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【来週の注目材料】日銀金融政策決定会合、マイナス金利解除へ

為替 

 18日、19日に日銀金融政策決定会合が開催されます。今回の会合では現状のマイナス金利を解除するという期待が広がっています。

 日本銀行は2016年1月の会合で当座預金の一部にマイナス金利の適用を決定(適用は同年2月から)。日銀よりも前にマイナス金利を導入していたECBやスイス中銀はすでにマイナス金利を解除しており、現在日銀のみがマイナス金利政策を維持しています。
 日銀が現在の緩和的な政策を修正するにあたって、賃金上昇を伴う物価上昇により、インフレが目標を安定的に実現する目途が高まることを条件としています。3月13日に集中回答日を迎えた2024年の春季労使交渉(春闘)では、大手製造業を中心に要求の満額もしくは要求を超える賃金上昇の提示が見られました。この結果を受けてメディアで日銀がマイナス金利解除に向けて調整と報じられるに至りました。
 もともとは今回の会合で解除に向けた道筋を示し、4月の会合での解除決定という見通しが強かったですが、3月でも4月でも大きな違いがないことを考えると、今回実施してしまった方が市場の混乱を招かないと見られます。

 今回の会合でマイナス金利を解除するとの見方が広がっていますが、その場合、確認するべき事項が二点あります。
 一つは現在の当座預金に対する階層的な対応をどのように修正するのかです。現在のマイナス金利政策は、金融機関が日本銀行に預けた当座預金のうち、法定準備金を除いた超過準備に対して、プラス金利部分、ゼロ金利部分と振り分けが行われ、残った金額についてマイナス金利を適用するという制度になっています。これによりゼロ金利部分に余裕がある金融機関に対して、マイナス金利適用部分のある金融機関が、-0.1%よりは高くゼロより低い水準で貸し出しを行い、貸し出しを受けた金融機関はその資金をゼロ金利で日銀に預けるという裁定取引が生じ、短期金利市場の活性化につながるというシステムになっています。
 こうした制度をどう変化させるか、先にマイナス金利を解除したスイス中銀とECBの例でみると、スイス中銀は階層構造を残し、ECBは制度を撤廃と、対応が分かれています。

 もう一つがYCCをどうするのかという問題です。
 YCC、イールドカーブコントロールはマイナス金利採用から半年強後、2016年9月の会合で日銀が決定した長短金利操作付き量的質的緩和のこと。短期金利を-0.1%とする一方、長期の国債利回りを操作することで、短期長期両面の金利から景気を刺激しようというものです。10年国債利回りを概ねゼロにするという政策ですが、長期金利の上昇が目立ったことで2022年夏ごろから歪みが目立ち始めました。利回りが抑えられる10年の利回りが、8年、9年などの利回りを下回り、10年を超えると再び上昇という歪な利回り曲線が見られるようになりました。日銀は2022年12月の会合でそれまで±0.25%としてきた10年物国債の許容変動幅を±0.5%に拡大(0.5%までの金利上昇を事実上容認)。さらに2023年7月には上限を事実上1%に引き上げ、0.5%から1.0%の間は機動的に対応と柔軟化を見せました。さらに2023年10月には1.0%を目途という形として、上限を事実上撤廃する更なる柔軟化を見せています。
 現在の日本国債10年物利回りは1%を大きく下回っており、長期金利の常時のコントロールを外しても特に問題にはなりません(急変時には指値オペなどで柔軟に対応)。ただ、印象としてこれまでの姿勢が大きく変化したという印象を与えるだけに、日銀の対応が注目されるところです。

MINKABU PRESS 山岡和雅

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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