「悲観する必要なし」は継続…!? - ドル円
◆完全に“動意薄”…
※ご注意:予想期間は12月11日と表示されていますが、本日(12月10日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。
米中絡みのヘッドラインが不在となった昨日は、“動意薄”に包まれました。
“先週末安値(108.526円)”を割り込む場面こそ見られたドル円でしたが、その変動値幅は“わずかに25銭”に留まるなど、完全に“膠着”した格好といえます。
やはり最大の関心は、引き続き「米中協議の行方(対中関税第4弾発動の有無:15日)」と見られます。
このため米中絡みの報道が流れれば「大きく揺れ動く」が、そうでなければ「様子見になりやすい」も変わらないということになります。
つまり本日も「ヘッドラインには一喜一憂」するが、「不用意なポジション形成は手控えられる」と見るのが自然ということになります。
“上値の重さ”が目立った先週末の動きでも、「悲観する必要なし」といったのは、このためです。
◆本日も“同様の展開”がメインシナリオだが…?
何ら状況は変わっていませんので、本日も「動意薄は必至」というシナリオを描かざるを得ないのは事実です。
しかし「関税発動の期限」が迫る中、昨日のマーケットは“幾分、下方向(リスク回避志向)”に思惑が傾斜しました。
それでいて“12/4安値(108.429円)”と面合わせという形状は、テクニカル的には「ドル買いオーダーが入りやすくなった」と見ることも可能です。
「動きづらい」と「居心地がいい」が混在する“108円半ば”ですが、「放れるならば上方向」、少なくとも「悲観する必要なし」は継続したいところです。
◆ドル円 抵抗・支持ライン
上値5:109.078(12/2~12/9の50%戻し、日足・一目均衡表転換線)
上値4:108.995(12/5高値、日足・一目均衡表基準線、大台)
上値3:108.919(12/6高値、50週移動平均線、ピボットハイブレイクアウト)
上値2:108.828(200/20日移動平均線、週足・一目均衡表転換線、12/2~12/9の38.2%戻し、ピボット2ndレジスタンス)
上値1:108.675(12/9高値、ピボット1stレジスタンス)
前営業日終値:108.552(50日移動平均線、-1σ)
下値1:108.428(12/9安値、月足・一目均衡表転換線、10/3~12/2の38.2%押し水準、ピボット1stサポート)
下値2:108.305(ピボット2ndサポート)
下値3:108.234(11/14安値、11/21安値、日足・一目均衡表先行スパン上限、-2σ、ピボットローブレイクアウト)
下値4:108.011(10/3~12/2の50%押し、大台)
下値5:107.886(11/1安値)
執筆者 : 武市佳史|株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト。日本におけるFXの草創期より業務に従事。現在は週刊為替コラム「武市のなぜなにFX」の執筆やWebセミナー講師を務めるのみならず、日経CNBCを始めとする数々のメディアに出演・寄稿中。