ドル円は106円手前まで戻す 明日の米製造業のデータに注目も=NY為替
NY時間の終盤に入ってドル円は下げ渋っており、106円手前まで戻している。ただ、106円は上値レジスタンスに変化している模様で、106円台回復には慎重なようだ。
きょうの市場は景気後退のリスクを意識しており、リスク回避の円買いがドル円を下押ししている。一時105.65円近辺まで下落し、前日の上げの約7割を戻す展開。米国債市場で2-10年債のイールドカーブが一時逆イールドを示現したことで、景気後退への懸念が強まっており、米株も大幅安となる中でドル円も追随している格好。
前日も2-10年債のイールドカーブは逆イールド寸前までフラット化していたが、政策金利に敏感な2年債利回りの上昇によるものだった。ただ、きょうは10年債利回りの低下がフラット化を加速させており、景気後退リスクをかなり意識している表れとも言える。
前日の急速な買い戻しでショート戦略を一旦撤収する声も出ていたが、きょうの動きを見た限りでは、ショート勢は再び息を吹き返しているようだ。
明日も重要な米経済指標が幾つか発表される。7月の米小売売上高や製造業のデータが複数公表される予定。4-6月期のGDPの個人消費は力強さを取り戻していたが、今回の小売売上高もその傾向が継続することが見込まれている。
現在の市場の雰囲気の中で注目したいのはむしろ、米製造業のデータかもしれない。米中対立に出口が一向に見えない中で、米製造業のセンチメントや生産高がどうなっているか注目となりそうだ。弱めの数字が出るようであれば敏感に反応する可能性もありそうだ。
米小売売上高(7月)15日21:30
予想 0.3% 前回 0.4%(前月比)
予想 0.4% 前回 0.4%(自動車除くコア・前月比)
NY連銀製造業景気指数(8月)15日21:30
予想 2.0 前回 4.3
フィラデルフィア連銀景況指数(8月)15日21:30
予想 9.3 前回 21.8
鉱工業生産(7月)15日22:15
予想 0.1% 前回 0.0%(前月比)
USD/JPY 105.91
minkabu PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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