昨日の意外高、本日想像以上の下げ
日経、5日線割れから、さらに25日線割れ下落
はっきりしません。
昨日の日経平均は思ったより上がった印象でしたが、本日は想像以上に下げました。5日線割れから、25日線割れ、一時200日線に接近する急速な下げ。その後下げ幅縮小して25日線で揉み合い。
最終的には187円安の21,521円。
昨晩米国市場の総合株価指数が軟調であったこと(たいていの人が、輸送株やラッセル2000、ジャンクボンドの逆行高を重視していないのでしょう)、そして本日上海コンポジット指数が25日線を超えられずに突き放たれたこともあって、東京市場はなかなか戻すきっかけをつかめなかったということでしょうか。
基本、今晩明らかになるFOMCとそれに対する米国株市場の反応待ちですから、薄商いの中、いいように上に下にブラされているのでしょう。
業種別動向では、電力や医薬品が上昇しているくらいでしたから、おのずと相場の中身は逃げ腰の一日だったということです。
昨晩欧州市場ではドイツDAX指数が2%超の大幅下落。
アジア時間では、グローベックス市場でNYダウ工業株先物は70ドル高の気配。
アップル決算が、センチメントを支えた
ただ、日本時間の未明にアップル(AAPL)が決算発表をしており、これが効いたようで半導体は軟調とはいえ、きわめて軽微な小甘い相場展開で済んでいます。
アップルは、4-6月の売上は3四半期ぶりにプラス1%と、業績悪化に歯止めがかかったかどうか。アフターの気配は4.4%の切り上げていました。
もう一つは、やはりソニー<6758>でしょう。昨日の決算発表で18%の営業増益。4-6月期はスマートフォン向け半導体センサー好調ということでした。
ゲーム分野で競合している任天堂<7974>(ディフェンシブ)が同じく決算を受けて25日線から下放れたのとは対照的に、ソニーは7月以降の高原状態からギャップアップで高値更新です。
かなり明暗がわかれた2銘柄です。
ある意味、シクリカルにマネーが入りたがっていること、ディフェンシブはしばらくお休みしたがっているという印象を受ける一コマでした。
決算発表時のポイント
本日の日経新聞朝刊では、業績「進捗度」で相場に明暗が分かれているという解説がありました。
記事によると、景気減速中であるだけに、利益成長率の高さで銘柄ピックアップをするにも、選択肢が少ないので、4-6月期決算が計画に対してどのくらいの進捗状況かで選別しているという内容です。つまり、進捗率が高く、業績下振れリスクの少ない銘柄に資金を投下したいということのようです。
ただ、記事中には、田辺三菱<4508>、大阪ガス<9532>をはじめ、10銘柄ほどの例が挙げられており、田辺三菱の場合進捗率はなんと138%、大阪ガスは52%と非常に高い進捗率ですが、重要なことはいずれの銘柄も主要移動平均線の下にあり、下降トレンドがまったく好転していないようなチャートだということです。
つまり、上がれば上がるごとに、後から後から「やれやれ」の売り手が続々と圧力をかけてくるというリスクの高い銘柄だということです。
リスト中で、この種の「売り手が少ない」、選択する価値のある銘柄といいますと、アドバンテスト<6857>、ファナック<6954>、アコム<8572>、日立<6501>くらいのものでしょう。
中でもアドバンテストは突出して優先度が高いと当レポートでは考えています。
ファンダメンタルズさえ良ければ(ここでは進捗率だけのことですが)どれを買っても良いというわけではない、ということです。
戦略方針
日経レバレッジETF<1570>の買い持ちです。今のところはドテン反対売買のシグナルが点滅しているのですが、はっきりしないのでホールドにしています。
執筆者 : 松川行雄|有限会社増田経済研究所 日刊チャート新聞編集長
大和証券外国株式部勤務の後、投資顧問業を開業。2013年2月ヘッドハンティングにより増田経済研究所に入社。現在同社発行の「日刊チャート新聞」編集長。株式セミナーに於ける投資理論は個人投資家に満足度100%の人気を博す。