一時109円台も米記者発言で一気の調整はいるなど神経質
一時109円台も米記者発言で一気の調整はいるなど神経質
ポンドはしっかり。週末世論調査での保守党支持率上昇など好感
【東京市場】朝方やや調整も限定的
週明けのドル円は108円台後半での推移。金曜日東京午前に報じられたクドローNEC委員長による「米中通商協議、第一弾合意の取りまとめがちかい」との発言で、それまで合意に向けた不透明感がドル売りを誘っていた状況が一変。先週末海外市場で108円80銭台まで上昇して週の取引を終えていた。週明けもほぼ同水準で始まると、朝方はいったん調整の動き。ユーロ円などでも調整の動きが見られ、来月にも期待される調印までまだ紆余曲折があるとの思惑が広がる中で、ドル買いに慎重な姿勢も。
もっとも、調整の動きは限定的なものにとどまり、東京午前のうちに下げ分を解消する動き。108円67銭を付けたドル円は108円80銭台に。120円ちょうど前後での動きが見られたユーロ円は120円30銭台へ。
午後はもみ合いに終始した。目立った材料に欠ける中、米中通商協議の今後の動向をにらむ展開。
【ロンドン市場】ポンド上昇、ポンド円支えにドル円109円台まで
ポンドが朝から上昇。
週末の英世論調査で保守党が支持率を45%まで伸ばし、この勢いを保つと単独過半数の可能性が相当高いという状況に。
また、ジョンソン首相が、英保守党の候補者すべてからEU離脱案合意の署名を受け取っていると発言したことでEU離脱合意が成立する可能性が高まったとして、ポンドは上昇した。
東京朝から出ていた報道であるが英国勢本格参加で再度材料視した格好。
ポンド円の買いからドル円もしっかり。109円台に乗せるところまで。
【NY市場】朝方に調整はいる
朝方はロンドン午後の流れを受けて109円台も、
米経済専門メディアCNBCの記者が中国政府は米中協議に悲観的とつぶやき
調整が広がる格好に。
ドル円は109円台から108円51銭まで値を落とし、その後の戻りも108円60銭台までと
頭の重い展開に。
米中協議の先行き不透明感が強く、ネガティブな材料に反応しやすくなっていた面も。
ユーロドルは1.10台後半。ドル安基調が支えも1.11手前の売りを崩せず。
ポンドはこの時間もしっかり。
【本日の見通し】神経質な展開続く
関係者ではなくソースの提示もない
米メディア記者のつぶやきがきっかけで値を落とすなど
相当に神経質な展開。
今日も同様に米中協議動向をにらみながらの展開。
ダウ平均など主要米株式市場が上昇を続けるなどリスク警戒感がそれほど強まったわけではなく
下がったところでは買いが出そう。
108円台後半を中心に再び109円台を試す展開に。
ユーロドルはユーロ円の買いもあってしっかり。1.11を崩しに行く展開がどこで見られるか。
ポンドはしっかり、英選挙での保守党単独過半数確保の可能性が相当高い。
英選挙予想サイトでは361議席見込み(過半数325)となっている。ポンドにはかなりの追い風に。
【本日の戦略】ドル円は押し目買い
ドル円は押し目買い。ポンド円も押し目買いの意識。
もっともいったんドル円の109円台維持に失敗した格好で
少し調整も。
スウィングは108円台半ば割れを確認してからの買いトライも
108円割れはストップの意識。
デイトレは早めの買いが中心で、見切りを早めに。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《11/18 月曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 108.80 1.1052 120.25
高値 109.07 1.1090 120.69
安値 108.51 1.1048 119.72
終値 108.68 1.1072 120.35
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《11/18 月曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 23416.76 +113.44
DOW 28036.22 +31.33
S&P 3122.03 +1.57
Nasdaq 8549.94 +9.11
FTSE 7307.70 +4.76
DAX 13207.01 -34.74
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《11/18 月曜日の商品市場》
NY原油先物12月限(WTI)(終値)
1バレル=57.05(-0.67 -1.16%)
NY金先物12 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1471.90(+3.40 +0.23%)
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《11/18 月曜日に発表された主な経済指標》
【英国】
ライトムーブ住宅価格(11月)9:01
結果 -1.3%
予想 N/A 前回 0.6%(前月比)
結果 0.3%
予想 N/A 前回 -0.2%(前年比)
【香港】
失業率(10月)17:30
結果 3.1%
予想 3.0% 前回 2.9%
【米国】
対米証券投資(9月)06:00
結果 495億ドル
予想 N/A 前回 -412億ドル(-411億ドルから修正)
【NZ】
生産者物価指数(2019年第3四半期)06:45
結果 1.0%
予想 N/A 前回 0.5%(前期比)
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《11/18 月曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【ユーロ圏】
*デギンドスECB副総裁
ユーロ圏の銀行の脆弱性で最も危惧される点は、弱い収益性見通し。
より踏み込んだカウンターシクリカル・バッファーが必要となろう。
短期間でQEプログラムの上限に達することはないだろう。
ECB政策には副作用があることは十分認識している。
ユーロ圏のリセッションは極めて可能性低い。
*独連銀月報
ドイツ経済の鈍化はおそらく第4四半期も続くだろう。
鈍化は際立ったものとならない見込み。
生産全体が多かれ少なかれ停滞している。
ドイツ経済がリセッションに陥ること恐れる理由は見当たらない。
国内経済がおそらくモメンタムを与え続けるだろう。
*バスレ・スロベニア中銀総裁
成長見通しを変更する理由は見当たらない。
現在のECBの金融政策は極めて拡張的。
追加緩和を行う余地は依然としてある。
*レーンECB理事
ブレグジットがユーロ圏経済に与える影響は英国ほど大きくはない。
ブレグジットがアイルランドに与える影響について懸念。
無秩序なブレグジットの可能性は低下した。
ECBと英中銀はここ2年間緊密に連絡している。
欧州にとっては経済刺激のために財政政策を行う政治家との話し合いが必要。
ECBの政策が限界に達しているとは考えていない。
【英国】
*英産業連盟(CBI)
英国の政治は右派・左派の両極端なイデオロギーに直面している。
英国の信頼感はふらついている。
英労働党のブリティッシュ・テレコム国有化計画は「寝耳に水」だ。
【米国】
*トランプ大統領
パウエルFRB議長とマイナス金利やドルについて協議。
*パウエル議長とトランプ大統領がホワイトハウスで会談
FRBによると、パウエルFRB議長とトランプ大統領、そし
てムニューシン米財務長官がホワイトハウスで会談を行ったと発
表した。
*メスター・クリーブランド連銀総裁
米経済は良好に推移。
インフレは2%以下だが、目標に接近すると思われる。
米個人消費は力強く弾力性がある。
好位置にあるFRBは、注意深く様子を見るだろう。
*ローゼングレン・ボストン連銀総裁
米経済は良好。
住宅投資が上昇しているようだ。
FRBには依然ほど政策の余地はない。
もし、危機の場合の余地の少なさを若干懸念。
不況では財政政策が必要になる。
一定幅のインフレ目標の採用が好ましい。
米国にはマイナス金利は好ましくない。
レポ市場の緊張は管理下にある。
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《本日予定されている主な経済指標》
【ユーロ圏】
ユーロ圏経常収支(9月)18:00
予想 N/A 前回 266億ユーロ(季調済)
【米国】
住宅着工件数(10月)22:30
予想 131.8万件 前回 125.6万件
住宅建設許可件数(10月)22:30
予想 138.1万件 前回 139.1万件(138.7万件から修正)
執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員