市場の関心は引き続き米中問題=外為どっとコム総研 神田卓也
市場の関心は引き続き米中問題
29日のドル/円は、終値ベースで0.1%未満の小幅安。一時109.67円前後まで上伸して半年ぶり高値を更新したが、NY市場では薄商いの中、109.40円前後まで調整売りに押された。月末に絡む特殊フローなどの影響もあったようだ。
米感謝祭休暇明けであり、12月初日の取引となる本日は、109.50円台で取引を開始している。改めて上値を試す動きが強まるか注目したい。ただ、中国メディアの報道によれば、中国側は第1段階の米中通商合意の一環として既存の関税撤廃を求めているとされ、米国はこれに難色を示している模様。ドル/円が心理的節目の110.00円にかけて並ぶドル売りオーダーをこなして上伸するためには、こうした米中通商協議の不透明感が払拭される必要があろう。なお、経済指標では中国11月財新製造業PMIおよび米11月ISM製造業景況指数の結果が注目されそうだ。
執筆者 : 神田卓也|株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 証券株式会社を経て、1991年㈱メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年同社入社。