ドル円は108円付近 明日は米雇用統計とISM指数=NY為替
NY時間の終盤に入ってドル円は108円ちょうど付近での推移となっている。「米国との包括的かつ長期的な貿易合意に達することが可能かどうか、中国の当局者らは疑念を抱いている」との報道をきっかけに、きょうの市場はリスク回避のムードに包まれており、米株と伴にドル円も戻り売りを強めているようだ。両国は第1段階の貿易協定調印に近づいているが、中国は構造問題など最重要課題で譲歩する意向はないという。
本日の21日線は108.25円付近に来ているが、その水準を下回って来ており、明日以降の動きが警戒されるが、明日は10月の米雇用統計とISM製造業景気指数の発表が予定されている。FRBは前日のFOMCで12月利下げは見送りたい姿勢を示唆し、市場も12月利下げ期待を後退させているが、経済指標次第では情勢が一気に変わる可能性もある。
両指標とも注目度の高い指標だが、米雇用統計については、非農業部門雇用者数(NFP)の予想は8.5万人増と、かなり低めの数字が予想のコンセンサスとなっている。GMのストで大量の従業員が一時休業した影響が出ると見込まれている模様。予想通りだったとしても特殊要因のため、雇用情勢の判断は未知数で、あまり参考にならない可能性もありそうだ。
むしろ注目はISMのほうかもしれない。予想は48.9となっており、前回からは上昇するものの、3ヵ月連続で景気判断の分岐点である50は下回ることが見込まれている。貿易問題や世界経済の悪化から米製造業のセンチメントは低下しており、最も懸念とされている部分だ。もし、また弱い数字が出るようであれば、12月利下げが復活する可能性もあり注目される。逆に予想を上回る数字であれば、12月の利下げ期待はさらに後退するであろう。
【米国】
失業率(10月)1日21:30
予想 3.6% 前回 3.5%
非農業部門雇用者数(10月)1日21:30
予想 8.5万人 前回 13.6万人
平均時給(10月)1日21:30
予想 0.3% 前回 0.0%(前月比)
予想 3.0% 前回 2.9%(前年比)
ISM製造業景気指数(10月)1日21:30
予想 48.9 前回 47.8
USD/JPY 108.02
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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執筆者 : MINKABU PRESS
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