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2020年6月までの資源・新興国通貨の展望

達人の予想 

豪ドル/円

豪州の12月失業率(1/23発表)は5.1%と、11月の5.2%から低下(改善)しました。RBA(豪中銀)は金融政策の判断において雇用情勢を注視する姿勢を示しているため、失業率の改善はRBAの追加利下げの可能性が低下することを示します。2月4日の次回会合で政策金利は据え置かれそうです。

ただし、失業率は依然としてRBAがインフレ加速に必要と推計する4.5%を大きく上回っています。また、豪森林火災や新型コロナウイルスの感染拡大の経済的な影響が今後現れて、豪景気を下押す可能性もあります。RBAはいずれ追加利下げが必要になるとみられます。RBAの利下げ観測が豪ドル/円の上値を抑えそうです。

豪ドルと円のいずれも、投資家のリスク意識の変化を反映しやすいという特徴があります。米中貿易協議にも目を向ける必要があります。豪ドル/円にとってリスクオンは上昇要因、リスクオフは下落要因です。

<注目点・イベントなど>
・RBAの金融政策
・投資家のリスク意識の変化

NZドル/円

NZの10-12月期CPI(消費者物価指数)は(1/24発表)前期比+0.5%、+1.9%と、RBNZ(NZ中銀)が2019年11月の金融政策報告で示した見通しの+0.2%や+1.6%を上回りました。前年比のCPI上昇率はRBNZのインフレ目標の中央値である+2%に接近しており、RBNZの追加利下げの可能性は低下したとみられます。政策金利は当面据え置かれるとみられ、そのことがNZドルを下支えしそうです。

一方で、NZドルと円のいずれも、投資家のリスク意識の変化を反映しやすいという特徴があります。米中貿易協議にも目を向ける必要があります。豪ドル/円と同様、NZドル/円にとってリスクオンは上昇要因、リスクオフは下落要因です。

<注目点・イベントなど>
・RBNZの金融政策
・投資家のリスク意識の変化

カナダドル/円

BOC(カナダ中銀)は1月22日の会合で政策金利を1.75%に据え置きました。一方で先行きの金融政策については、BOCは声明で「将来の金利動向を決定するに当たり、最近の景気減速が予想以上に長引くかどうかを注視していく」と表明。また、ポロズ総裁は会見で「利下げへの扉が閉まっているとは言っていない。(扉は)明らかに開いている」と語り、利下げに含みを持たせました。

市場では、BOCの利下げ観測が浮上しており、OIS(翌日物金利スワップ)によると、市場は6月までに利下げが行われる確率を約7割織り込んでいます(1/31時点)。

ただ、BOCが重視する3つのコアインフレはBOCの目標を近辺で推移しており、利下げのハードルは高いとみられます。カナダの12月のコアインフレは共通値が前年比+2.0%、トリム値が同+2.1%、中央値が同2.2%。BOCの目標は+2%です。利下げをしたとしても1回限りで終わる可能性があり、その通りならBOCの政策金利の水準が主要国の中で高いという事実に変化はないとみられます。BOCが利下げすればカナダドルは下落しそうですが、政策金利の高さが市場で意識されてカナダドルの下落は一時的の可能性があります。

<注目点・イベントなど>
・BOCの金融政策
・原油価格の動向

トルコリラ/円

TCMB(トルコ中銀)は1月16日の会合で0.75%の利下げを決定。政策金利を12.00%から11.25%へと引き下げました。利下げは5会合連続です。

トルコの2019年12月CPI(消費者物価指数)は前年比+11.84%。今回の利下げによってトルコの実質金利(政策金利から前年比のCPI上昇率を引いたもの)はマイナスとなりました(11.25%-11.84%=マイナス0.59%)。マイナスの実質金利はトルコリラ安要因になりうると考えられます。前年比の水準が高いことによるベース効果が今後一段と剥落するにつれて、CPI上昇率は引き続き高止まりするとみられ、あるいはさらに加速するかもしれません。こうした状況でTCMBが利下げすれば、市場ではTCMBの独立性をめぐる懸念が再燃する可能性があります。

トルコによるS400(ロシア製ミサイルシステム)導入問題、トルコが関与するシリアやリビアの情勢にも要注意です。米国など他国とトルコとの関係が悪化した場合、トルコリラには下押し圧力が加わりそうです。

<注目点・イベントなど>
・TCMBの金融政策
・S400問題。米国の対トルコ制裁発動の有無
・シリアやリビアの情勢

南アフリカランド/円

米格付け会社のムーディーズが3月27日に南アフリカの格付けを発表する予定です。南アフリカの格付け(外貨建て長期債務)は投資適格級最低の“Baa3”であり、格付け見通しは“ネガティブ(弱含み)”です。ムーディーズが格下げすれば、3大格付け会社(S&P、ムーディーズ、フィッチ)すべてで南アフリカの格付けはジャンク(投機的等級)となり、南アフリカランドに対して下押し圧力が加わる可能性があります。ムーディーズの決定がランドの動向に大きな影響を与えそうです。

<注目点・イベントなど>
・ムーディーズが南アフリカを格下げするかどうか
・エスコム(国営電力会社)の経営問題。エスコムはたびたび計画停電を実施
・投資家のリスク意識の変化

メキシコペソ/円

トランプ米大統領は1月29日、NAFTA(北米自由貿易協定)に代わる新協定“USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)”に署名。これにより米国の批准手続きは完了しました。メキシコはすでに批准しており、残るカナダが批准すれば、その約3カ月後にUSMCAは発効します。

カナダは自由党の少数与党政権のため、法案の可決には他党の協力が不可欠。保守党(最大野党)はUSMCAの内容を精査する必要があるとしており、カナダのUSMCA批准は時間がかかるかもしれません。カナダの批准手続きが終わるのは4月頃との見方もあります。

カナダの批准手続きが完了して、USMCAの発効時期が明確になれば、メキシコペソにとってプラス材料になると考えられます。USMCAの発効のメドがたたないことが、メキシコの景気低迷の一因だったからです。

メキシコ景気の低迷を背景に、BOM(メキシコ中銀)は利下げを継続しそうです。一方で米FRBは政策金利を当面据え置くとみられます。また、メキシコでは最低賃金が1月から引き上げられました。BOMの利下げのペースはこれまでよりも緩やかになる可能性があり、その場合には米FRBなど主要国中銀との政策金利の差はそれほど縮小しないと考えられます。BOMの金融政策からメキシコペソが大きく下落する可能性は低そうです。

<注目点・イベントなど>
・カナダはいつUSMCAの批准手続きを終えるか
・BOMの利下げペース
・トランプ米大統領の言動

豪ドル/米ドル

市場では“RBA(豪中銀)は4月にも追加利下げに踏み切る”との観測がある一方、米FRBは政策金利を当面据え置くとみられます。RBAとFRBの金融政策見通しの差を背景に、豪ドル/米ドルには下押し圧力が加わりやすいと考えられます。市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)では、RBAが4月までに利下げを行う確率が7割弱織り込まれています(1/31時点)。

豪ドルは投資家のリスク意識の変化を反映しやすいという特徴があります。豪ドルにとってリスクオンはプラス材料、リスクオフはマイナス材料です。

<注目点・イベントなど>
・RBAと米FRBの金融政策
・投資家のリスク意識の変化

NZドル/米ドル

OIS(翌日物金利スワップ)によると、市場が織り込む、RBNZが6月までに利下げする確率は約4割。市場のメインシナリオはRBNZの政策金利は少なくとも6月まで据え置きということが確認できます(1/31時点)。一方で米FRBも政策金利を当面据え置くとみられます。RBNZとFRBの金融政策見通しを踏まえると、NZドル/米ドルは明確な方向感が出にくいかもしれません。

NZドル/米ドルは投資家のリスク意識の変化に反応しやすい地合いになりそうです。

<注目点・イベントなど>
・RBNZと米FRBの金融政策
・投資家のリスク意識の変化

執筆者 八代 和也

執筆者 : 八代 和也|マネ―スクエア シニアアナリスト

マネースクエア シニアアナリスト。資源・新興国通貨を中心に分析し、マネースクエアのWEBサイトにてレポート(「ウィークリー・アウトルック」、「デイリー・フラッシュ」など)配信のほか、動画コンテンツ「M2TV」出演、セミナー講師を務めている。

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