原油急落と米株も軟調な中、ドル円の上値は重い=NY為替前半
きょうのNY為替市場、ドル円は107円台後半での推移となっている。朝方発表のNY連銀景気指数が予想を大きく上回ったことで、米国債利回りの上昇と伴にドル円も買い戻しが優勢となった。
21日線が108円ちょうど付近に来ているが、一時その水準の回復を試すかにも思われたが、結局、戻り売り圧力も根強く上値を抑えられている。商品市場で原油が急落しており、米株も軟調な中、ドル円の上値は重いようだ。
米企業決算の発表が続いているが、まちまちな内容で、いまのところ少なくとも先行き懸念を払拭には至っていない。米中対立も依然として燻る中、市場には景気の先行き対する不透明感も次第出始めており、ドル売りのみならず、リスク回避の円高がドル円を押し下げている面もありそうだ。目先は今月の安値107.50円付近が意識される展開。
一方、ユーロドルは1.12ドル台前半で推移。狭い範囲での方向感のない展開が依然として続いている中、NY時間に入って買い戻しが優勢となり、ロンドン時間の下げを取り戻している。ロンドン時間には一部で、ECBがインフレ目標の変更を検討との報道が伝わりユーロ売りを誘発していた。
現在のECBのインフレ目標は「2%未満だが2%に近い水準」となっている。これを明確に2%にすることによって、インフレ期待を高めることが容易となり、将来に利下げする場合でも、政策金利のマイナス幅をあまり広げなくて済むとという。市場では、ECBは目標を変更することによって、緩和状態を長期化したい意向があるのではとの見方に繋がったようだ。
なお、来週のECB理事会では政策は据え置かれるものの、ガイダンスで追加緩和の意向を強調して来ると見方が市場では有力となっている。しかし、一部からは利下げの実施も完全には排除できないとの声も出ているようだ。
minkabu PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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