【これからの見通し】ドル高の流れ継続か、米雇用関連指標を確認へ
【これからの見通し】ドル高の流れ継続か、米雇用関連指標を確認へ
東京市場は月末要因などで静かな取引も、ドル高地合いは堅持されている。米イラン紛争の長期化観測や、トランプ米大統領による中間選挙後の空爆再開懸念を背景に、原油高と米長期金利の高止まりが進行している。NY原油先物は94ドル台と高水準で推移し、米10年債利回りは5.25%近辺で推移している。いわゆる「有事のドル買い」圧力と米金利からの圧力が、ドル相場の下値を強力に支える構図となっている。
一方、ドル円相場にとっては片山財務相とベッセント米財務長官の協議で「過小評価された円」への懸念が示されたことに加え、高市政権が(米国や債券市場への配慮から)リフレ政策ではないとの姿勢を提示したことで、158円台から160円手前にかけては日米協調介入を含む当局の直接行動への警戒感が強まっている。このため、ドル円の上値は158円台では抑制されやすく、売買双方の材料が拮抗する展開が続いている。
実際、ドル円の1週間物ボラティリティは10%台半ばへ急騰し、バックワーデーション(逆イールド)を形成している。短期的には市場の警戒感は極めて高く、押し目買いと高値警戒が激しく交錯する地合いとなっている。
欧州通貨では、ドル買い圧力が優勢だ。ユーロやポンドがエネルギー価格高騰によるインフレ・景気減速懸念、さらに英国での増税警戒を背景に対ドルで上値の重い推移が予想される。ただし対円では、ドル円の底堅さに連動した買い戻しが入りやすい。
この後の海外市場で発表される経済指標は、KOFスイス先行指数(9月)、英消費者信用残高(8月)、英マネーサプライM4(8月)、ユーロ圏景況感指数(9月)、ユーロ圏消費者信頼感指数(確報値)(9月)、ブラジル雇用統計(8月)、カナダ実質GDP(7月)、米住宅価格指数(7月)、米S&Pケースシラー住宅価格(20都市)(7月)、米コンファレンスボード消費者信頼感指数(9月)、米JOLTS求人件数(8月)などが予定されている。
今週末の米雇用統計を控えて、本日の米求人件数をはじめとした一連の雇用関連指標が注目される。大方の市場予想は722.8万件と前回の727.1万件を下回る見込み。また、米消費者信頼感指数の予想は89.0と前回の89.4から低下する見込み。いずれもややドル高にブレーキを掛ける予想値となっている。
発言イベント関連では、ロンドン時間には一連のECB当局者、NY時間には複数のFRB当局者らの講演などが予定されている。ECBはカジミール・スロバキア中銀総裁、ナーゲル独連銀総裁、エスクリバ・スペイン中銀総裁、チポローネECB理事など。FRBはボウマンFRB副議長(金融機関監督担当) / FRB理事、バーFRB理事、グールズビー・シカゴ連銀総裁、ムサレム・セントルイス連銀総裁、ウィリアムズNY連銀総裁、ウォラーFRB理事などの講演や金融国際会議参加が予定されている。そのほかには、マン英中銀委員、テイラー英中銀委員、グラベル加中銀副総裁などの講演が予定されており、かなり盛りだくさんな予定となっている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。