【通貨別まとめと見通し】ユーロ円:年初来高値更新後にFOMCで急転直下、186円維持に失敗し再び184円台前半のサポートテストへ
【通貨別まとめと見通し】ユーロ円:年初来高値更新後にFOMCで急転直下、186円維持に失敗し再び184円台前半のサポートテストへ
先週から今週(6月15日〜6月22日)のまとめ
前回レポートで期待された「186円大台定着と年初来高値更新への挑戦」は、週前半に一時186.32円まで上値を伸ばし、年初来高値をわずかに塗り替える形で結実した。しかし、大台突破の達成感や本邦当局の介入警戒感が燻る中、17日(水)深夜(日本時間18日未明)のFOMC(米連邦公開市場委員会)を通過すると相場は急転直下。それまでの過度なユーロ買い・円売りのポジション調整(利益確定)が一気に加速し、18日(木)には一時184.30円まで急落した。週末にかけて185円台を一時回復する場面もあったものの買いの勢いは続かず、週明け22日(月)にも再び184.39円まで下押し。現在は前々週に驚異的な下値の堅さを見せた「184.00円の重要岩盤支持線」を再び意識せざるを得ない、調整含みの神経質なステージへと押し戻されている。
詳細な値動きの振り返り
■ 年初来高値の更新と186円台での揉み合い(6月15日〜17日)
週明け15日(月)に186円大台に再突入した後、16日(火)も186.20円まで買われるなど堅調さを維持。17日(水)朝方には一時186.32円まで上値を拡張し、年初来高値を更新した。しかし、ここが目先の上限(達成感)となり、欧州・NY時間にかけては為替介入への警戒感も相まって185円台後半へとじり安の展開となった。
■ FOMC通過による急転直下と184円台への急落(6月18日〜19日)
18日(木)未明(3:00台)、注目のFOMC結果発表を機に流れが大きく変化。ドル買いが優勢となる中でユーロ売り・円買いの圧力が急激に高まり、わずか数時間で185.70円付近から184.75円まで急押しした。さらに18日の欧州・NY時間にかけてもロングポジションの投げ(利益確定売り)が加速し、一時184.30円まで下値を広げた。翌19日(金)も184.30円でピタリと下げ止まると、一時185.37円まで力強く買い戻されたものの、週末のクローズ(20日早朝)は185.03円と、185円を挟んだ攻防で一週間の取引を終えた。
■ 週明けの再失速と184円台前半の足元(6月22日〜23日現在)
週明け22日(月)は、東京〜欧州時間にかけて一時185.40円まで戻り歩調を強めたものの、NY時間(23:00台)に入ると再び円買いが優勢となり184.39円まで下落。本日23日(火)午前現在、184.60円台(11:00時点184.64円)で揉み合っており、上値の重さが意識される中で再び「184.00 - 184.30円」のサポート帯が維持できるかの防衛戦を迎えている。
ファンダメンタルズ分析
欧州・米国側(FOMC通過による潮目の変化):
最大の注目イベントであったFOMCを通過し、年内の高金利長期化警戒などを背景に市場全体の需給が「円売り一辺倒」から「蓄積されたポジションの調整」へと一気に傾いた。ECBの連続利下げ慎重姿勢(タカ派据え置き)によるユーロ高地合いも、ドル高に伴うユーロ安圧力や対円での急激な巻き戻しに押し流され、上値を大きく圧迫する要因となった。
日本側(介入への恐怖心と下値での買い支え):
186.32円まで年初来高値を更新したことで、本邦当局による実質的な為替介入リスクが極めてリアルに意識された。これが186円台でのさらなる上値追いを手控えさせ、FOMCというきっかけを得て一気にロング勢の手仕舞い売りを呼び込む形となった。一方で、根本的な日欧の実質金利差という地合い自体は変更がないため、184.30円近辺では明確に下げ渋るなど、押し目買いの存在も依然として確認されている。
テクニカル分析
トレンド:
先週まで維持されていた「185.50 - 186.20円」の強気チャネルから完全にドロップアウトし、主戦場を再び「184.00 - 185.40円」の調整レンジへと引き戻した。17日の高値(186.32円)から18日の安値(184.30円)への急落、および22日の戻り高値(185.40円)からの再失速は、短期的な下降トレンドへの移行、あるいは「トリプルトップ(三尊天井に近い形)」のような強い上値の壁を形成した可能性を示唆しており、調整が長引くリスクをはらんでいる。
レジスタンス1: 185.00 - 185.15(直近の心理的節目であり、20日終値付近。ここを安定的にクリアできるかが反転への第一関門)
レジスタンス2: 185.37 - 185.40(19日および22日に明確に上値を阻まれた直近の戻り高値。極めて強い抵抗帯)
レジスタンス3: 185.70 - 185.80(かつての支持帯。ロールリバーサルにより強固なレジスタンスに転換)
レジスタンス4: 186.32(17日に記録した新たな年初来高値。最大の難所)
サポート1: 184.30 - 184.39(18日、19日、22日にいずれも下げ止まった、足元における事実上の「トリプルボトム」を形成する最終防衛線)
サポート2: 184.00(前々週に驚異的な下値の堅さを示した「最重要岩盤支持線」。ここを完全に割り込むと長期上昇トレンド自体が崩壊するリスク)
今後のポイント・見通し
今週の最大の焦点は、先週から今週にかけて3度にわたって死守している「184.30円付近のサポート」を維持し、再び185円台定着への足固めができるか、あるいは184.00円の岩盤支持線を下抜けて深い調整局面に突入するかである。
【メインシナリオ】184円台前半での足固めと185円台復帰への揉み合い展開
184.30 - 184.40円のサポート帯が機能し、度重なる下値テストを耐え抜く展開。実質金利差を背景とした底堅さから徐々にショートカバー(買い戻し)が入り、185.00円の大台を奪還。先週の戻り高値である185.40円方向へとジリジリと水準を切り上げるパワー蓄積(揉み合い)の展開を想定。
想定レンジ: 184.20 - 185.50
根拠: 184.30円台でのトリプルボトム的な下げ渋り、根本的な実質金利差の継続、および急落後の日柄調整。
【対抗シナリオ】戻りの鈍さに伴う利食い加速と岩盤支持線(184.00円)割れへの調整拡大
上値の重さが嫌気され、戻り売り圧力に押されて184.30円のサポートを明確に割り込む展開。その場合、前々週の起点となった最重要岩盤支持線(184.00円)を再度テストすることになり、ここをも下抜けた場合はストップロスを巻き込んで183円台半ばへと調整幅を大きく拡張する可能性が高まる。
想定レンジ: 183.50 - 184.80
根拠: 185.40円付近での強い戻り売り圧力、184.30円割れに伴う短期テクニカルの悪化、およびロング勢の手仕舞い売り加速。
総評
6月15日から22日にかけてのユーロ円は、一時186.32円まで上昇し年初来高値を更新したものの、結果として大台定着に失敗する「往って来い」の厳しい一週間となった。最大の引き金となったのは17日のFOMC通過であり、市場の過熱感(円売りポジションの傾き)が一気に修正される形となった。足元は再び184円台前半まで押し戻されており、先週までの強気一辺倒のムードは大きく後退している。今週は、これまでの上昇トレンドの生命線である「184.00 - 184.30円」の支持帯を死守できるかどうかの極めて重要な局面であり、ここを耐えきれば再び反転へのエネルギー充填となるが、割り込んだ場合は深めの調整を覚悟する大きな分岐点に立っていると言える。
今週の主な予定
ユーロ圏
06/22 23:04 消費者信頼感指数(速報値) (6月) 結果 -17.7 予想 -17.5 前回 -19.0
06/23 17:00 製造業PMI(購買担当者景気指数・速報値) (6月) 予想 51.5 前回 51.6
06/23 17:00 サービス業PMI(購買担当者景気指数・速報値) (6月) 予想 49.3 前回 47.7
ドイツ
06/23 16:30 非製造業PMI(購買担当者景気指数)(速報値) (6月) 予想 48.9 前回 48.1
06/23 16:30 製造業PMI(購買担当者景気指数)(速報値) (6月) 予想 50.4 前回 50.1
06/24 17:00 Ifo景況感指数 (6月) 予想 85.5 前回 84.9
06/25 15:00 GfK消費者信頼感調査 (7月) 予想 -26.5 前回 -29.8
フランス
06/23 15:45 企業景況感 (6月) 予想 96.0 前回 94.0
06/23 16:15 製造業PMI(速報・購買担当者景気指数) (6月) 予想 50.2 前回 49.7
06/23 16:15 非製造業PMI(速報・購買担当者景気指数) (6月) 予想 45.9 前回 44.3
06/25 15:45 消費者信頼感指数 (6月) 予想 83.0 前回 82.0
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。