ダウ平均は大幅安 先行き不透明感が再び圧迫 IT・ハイテク株の下げが顕著=米国株序盤
NY株式6日(NY時間12:20)(日本時間02:20)
ダウ平均 42592.18(-414.41 -0.96%)
ナスダック 18168.88(-383.85 -2.07%)
CME日経平均先物 37055(大証終比:-695 -1.88%)
きょうのNY株式市場、ダウ平均、ナスダックともは大幅安となっている。世界的な国債利回り上昇、貿易戦争への懸念、米経済の先行き不透明感が、前日一服していた米株式市場を再び圧迫している。加えて本日はIT・ハイテク株の下げが顕著で、期待外れのハイテク企業の決算、そして中国企業の新たなAIモデル発表が市場を動揺させている。
決算については、半導体のマーベル・テクノロジー<>が前日引け後に決算を発表し、数字は予想を若干上回る内容だったものの、事前の期待が高かった分、不十分な決算と見られている模様。
中国の新たなAIモデルについては、アリババが、ディープシーク並みの性能を僅かなデータで発揮するモデルを公開。「QwQ-32B」モデルをオープンソース化した。これにより半導体株も圧力を受けている。
トランプ大統領が対メキシコ関税で、USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)準拠品全てで適用を延期すると伝わったことで、米株式市場は買戻しが見られていたが、あくまで4月2日までの暫定措置であることから不確実性は払拭できていない。カナダに対してはいまのところ不透明。
ストラテジストは「市場は依然として世界的な利回り急上昇に加え、貿易戦争勃発による経済への影響に注目している。貿易戦争が始まるということは、同時に対象国からの報復も受けることでもあり、米国にさらなる圧力がかかることを意味する。米家計はより貧しくなるからだ」と述べている。
テスラ<TSLA>が反落。アナリストが同社の低調な販売データを受けて、目標株価を従来の440ドルから370ドルに引き下げた。主要地域である欧州、米国、中国の四半期販売データが低調だったとしている。
半導体デバイス開発を手掛けるアレグロ・マイクロシステムズ<ALGM>が上昇。同社は日本のサンケン電気が出資しているが、オン・セミ<ON>が1株35.10ドルで買収提案を行ったと発表。しかし、アレグロ側はそれでは不十分と拒否。
データベースのプラットフォームを手掛けるモンゴDB<MDB>が決算を受け大幅安。通期の見通しが予想を大きく下回る内容だったことが嫌気されている模様。
サイバーセキュリティのZスケーラー<ZS>が決算を受け上昇。1株利益、売上高とも予想を上回った。ビリング(未収請求を考慮した売上高)も予想を上回っている。ガイダンスも公表し、通期の見通しを上方修正した。
寝具の製造販売を手掛けるスリープ・ナンバー<SNBR>決算を受けが急落。既存店売上高が予想以上の減収となったほか、売上高も予想を下回った。
低価格衣料品販売のバーリントン・ストアーズ<BURL>が決算を受け大幅高。ガイダンスは予想を下回ったものの、同業のロス・ストア<ROST>のガイダンスが冴えなかったことを考慮すれば、同社のガイダンスは懸念されていたよりも良いものだとの評価も出ている。
スーパーマーケットのクローガー<KR>が決算を受け上昇。既存店売上高が予想を上回ったほか、1株利益も予想を上回った。26年度通期のガイダンスも公表し、予想を上回る既存店売上高の見通しを示した。
マーベル・テクノロジー<MRVL> 73.76(-16.38 -18.17%)
アレグロ<ALGM> 28.71(+1.93 +7.21%)
モンゴDB<MDB> 203.52(-60.61 -22.95%)
スリープ・ナンバー<SNBR> 7.95(-4.94 -38.32%)
Zスケーラー<ZS> 210.31(+13.86 +7.06%)
バーリントン・ストアーズ<BURL> 262.90(+25.95 +10.95%)
クローガー<KR> 64.01(+1.48 +2.37%)
アップル<AAPL> 235.14(-0.60 -0.25%)
マイクロソフト<MSFT> 396.29(-4.74 -1.18%)
アマゾン<AMZN> 201.95(-6.41 -3.08%)
アルファベットC<GOOG> 174.54(-0.45 -0.26%)
テスラ<TSLA> 264.94(-14.16 -5.07%)
メタ<META> 636.05(-20.42 -3.11%)
AMD<AMD> 99.02(-2.65 -2.61%)
エヌビディア<NVDA> 112.06(-5.25 -4.47%)
イーライリリー<LLY> 913.86(-15.86 -1.71%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。