リスク警戒感後退でドル高株高円安の流れ
リスク警戒感後退でドル高株高円安の流れ
中国の連日の大量オペなど好感
【東京市場】上海総合のプラス転などを好感
ドル円、クロス円がしっかりとなった。昨日のNY市場で米ISM製造業景気指数の好結果からドル買いが入り108円80銭近辺まで上昇した後、108円台後半で東京朝を迎えたドル円。東京市場でも108円台後半のもみ合いが続く中、2%超の下げで始まった上海総合のプラス転、日経平均のプラス転など、アジアで株高の動きが強まる中でドル買い円売りの動きとなり、108円86銭までと、昨日の高値を超えて上昇する流れになった。新型コロナウイルス感染拡大懸念は継続も、状況は想定の範囲内に収まっており、相場への影響がやや低下している。
豪ドルは12時半の豪中銀金融政策会合後に上昇。据え置き見通しが大勢も一部で利下げ期待の残る中で、据え置きを決定した豪中銀。新型コロナウイルス感染拡大で最大の輸出先である中国経済の減速が懸念される中で利下げに踏み切るのではとの期待が一部で見られたが、声明では影響については時期尚早と示すなど、警戒感は見せたものの過剰な懸念は見られず、安心感から豪ドル買いが広がった。対ドルで0.6680台から0.6720台まで、豪ドル円は72円60銭台から73円10銭台まで。
【ロンドン市場】ドル円109円台に
ドル円は109円台に乗せる動きを見せた。
欧州株高が進む展開を好感した形。
上海総合が2%強の下げからプラスに転じるなど
中国売りの動きが落ち着いたことがドル円にも好材料に。
【NY市場】ドル円さらに高値を付け、109円台半ば超え
ドル円は109円台半ば超えまで上値を伸ばした。
欧州株や米株が大きく買われる中でリスク警戒後退の円売りに。
中国の連日の大量オペなどが好感された形。
【本日の見通し】リスク警戒感後退も、110円トライには慎重姿勢
昨日の市場では中国の連日のオペなどの対応を評価する形でドル円の買い戻しが優勢に。
新型コロナウイルスの感染拡大は続くが、想定済みの状況で新規の売り材料にはなりにくい。
もっとも警戒感から移動の制限などが見られ、生産・貿易などでも影響が出てくる可能性が高いことを考えると
上値でのドル買いにはやや慎重姿勢も見られ
110円までには売りが出る流れも。
アイオワ州の民主党党員集会の集計が遅れており、まだ集計中だが
全米支持率トップのバイデン氏の苦戦が報じられている。
現状では代議員割り当てのない13%程度の支持しかない模様で
一気の失速も。
政治的に未知数なブティジェッジ氏、左派色の強いサンダース氏、ウォーレン氏が候補になる場合
ドル売りが見込まれているだけに今後の状況に注目。
【本日の戦略】押し目買い
109円台半ばに近いところでの買いは避けたい。
下がったところを拾うという印象。
新型コロナウイルス関連のニュースには要注意。
一気の下げなどを警戒し、
ストップを丁寧に入れたい。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《2/4 火曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 108.69 1.1060 120.22
高値 109.54 1.1064 120.98
安値 108.55 1.1033 120.07
終値 109.52 1.1044 120.96
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《2/4 火曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 23084.59 +112.65
DOW 28807.63 +407.82
S&P 3297.59 +48.67
Nasdaq 9467.97 +194.57
FTSE 7439.82 +113.51
DAX 13281.74 +236.55
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《2/4 火曜日の商品市場》
NY原油先物3月限(WTI)(終値)
1バレル=49.61(-0.50 -1.00%)
NY金先物4月限(COMEX)(終値)
1オンス=1555.50(-26.90 -1.70%)
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《2/4 火曜日に発表された主な経済指標》
【韓国】
消費者物価指数(1月)08:00
結果 0.6%
予想 0.3% 前回 0.2%(前月比)
結果 1.5%
予想 1.0% 前回 0.7%(前年比)
【豪州】
豪中銀政策金利 12:30
結果 0.75%
予想 0.75% 現行 0.75%
【香港】
小売売上高(12月)17:30
結果 -19.4%
予想 -22.6% 前回 -23.7%(-23.6%から修正)(価額ベース)
結果 -21.0%
予想 -24.7% 前回 -25.5%(-25.4%から修正)(数量ベース)
【ユーロ圏】
ユーロ圏生産者物価指数(12月)19:00
結果 0.0%
予想 0.0% 前回 0.1%(0.2%から修正)(前月比)
結果 -0.7%
予想 -0.7% 前回 -1.4%(前年比)
【ブラジル】
鉱工業生産指数(12月)21:00
結果 -1.2%
予想 -0.8% 前回 -1.8%(-1.7%から修正)(前年比)
【米国】
製造業新規受注(12月)00:00
結果 1.8%
予想 1.2% 前回 -1.2%(-0.7%から修正)(前月比)
耐久財受注(確報値)(12月)00:00
結果 2.4%
予想 2.4% 前回 2.4%(前月比)
結果 -0.1%
予想 -0.1% 前回 -0.1%(コア・前月比)
【NZ】
失業率(第4四半期)5日6:45
結果 4.0%
予想 4.2% 前回 4.2%
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《2/4 火曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【米国】
*アイオワ州共和党党大会
トランプ大統領が勝利
【豪州】
*豪中銀理事会
政策金利0.75%に据え置き(予想通り)
低金利を続けることが必要と予想することが妥当である
必要に応じてさらなる緩和の用意
今年の経済成長率2.75%、来年の経済成長率3%を見込む
経済発展を忠義深く見守る
コロナウイルスの影響がどれだけ出るのかを語るには早すぎる
山火事やコロナウイルスが一時的な経済成長の重石
米中の通商摩擦問題は依然として不確実性要因
インフレターゲットに向かう動きは依然として漸進的
消費の拡大が徐々に進んでいる。
近いうちにインフレは2%近辺へ
失業率はしばらく現状水準
【新型コロナウイルス関連】
*中国国家衛生健康委員会
中国での新型コロナウイルス感染による死者は計425人、感染者は2万438人。
*香港
新型コロナウイルスでの初の死亡者
*中国国家主席
新型コロナウイルス受け韓国訪問を6月に延期
【日本】
*黒田日銀総裁
万全の対応をしていきたい、新型ウイルスの経済への影響について。
追加緩和やその内容について言及するのは時期尚早。
現時点で幾つか影響生じている、新型ウイルスで。
今後の金融市場の動向に最大限の注意払っていく。
必要があれば躊躇なく追加緩和。
依然としてネットの国債買い入れ額は増加している。
(衆院予算委員会での答弁)
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《本日予定されている主な経済指標》
【ユーロ圏】
ドイツ非製造業PMI・確報値(1月)17:55
予想 54.2 前回 54.2
ユーロ圏非製造業PMI・確報値(1月)18:00
予想 52.2 前回 52.2
ユーロ圏小売売上高(12月)19:00
予想 -1.1% 前回 1.0%(前月比)
予想 2.3% 前回 2.2%(前年比)
【英国】
CIPS非製造業PMI(1月)18:30
予想 52.9 前回 52.9
【米国】
MBA住宅ローン申請指数(31日までの週)21:00
予想 N/A 前回 7.2%(前週比)
ADP雇用者数(1月)22:15
予想 15.8万人 前回 20.2万人
貿易収支(12月)22:30
予想 -482億ドル 前回 -431億ドル
ISM非製造業景気指数(1月)6日0:00
予想 55.1 前回 54.9(55.0から修正)
【カナダ】
国際商品貿易(12月)22:30
予想 -6.1億カナダドル 前回 -10.9億カナダドル
【ブラジル】
ブラジル中銀政策金利 5-6日に発表予定
予想 4.25% 現行 4.50%
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員