米雇用統計を受けて利下げ観測が後退=外為どっとコム総研 神田卓也
米雇用統計を受けて利下げ観測が後退
5日のドル/円は終値ベースで約0.6%上昇。米6月雇用統計で非農業部門雇用者数の伸びが予想を上回った事から一時108.60円台までドルが買われた。なお、この雇用統計を受けて米連邦公開市場委員会(FOMC)が大幅な利下げに動くとの思惑が後退している。シカゴマーカンタイル取引所(CME)のFedウォッチによると、FOMCが7月に政策金利を25bp(0.25%)引き下げる確率は依然として10割だが、一気に50bp(0.5%)引き下げる確率は前日の3割前後から1割未満に低下した。
ドル/円は、週足チャート上に2週連続で下ヒゲ陽線が出現しており、ひとまず下値固めを終えたと考えられる。週足一目均衡表の転換線が通る108.70円台を突破できれば、一目均衡表の雲(109.36-109.49円前後)に向けた上伸が視野に入りそうだ。
執筆者 : 神田卓也|株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 証券株式会社を経て、1991年㈱メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年同社入社。