ダウ平均は小幅高 EUと米国の交渉不調の報で失速=米国株序盤
NY株式15日(NY時間10:47)(日本時間23:47)
ダウ平均 40603.50(+78.71 +0.19%)
ナスダック 16877.30(+45.82 +0.27%)
CME日経平均先物 34585(大証終比:+225 +0.65%)
きょうのNY株式市場でダウ平均は小幅高。中国当局はトランプ関税への報復措置として、中国国内の航空会社に対し、ボーイング<BA>の航空機の追加納入を一切受けないよう指示したとの報道が伝わり、米株式市場は売り先行で始まった。
ただ、市場はこれまでのような敏感な反応は見せず、トランプ関税に伴う売りも一巡してきた雰囲気も出ていた。しかし、ヘッドラインにはなお敏感なようで、EUと米国との貿易交渉に、ほとんど進展が得られなかったと伝わると株価は一気に下落。ダウ平均は266ドル高まで上昇し、ナスダックは大幅高となっていたが、一気に失速している。
トランプ政権の当局者らは、EUに課された米国の関税の大半は撤廃されないことを示唆したという。EUの通商担当委員であるセフコビッチ氏は、米国の姿勢についてほとんど明確な説明を得られず、米国側の狙いを判断できずに会合を終えたと伝えている。同委員は月曜日にワシントンでルトニック商務長官およびグリアUSTR代表と約2時間にわたって会談した。
米大手銀のストラテジストによると、先週の米株式市場はショートカバーがフローを支配していたという。S&P500とナスダックでポジショニングが改善はしているものの、新規ロングの兆候はほとんど見られないと指摘。
ひとまず嵐は収まりつつあるものの、関税の猶予もあくまで暫定措置であり、米中貿易戦争への懸念、景気への影響などもあり、株式を積極的に買い上げようとう動きまではまだ見られていない。短期筋のショートカバーや長期スタンスの投資家が下値を拾っている程度といったところ。
半導体デバイス開発のアレグロ・マイクロシステムズ<ALGM>が下落。同社は日本のサンケン電気が32%出資しているが、同業のオン・セミ<ON>が同社の買収を断念した。
バンカメ<BAC>が決算を受け上昇。株式のトレーディングが予想を上回ったほか、純受取利息(NII)も予想を上回った。
化粧品のコティ<COTY>が下落。アナリストが投資判断を従来の「買い」から「売り」に2段階引き下げた。
GM<GM>が反落。前日はトランプ大統領が自動車と部品に対する関税について、一時的な適用除外の可能性を示唆したことで楽観論が高まり、買い戻しが強まっていたが、本日はアナリストが投資判断を「中立」に引き下げた。フォード<F>も反落。
HPエンタープライズ<HPE>が上昇。取引開始直後にアクティビスト(物言う株主)として知られるエリオットが同社株を15億ドル以上保有したと伝わった。
バンカメ<BAC> 38.00(+1.33 +3.61%)
ボーイング<BA> 156.08(-3.20 -2.01%)
アレグロ<ALGM> 19.64(-2.38 -10.79%)
GM<GM> 44.34(-0.80 -1.78%)
フォード<F> 9.47(-0.25 -2.52%)
コティ<COTY> 4.81(-0.38 -7.34%)
HPエンタープライズ<HPE> 14.98(+0.70 +4.90%)
アップル<AAPL> 201.82(-0.71 -0.35%)
マイクロソフト<MSFT> 388.08(+0.27 +0.07%)
アマゾン<AMZN> 180.52(-1.60 -0.88%)
アルファベットC<GOOG> 159.95(-1.52 -0.94%)
テスラ<TSLA> 257.59(+5.24 +2.07%)
メタ<META> 532.04(+0.56 +0.11%)
AMD<AMD> 95.62(+1.12 +1.19%)
エヌビディア<NVDA> 111.53(+0.82 +0.74%)
イーライリリー<LLY> 760.83(+6.48 +0.86%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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