【ロンドン市場】ドル円一時109円台乗せも買いは続かず、トランプ待ちに
8日のロンドン市場は、全般に方向感に欠けた取引。ドル円は序盤に109円台乗せとなったが、買いは続かずに108円台後半へと押し戻されている。ユーロ円などクロス円も比較的狭いレンジでの上下動にとどまった。ユーロドルなどドル相場は、序盤にドル高方向を試したが失速しており、東京市場からのレンジをたどる動きとなっている。ポンド相場は英EU離脱関連の報道で神経質だが、上下どちらの方向にも抜け出していない。米10年債利回りは2.69%台を中心とした動きに終始。欧州株や米株先物は買いが先行し、リスク動向は落ち着いている。ただ、米中次官級通商協議の行方や、あす東京午前にトランプ米大統領の演説を控えており、短期ポジションに調整が入る面もあったようだ。
ドル円は108円台後半での取引。序盤には東京市場で上値を抑えられた109.00レベルの売りをこなして、一時109.09レベルまで高値を伸ばした。1月2日以来の高値水準となった。しかし、その後は欧州株高にもかかわらず売りに押されており、108.60台へと反落している。12月日銀短観での想定為替レートが109.26レベルとなっており、本邦輸出企業のターゲット水準となりやすい点が指摘される。米中通商協議やあす日本時間午前11時からのトランプ大統領の演説を控えて、調整が入りやすい面も。
ユーロドルは1.14台後半での取引。序盤には1.14台前半で下値を探る動きがみられたが、1.1430台ではサポートされており、取引中盤にかけては1.1470近辺まで反発した。ただ、東京市場からのレンジ内での取引に終始しており、方向性は希薄。ユーロ円は124.40近辺から124.80近辺でのレンジで揉み合っている。12月ドイツ鉱工業生産なや一連のユーロ圏景況関連指標は弱い内容となったが、ユーロ売り圧力はそれほどみられず。独連銀は、弱い鉱工業生産について、単月の指標結果にはコメントせずとしていた。
ポンドドルは1.27台後半での取引。朝方に1.2797レベルまで買い上げられたが、1.28台には届かず。その後は神経質な上下動を伴いながら一時1.2745レベルまで安値を広げる場面があった。現時点では上下どちらにも抜け出せず。ポンド円は序盤に139.44レベルまで高値を伸ばしたが、その後は138.50近辺まで反落。足元では138円台後半での揉み合いとなっている。EU離脱関連の報道が多くなっている。バラッカー・アイルランド首相は、英議会採決の前にEUはバックストップの保証を文書で提示する可能性がある、との報道にポンド買い。バークレイ英EU離脱担当相の、3月29日のEU離脱期日を延期するつもりはない、との発言にポンド売りと忙しい値動きだった。英議会は、英EU離脱案の審議を9日から再開する。15日に下院で採決が行われると報じられているが、現時点では否決される可能性が高い。クラーク英産業相が、合意なき離脱を回避することが根本的なことだ、としている。合意なき離脱を回避する方策について今後いろいろな報道がありそうだ。
minkabu PRESS編集部 松木秀明