米経済指標が強い内容でドル円はFOMC後の下げを取り戻す=NY為替前半
きょうのNY為替市場、ドル円はFOMC後の下げを取り戻している。この日発表になった米経済指標が強い内容となったことで買い戻しが膨らんでいる。この日は米雇用統計とISM製造業景気指数が発表になった。
米雇用統計は、非農業部門雇用者数(NFP)が30.4万人増と予想をかなり上回る内容となった。前回分が大幅に下方修正されたが、それを考慮しても力強い内容だったと言える。失業率は4.0%に悪化したが、労働参加率が上昇したことが影響したものと思われる。
ISM指数は前回を上回り予想も上回った。米政府機関閉鎖や米中貿易問題、そして世界経済の減速などで、このところ米製造業のセンチメントの落ち込みを示す指標が多かったが、予想外に底堅い数字だったことで市場も、ポジティブな反応を示したものと思われる。
米株や米国債利回りが上昇する中、ISM指数発表後にドル円は一気に買い戻しを強め、109円台半ばまで上昇。FOMC後に上値を拒んでいた21日線も突破し、FOMC後の下げを取り戻している。
ユーロ円やポンド円といったクロス円も堅調。 FRBの慎重姿勢に加え、指標も好調なことから、過度な米景気減速懸念は後退している。リスク選好の雰囲気もあり円安が進んだようだ。
一方、ユーロドルは1.14ドル台で上下動。米指標発表後はドル買いが優勢となり、ユーロドルは戻り売りに押されていた。しかし、今週のFOMCを受け、米利上げ期待が大きく後退する中、目先はドルの上値を積極的には追いにくい。ただ、ユーロ自体も積極的には上値を追いにくい状況もある。この日のユーロ圏消費者物価もインフレの高まりを感じさせず、ECBも慎重姿勢を強調し始めている状況。ドル安の流れはあるものの1.15ドル台は簡単ではなさそうだ。
minkabu PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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