冴えないエネルギー株の購入を推奨する声も! 仏トタルに注目
このところ原油相場は上値の重い展開が続いており、本日のWTIは74ドル台で推移している。9月以降、原油相場の上げはピークアウトし、WTIは軟調な展開が続いている。中東情勢の緊迫化で一時買いが強まる場面も見られていたが、いまのところは一時的な動きに留まっているようだ。
各国中銀の利上げが実体経済に影響を及ぼし始めており、市場では景気減速や後退といった先行き不透明感が強まっている。そのような中で、原油相場も需給バランスへの警戒感が強まっているようだ。
原油高と伴に好パフォーマンスを演じていたエネルギー株も連れ安の動きが見られている。ただ、そのような中でもあるファンドのポートフォリオ・マネジャーはエネルギー株の購入を推奨している。同ファンドのポートフォリオの約15-20%が商品・エネルギー株に割り当てられているという。理由として、エネルギー株を長引く高インフレへの効果的なヘッジ手段と見ているようだ。現在のインフレが予想以上に長引く可能性があり、そのため、インフレ長期化に対するヘッジを提供できるのはコモディティへの直接投資だけではなく、株式も同様だという。
さらに、クリーン・エネルギーへの移行は予想以上に時間がかかると思われることから、石油・ガス株は現在よりも良い投資対象になると考えているとも述べている。現在の高金利下では、風力や太陽光といった再生可能エネルギーのプロジェクトの資金調達はかなり割高になっている。実際、今月初めにクリーン・エネルギーの開発業者が生産コスト上昇で利益が目減りし、56億ドル規模の米国の2つのオフショア・プロジェクトの計画を中止した。
「再生可能エネルギーだけに投資するのは素晴らしいことではあるが、実際にエネルギー転換を実現させるためには、開発業者が十分な期間に渡って存続するための経済性が必要だ」と述べている。
その中で、ポートフォリオ・マネジャーはフランスの石油・ガス大手トタル・エナジーズ<TTE>を投資家が保有すべきエネルギー株の1つと見なしている。同社は強力なキャッシュフローとバランスシートを維持しており、再生可能エネルギー事業も手掛ける。また、約5%の高配当利回り(予想ベース)と低バリュエーションで取引されている面も指摘。エクソンモービル<XOM>、シェブロン<CVX>、BP<BP>といった銘柄の予想ベース株価収益率(PER)は平均6.8倍だが、それと比べて大幅にディスカウントで取引されているという。
(NY時間08:52)時間外
トタルADR<TTE> 69.09(+0.31 +0.45%)
エクソンモービル<XOM> 104.05(-0.52 -0.50%)
シェブロン<CVX> 144.36(-0.54 -0.37%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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