まだ「レンジ脱却」とはいえないが…!? - ドル円
◆ 緩やかに“上伸” - 110円回復
※ご注意:予想期間は2月14日と表示されていますが、本日(2月13日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。
昨日は「新型コロナウイルス」に絡んだ懸念が緩み、「リスク回避姿勢」は後退しました。
独株式が史上最高値更新を見せる中、小幅ストップロスを絡めつつ、ドル円は欧州タイム序盤に“110.131円”へと上値を伸ばしました。
その後は一旦押し戻されましたが、NYダウ/NASDAQ/S&P500が揃って史上最高値を更新したこともあり、再び“110円台”へと押し戻されていきました。
もっとも“1/22高値(110.095円)”こそわずかに上回ったものの、“年初来高値(1/17高値:110.288)”に迫ることはありませんでした。
“上値の重さ”は相変わらずであり、まだ「レンジ脱却」とはいえないのが実状となります。
◆ 「織り込み済」との認識は強まった…?
それでも「“上値の重さ”VS“下値の堅さ”」の攻防戦は、大方の予想(イメージ)に反して“後者”に傾きかけているのは事実です。
「2月ピークアウト説」が現実味を帯びるかは定かではありませんが、少なくとも「織り込み済」との認識は強まった…?
“110円台”を“終値ベース”で維持したこともあり、「にわか上値期待」が徐々に増えてきているのは、少々気になるところです。
このため「高値をついていく」ではなく、「押し目を拾う」とのスタンスで臨むべきと考えますが、それでも「もう一段の上値追い」は十分に期待できる局面と考えたいところです。
キッカケとなり得るのは、「新型コロナウイルス」関連というよりは、もう一段の「ユーロドル下振れ」辺り…?
◆ドル円 抵抗・支持ライン
上値5:1.09690(1/31~2/11の38.2%戻し、ピボットハイブレイクアウト)
上値4:1.09576(2/10高値、-1σ)
上値3:1.09441(ピボット2ndレジスタンス)
上値2:1.09306(ピボット1stレジスタンス)
上値1:1.09243(2/11高値)
前営業日終値:1.09171
下値1:1.09000(大台、ピボット1stサポート)
下値2:1.08910(2/11安値、-2σ)
下値3:1.08792(19/10/1安値、ピボット2ndサポート)
下値4:1.08640(ピボットローブレイクアウト)
下値5:1.08560(17/5/12安値)
執筆者 : 武市佳史|株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト。日本におけるFXの草創期より業務に従事。現在は週刊為替コラム「武市のなぜなにFX」の執筆やWebセミナー講師を務めるのみならず、日経CNBCを始めとする数々のメディアに出演・寄稿中。