ウィリアムズ発言受けてドル売り強まる
ウィリアムズ発言受けてドル売り強まる
ドル円は一時107.21近辺、ユーロドルはロンドン市場の1.1205近辺から1.1280台まで
ドル全面安に
朝にムニューシン財務長官が米中電話協議再開に言及し
ドルの買い戻しが入る場面が見られる。
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《7/18 木曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 107.95 1.1224 121.16
高値 108.02 1.1281 121.25
安値 107.21 1.1205 120.78
終値 107.30 1.1277 120.99
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《7/18 木曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 21046.24 -422.94
DOW 27222.97 +3.12
S&P 2995.11 +10.69
Nasdaq 8207.24 +22.04
FTSE 7493.09 -42.37
DAX 12227.85 -113.18
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《7/18 木曜日の商品市場》
NY原油先物8月限(WTI)(終値)
1バレル=55.30(-1.48 -2.61%)
NY金先物8 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1428.10(+4.80 +0.34%)
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《7/18 木曜日に発表された主な経済指標》
【日本】
通関ベース貿易収支(6月)08:50
結果 5,895億円
予想 4,035億円 前回 -9,683億円(-9,671億円から修正)
結果 -144億円
予想 -1,532億円 前回 -6,091億円(季調済)
【韓国】
韓国中銀政策金利 10:00
結果 1.50%
予想 1.75% 現行 1.75%
【豪州】
失業率(6月)10:30
結果 5.2%
予想 5.2% 前回 5.2%
雇用者数(6月)10:30
結果 0.05万人
予想 0.90万人 前回 4.23万人
正規雇用 +2.11万人(前回+0.24万人)
非正規雇用 -2.06万人(前回+3.98万人)
労働参加率 66.0%(前回66.0%)
【英国】
小売売上高(6月)17:30
結果 1.0%
予想 -0.3% 前回 -0.6%(-0.5%から修正)(前月比)
結果 3.8%
予想 2.6% 前回 2.2%(2.3%から修正)(前年比)
【香港】
失業率(6月)17:30
結果 2.8%
予想 2.8% 前回 2.8%
【米国】
新規失業保険申請件数(07/07 – 07/13)21:30
結果 21.6万件
予想 21.6万件 前回 20.8万件(20.9万件から修正)(前週比)
フィラデルフィア連銀景況指数(7月)21:30
結果 21.8
予想 5.0 前回 0.3
景気先行指数(6月)23:00
結果 -0.3%
予想 0.1% 前回 0.0%(前月比)
【南アフリカ】
中銀政策金利(7月)22:13
結果 6.50%
予想 6.50% 前回 6.75%(南ア中銀政策金利)
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《7/18 木曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【米国】
*米国防総省
南西部のメキシコとの国境に2100名超の追加派兵を行う。
国土安全保障省法執行当局者を支援。
*ムニューシン米財務長官
現時点で米国の為替政策に変更はない。
*トランプ大統領
イランの無人機を米海軍が防衛のため撃墜した。
*ブラード・セントルイス連銀総裁
今年数回の利下げがイールドカーブを上向かせる。
利下げは恐らく景気減速の保険となるであろう。
FRBは保険の方向に傾いている。
貿易問題の不確実性が高まっている。
通貨安競争は恐らく良い結果をもたらさない。
*ウィリアムズNY連銀総裁
現在の中立金利は0.5%程度。
経済が極度の不安に陥った場合はFRBは積極的に行動。
インフレ低下はシステミックな問題。
インフレ期待が更に弱まれば、金融政策を封じ込める可能性。
低インフレは世界的な問題で米国だけではない。
金利がゼロ付近の時は長期間低金利を維持。
*クラリダFRB副議長
米経済は良好。成長率は底堅い。
見通しに不確実性が増している。
指標はまちまち。世界の指標は失望的なまま。
インフレ指標は低い側にある。
金融政策の効果には時間差がある。
PCEの基本的な見解は2%方向。
金融政策は基本的見解とリスク管理に対して設定する必要。
米金利と各国の金利との距離には限界がある。
貿易政策の不確実性が信頼感に直撃。
FOMCは二大責務に焦点。
【ユーロ圏】
*フィナンシャルタイムズ
IMF次期専務理事の候補、ダイセルブルーム前ユーロ圏議長が有力候補。
月内にも決定見込み。
*ブルームバーグ
ECBスタッフがインフレ目標の修正について検討。
【英国】
*バルニエEU主席交渉官
アイルランド国境について代替案を議論する用意。
*英予算責任局
合意なき離脱で2020/21年度の公的部門借入が年300億ポンド増加する見込み。
ジョンソン前外相とハント外相が公約に掲げている歳出計画と減税は、財政を圧迫する
信頼感の低下、投資の阻害、EUとの貿易障壁の拡大に(合意なき離脱で)
ポンドの価値が下落、国内経済が2020年末までに2%縮小も(合意なき離脱で)
第2四半期成長はゼロ成長の公算、マイナス成長の可能性も。
年初のEU離脱を控えた在庫積み増しの動きに対する反動が一因。
6月調査は特に弱い内容で、低成長が続き公算大きい。
本格的な景気後退を招くリスクも。
*英議会
合意なき離脱を阻止するための修正案を315対274で可決。
【中国】
*環球時報編集長
中国は米中貿易合意に関して3つの原則を強く主張していると個人的に認識。
米国はすべての追加関税を取りやめるべき。
中国による米国製品の購入は現実的なものに。
合意の文言はバランスのとれたものであるべき。
【韓国】
*韓国中銀
2019年の経済成長見通しを4月時点の2.5%から2.2%に引き下げ。
物価見通しを1.1%から0.7%に引き下げ。
【その他】
*ザリフ・イラン外相
米国がイランとの核合意を離脱したことで、墓穴を掘った。
欧州もそれぞれのコミットメントを履行できていない。
核兵器製造、技術的には可能だがそのつもりはない。
*G7声明草稿
世界経済は安定化の兆し、2020年には緩やかな回復が期待される。
しかし、リスクは引き続き下方に傾いている
最大の懸念材料は貿易と地政学的な緊張が高まっていること。
FBのリブラなどについて、深刻な規制およびシステム上の懸念がある。
リブラなどの計画実行の前に、懸念を解決すべき。
デジタル化経済における税制の課題を早急に解決すべき。
【日本】
*麻生財務相
リブラについてG7で強い懸念共有されている。
増税後に非常に景気が冷え込むという見方ではない。
増税後にリスク顕在化すれば対応しようとは考えている。
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《本日予定されている主な経済指標》
【日本】
全国消費者物価指数(6月)8:30
予想 0.7% 前回 0.7%(前年比)
予想 0.6% 前回 0.8%(生鮮除くコア・前年比)
全産業活動指数(5月)13:30
予想 0.3% 前回 0.9%(前月比)
【ユーロ圏】
ドイツ生産者物価指数(6月)15:00
予想 -0.1% 前回 -0.1%(前月比)
予想 1.5% 前回 1.9%(前年比)
ユーロ圏経常収支(5月)17:00
予想 N/A 前回 209億ユーロ
【英国】
公共部門ネット負債(6月)17:30
予想 33億ポンド 前回 45億ポンド
【カナダ】
小売売上高(5月)21:30
予想 0.3% 前回 0.1%(前月比)
予想 0.4% 前回 0.1%(自動車除く・前月比)
【米国】
ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値(7月)23:00
予想 98.8 前回 98.2
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【東京市場】
ドル円は午前中に107円67銭まで値を落とし、その後は安値圏での推移となった。米ネットフリックスの弱い決算を受けて急落で米株先物が値を落とし、朝からアジア株式市場が軟調。リスク警戒の円高が広がり、ドル円は直近サポートの107円80銭近辺を割り込んで売りが出た。その後は107円80銭が重くなる格好で頭を抑えられ、安値圏もみ合いに。
今月末のFOMCで一気に0.5%引き下げるという見通しが、ここにきてさらに強まっておりドル売りが入りやすくなっている面も。
ユーロドルは1.1240近辺まで。ポンドドルは1.2442近辺までと、小幅ながらどちらもドル安基調。
午前中に雇用統計の結果を受けて上昇した豪ドルは高値圏もみ合い。豪雇用統計は全体の数字が予想を下回りわずか500人の増加にとどまったものの、正規雇用の上昇が目立ったことや、労働参加率が上昇したにもかかわらず失業率が維持されたことなどが好感された。
【ロンドン市場】ポンド買い
バルニエEU離脱問題主席交渉感が、英国とアイルランド国境の問題について
代替案の用意と報じられたことが好感されて
ポンド買いの動きが広がった。
英小売売上高の強さも買い材料に。
一方でユーロが軟調。1.12台を維持したものの、1.1205近辺を試す動きに。
ドル円は107円台後半もみ合い
【NY市場】ドル円107円台前半に、ユーロドル1.1280近辺などドル売り強まる
ドル売りが一気に加速した。
ウィリアムズNY連総裁が
「経済が極度の不安に陥った場合はFRBは積極的に行動すべき」との見解を示した。
これをうけて市場の0.50%利下げ見通しはさらに強まり
CMEFEDWATCHでの割合は48.3%と
0.25%利下げをほぼ半々に。
この動きを受けてドルが全面安。ロンドン市場では売りが目立ったユーロドルも
1.1280台までの買い戻しに。
【本日の見通し】0.50%利下げの可能性意識
0.50%利下げの可能性がさらに強まってきた。
ドル円は107円台前半まで下落。
この動きがドル全面安を誘っている。
金融政策の実務を担い、FOMC副委員長を兼ねる重要職であるNY連銀総裁から
積極的な行動との文言が出てきた意味はかなり大きい。
ドル売りの動きが強まる展開でドル円は107円台前半まで値を落とした。
利下げは織り込み済みも、雇用統計、消費者物価指数、小売売上高と
軒並みの米指標の強さでさすがに0.50%はというん見方をしていた市場も
ここにきて大規模利下げの可能性を強く意識している。
朝方のムニューシン財務長官発言を受けた米中関係進展期待が
ドル買いの動きを誘っているが、
FOMCまではドル売り圧力が継続か。
【本日の戦略】戻り売り
0.50%の利下げ期待が過半数を超える可能性を示す勢いとなっている。
この流れがドルの頭を抑えている。
米中協議再開期待がドル買いを誘っているが
戻ったところでは売りが出る流れか。
107円台後半が重くなるようだと
来週にかけてFOMC前の107円割れも視野に。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません