バイオジェンが3日ぶり反発 被験者2人の死亡について、レカネマブが原因ではないとする見解=米国株個別
バイオジェン<BIIB>が3日ぶりに反発しており、ダウ平均をサポート。日本のエーザイ<4523>と共同開発するアルツハイマー薬「レカネマブ」の臨床試験で、深刻な脳内出血を起こした被験者2人が死亡したことについて、レカネマブが原因ではないとする見解が示された。
これら2例はプラセボ(偽薬)を投与されていた被験者にも実薬が提供された非盲検の延長試験で起きたと指摘。いずれのケースもかなりの併存疾患と、大出血あるいは死亡につながる抗凝固などのリスク要因があったとしている。従って、死亡はレカネマブが起因するものであるとは言えないと説明した。
両社はまた、「レカネマブ」の臨床試験(第3フェーズ)の詳細な結果を含む最新データを公表。アルツハイマー病の発症に関係するとされるタンパク質アミロイドベータを脳内から大量に除去。認知症の重症度を評価するスコアで、投与18カ月時点で27%の悪化抑制を示した。ただ、副作用のリスクといった代償も伴った。脳腫脹や脳内出血が見られたのはレカネマブ投与を受けた人の約22%だったのに対し、プラセボ投与群は10%だった。アルツハイマー病の進行を遅らせる薬の最終段階の臨床試験で明確な好結果が出たのは初めて。
試験結果の詳細はサンフランシスコで開催されているアルツハイマー病臨床試験会議(CTAD)で発表されたが、レカネマブがもたらす恩恵はそれほど大きくないように見受けられるとの指摘も出ている。極めて小さい効果であり、臨床的に有意義かどうかが今後議論されることになるという。
(NY時間12:43)
バイオジェン<BIIB> 301.50(+10.09 +3.46%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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執筆者 : MINKABU PRESS
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