ダウ平均は続伸 中国の景気刺激策への期待 明日は米CPI=米国株前半
NY株式11日(NY時間12:26)
ダウ平均 34165.00(+220.60 +0.65%)
ナスダック 13721.54(+36.06 +0.26%)
CME日経平均先物 32260(大証終比:+20 +0.06%)
きょうのNY株式市場でダウ平均は続伸。IT・ハイテク株も序盤は売買が交錯したものの、次第に買いが優勢となり、ナスダックもプラス圏に浮上している。
IT・ハイテク株については、前日にナスダックが、ナスダック100指数で異例のリバランスを実施すると発表。ウェートが減らされそうな銘柄として、マイクロソフト<MSFT>やアップル<AAPL>のほか、エヌビディア<NVDA>、アマゾン<AMZN>、テスラ<TSLA>、メタ・プラットフォームズ<META>、アルファベット<GOOG>が想定されているが、アナリストからは、ウェートを減らされた銘柄は短期的に圧迫される可能性があるとの指摘も出ていた。
市場には、中国の景気刺激策による潜在的な押し上げ効果と、明日の米消費者物価指数(CPI)を天秤にかけている雰囲気もある。中国の経済紙が 中国政府による景況感を押し上げる施策と伴に、不動産支援策の強化の可能性を指摘する記事を掲載したことで市場は行方を注目している。
市場からは、「これはゲームチェンジャーになるかもしれないが、それでも、米景気後退への不確実性を考慮すれば、積極的なポジション形成は控え、個別銘柄やセクターに注目すべき」との指摘も出ていた。米国株は不安定になる可能性があるが、投資家は米景気後退のシナリオを織り込んでおらず、バリュエーションは割高になっているという。
そして、明日の米CPIだが、総合指数は前回から大きく鈍化し、前年比で3.1%が見込まれている一方、注目のコア指数は5.0%と前回から鈍化こそ見込まれているものの、高水準での推移が予想されている。FOMC委員は前回のFOMCでの金利見通し(ドット・プロット)で、年末までにあと2回の利上げを予想した。しかし、市場は今月のFOMCでの利上げは確実視しているものの、その次の9月以降についてはなお懐疑的に見ており、現在は30%程度の確率で見ている状況。
市場からは「今月のFOMCで0.25%ポイントの利上げが行われることは現時点では確実で、明日の米CPIはむしろ、9月と11月の議論を占う材料だ」との指摘も出ている。リサーチ会社の調査によると、回答者の65%がコア指数が5%のコンセンサスを下回ると考えており、54%が反応はリスク選好と予想しているという。
セールスフォース<CRM>が上昇し、ダウ平均をサポート。同社は取引開始前にセールスクラウドやサービスクラウド、タブローなどのサービスについて、8月に定価を平均9%値上げすると発表した。
マイクロソフト<MSFT>が690億ドル規模のアクティビジョン・ブリザード<ATVI>買収計画を巡り、阻止しようとしていた米連邦取引委員会(FTC)に勝訴したと伝わった。アクティビジョンの株価が上昇。
ボーイング<BA>が堅調。6月の航空機納入台数が予想を上回った。
*米消費者物価指数(6月)12日21:30
予想 0.3% 前回 0.1%(前月比)
予想 3.1% 前回 4.0%(前年比)
予想 0.3% 前回 0.4%(コア・前月比)
予想 5.0% 前回 5.3%(コア・前年比)
ネットフリックス<NFLX> 437.49(-4.22 -0.96%)
アクティビジョン<ATVI> 91.48(+8.78 +10.62%)
アップル<AAPL> 187.87(-0.74 -0.39%)
マイクロソフト<MSFT> 330.67(-1.16 -0.35%)
アマゾン<AMZN> 128.91(+1.78 +1.40%)
アルファベットC<GOOG> 117.95(+1.08 +0.92%)
テスラ<TSLA> 267.81(-1.80 -0.67%)
メタ・プラットフォームズ<META> 298.30(+4.20 +1.43%)
AMD<AMD> 110.33(-3.25 -2.86%)
エヌビディア<NVDA> 423.35(+1.55 +0.37%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。