
G7諸国はそれぞれ行動へ。
公式な協調行動は追加で実施する可能性。
財政当局からも支援が来る可能性ある。
現在の米通貨政策は適切。
スタンスを支持。
利下げは家計と企業の信頼感を高める。
利下げはタイトな金融市場の状況を回避できる。
*トランプ大統領
金利は依然として高過ぎる。
FRBは後手に回り、先手を打っていないことに失望。
新型ウイルス感染は拡大を防げないわけではない。
新型ウイルス感染に対する予備の予算を議会と協議。
新型ウイルス感染に関し、国内移動の制限は考えていない。
*メスター・クリーブランド連銀総裁
新型ウイルス感染は少なくとも今年上期のGDPを圧迫。
新型ウイルス感染が落ち着いた後も悪影響は続く。
マイナス金利には懐疑的。
経済への影響の程度を予測するのは困難。
【豪州】
*豪中銀理事会
以前よりも第一四半期の世界経済成長は鈍化見込み
今後に備えた緩和を実施
新型コロナウイルスは経済に明らかな影響
新型コロナウイルスのアウトブレイクに反応した決断
新型コロナウイルスの内需への影響は不透明
新型コロナウイルスにより直近のグローバル経済見通しに雲がかかっている。
新型コロナウイルスにより完全雇用への動きは鈍化すると見込まれる。
今後の感染拡大を注意深く観測
どの程度持続的な影響が出るのかを判断するのは時期尚早
持続的な経済成長のサポートに必要であれば緩和を行う
世界経済が成長の道にいつ頃戻るかの判断は時期尚早
雇用市場の動向を注視
住宅市場とくにシドニーやメルボルンの同市場に変化の兆し
豪州の金融市場は効果的に運営されており、流動性もしっかり
賃金の上昇は落ち着いている。
世界的な新型コロナウイルスのアウトブレイクは現在の豪経済に明らかな影響、特に教育と観光分野
第1四半期のGDPは以前の予想よりも著しく弱い見込み
新型コロナウイルスをいったん含んでも豪経済は成長トレンドへ復すると期待
*モリソン首相
政府は豪中銀と緊密に連携
新型コロナウイルスのアウトブレイクが発生後はターゲットを絞った財政刺激が必要になる。
雇用、キャッシュフロー、投資を注視
【新型コロナウイルス関連】
*韓国 新たに477人の感染を確認、計4812人
【英国】
*カーニー英中銀総裁
景気支援のためにあらゆる必要な措置をとる。
コロナウイルス問題に対して適切に対応する
財政拡大が英経済に影響を与えるだろう。
金利は当面、低水準にとどまるだろう。
英経済回復が続かない場合には、英中銀は行動する必要ある。
新型コロナは1もしくは2四半期の成長に影響与えるだろう。
新型コロナは混乱を招くが、経済を破壊するとは見ていない
財政出動と中銀の措置の相乗効果を期待すべき。
中小企業への貸し出し支援を検討している。
【ユーロ圏】
*ホルツマン・オーストリア中銀総裁
財政政策を主に、金融政策は従に、新型コロナ対応で。
ECBは警戒を怠らないが、過剰反応もせず。
TLTROsについて、来週議論する。
【G7関連】
G7声明
ウイルス感染拡大の状況を注視する。
財政手段含め行動とる用意ある、必要な箇所に。
G7の中央銀行、引き続き責務を履行する。
麻生財務相
協力を行う用意があることを確認。
金融市場の安定に万全を期す。
G7さらなる対応を図る。
下方リスクから経済を守るため適切な政策手段を講じる。
声明を発出することを決定。
メッセージを出したのは極めて大きい。
世界経済の成長と市場安定のためG7で連携。
日本はウイルス拡散がどの程度で治るか。
拡散が止まれば内需がガタンと落ちることはない。
観光客減少は観光比重大きいイタリアなどは影響大きい。
財政に余力のあるドイツとないイタリアの状況異なる。
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《本日予定されている主な経済指標》
【豪州】
GDP(第4四半期)9:30
予想 0.4% 前回 0.4%(前期比)
予想 2.0% 前回 1.7%(前年比)
【ユーロ圏】
ドイツ小売売上高(1月)16:00
予想 1.0% 前回 -2.0%(-3.3%から修正)(前月比)
予想 1.5% 前回 1.7%(0.8%から修正)(前年比)
ユーロ圏非製造業PMI・確報値(2月)17:55
予想 53.3 前回 53.3
ユーロ圏非製造業PMI・確報値(2月)18:00
予想 52.8 前回 52.8
ユーロ圏小売売上高(1月)19:00
予想 0.6% 前回 -1.6%(前月比)
予想 1.1% 前回 1.3%(前年比)
【スイス】
消費者物価指数(2月)16:30
予想 0.2% 前回 -0.2%(前月比)
予想 0.1% 前回 0.2%(前年比)
【英国】
CIPS非製造業PMI(2月)18:30
予想 53.3 前回 53.3
【米国】
MBA住宅ローン申請指数(28日までの週)21:00
予想 N/A 前回 1.5%(前週比)
ADP雇用者数(2月)22:15
予想 17.0万人 前回 29.1万人
ISM非製造業景気指数(2月)5日0:00
予想 55.0 前回 55.5
【ブラジル】
GDP(第4四半期)21:00
予想 0.5% 前回 0.6%(前期比)
予想 1.6% 前回 1.2%(前年比)
【カナダ】
カナダ中銀政策金利 5日0:00
予想 1.50% 現行 1.75%
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員