コストコは好決算も下落 会費値上げについて現時点では具体的な計画なし＝米国株個別

　コストコ＜COST＞が前日引け後に６－８月期決算（第４四半期）を発表し、既存店売上高、１株利益、売上高とも予想を上回った。ただ、株価は下落。粗利益率が予想を下回ったほか、第４四半期に会員の更新率が過去最高となったものの、会費の値上げを見送ったことが嫌気されている模様。

　会費の値上げについて同社のガランティＣＦＯは、「現時点では具体的な計画はない。しかし、もしではなく、いつかという問題だ」と述べていた。同社は通常、５－６年ごとに会費を値上げしている。前回の引き上げは２０１７年６月で、一部からは来年初めに引き上げるとの予測も出ている。第４四半期の会費収入は約７％増の１３．３億ドルで、総収入の約２％を占める。

　同社はまた、インフレに改善の兆しが見えるとし、今シーズンは昨年から残っていたホリデー商品の在庫を販売できる見込みだとも述べていた 。

　アナリストからは前向きな評価も出ており、「インフレとサプライチェーンの緩やかな改善に関する同社の報告を歓迎。同社株のボラティリティは高いままかもしれないが、ポジティブな見方は維持する」とした。 

　また、「不確実性が増す環境下で、会員制モデルは予測可能な売上高と収益性をもたらす。同社は現段階では控えているが、そう遠くない将来に会費を引き上げる可能性がある。それは今後の予想に上振れ期待をもたらす」とも指摘した。

（６－８月・第４四半期）
・既存店売上高：13.7％（予想：12.5％）
　　米国：15.8％（予想：13.6％）
・1株利益（調整後）：4.20ドル（予想：4.14ドル）
・売上高：720.9億ドル（予想：718.9億ドル）
　　会費収入：13.3億ドル（予想：13.2億ドル）
・粗利益率（調整後）：10.18％（予想：10.37％）

（NY時間09:41）
コストコ＜COST＞　474.94（-12.23　-2.51%）

MINKABU PRESS編集部　野沢卓美