FRB議長、新型ウイルス「慎重に注視」=外為どっとコム総研 神田卓也
FRB議長、新型ウイルス「慎重に注視」
昨日のドル/円は、109円台前半を中心とするもみ合いが続き、終値ベースでは約0.1%の小幅安となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)後のパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見を受けて米長期金利が低下する中、小規模なドル売りが出た。パウエル議長が、新型コロナウイルスの感染拡大は経済活動の阻害要因になり得るとして、「非常に慎重に注視する」と述べた事が重しとなった。
中国の新型コロナウイルスについては、過度な懸念は後退しているものの、感染の拡大が続く中で市場心理が改善するには至っていない。なお、本日は世界保健機関(WHO)が緊急会合を開き、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言するかどうかを改めて判断する。FOMCを無難に通過した事で市場の関心は新型ウイルスに引き戻されると見られ、本日のドル/円は上値の重い相場展開が続きそうだ。
執筆者 : 神田卓也|株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 証券株式会社を経て、1991年㈱メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年同社入社。