ダウ平均は下げ続く ほぼ全面安の展開=米国株概況
NY株式9日(NY時間16:20)
ダウ平均 32245.70(-653.67 -1.99%)
S&P500 3991.24(-132.10 -3.20%)
ナスダック 11623.25(-521.41 -4.29%)
CME日経平均先物 26055(大証終比:-335 -1.29%)
きょうのNY株式市場はほぼ全面安の展開となり、ダウ平均の下げ幅は一時700ドル超まで下落した。市場のテーマは変わらず、FRBの積極利上げ観測と米国債利回り急上昇、そして、中国の景気減速への懸念が株式市場を圧迫している。本日の米10年債利回りは3.20%まで上昇し、2018年11月以来の高水準となっていた。
IT・ハイテク株を始め、エネルギー、産業、銀行株に一斉に売りが強まっている。先週の米雇用統計は力強い米経済を示していたが、それがインフレの早期鎮静化はないのとの懸念に繋がっている。FRBの積極利上げによって企業収益が圧迫され、FRB幹部は否定しているが、景気後退のシナリオも警戒されているようだ。
先週のFOMC後の会見でパウエルFRB議長は0.75%の利上げに消極的な姿勢を示していたものの、市場はなおその可能性を捨てきれない模様。
「金利が上がれば上がるほど、景気後退やスタグフレーションを恐れるようになる。恐怖があまりに大きくなり、業績の如何にかかわらず、あらゆるものが売られる」との声も出ていた。
決算発表は終盤を迎えているが、S&P500企業のうち434社が発表を終えている。そのうち約80%が予想を上回る利益を計上。
電気自動車(EV)のリビアン・オートモーティブ<RIVN>が大幅安。大株主のフォード<F>が800万株を割安な価格で売却と報じられた。上場に伴うロックアップ期間が日曜日に終了したことで、持ち株の一部を売却している模様。
宇宙旅行のヴァージン・ギャラクティック<SPCE>が3日続落。先週は決算を受けて売りが強まっていたが、きょうもその流れが続いている。サプライチェーンと労働力の制約により、商業サービスの開始を今年第4四半期から来年の第1四半期に延期することを発表していた。
特別買収目的会社(SPAC)のザナイト・アクイジション<ZNTE>が上昇。ブラジルの航空機メーカーのエンブラエルのアーバン・エア・モビリティ(空飛ぶタクシーなど航空輸送を使った都市交通システム)を手掛ける子会社との経営統合が株主総会で承認された。
パランティア・テクノロジーズ<PLTR>が決算受け大幅安。同社は米国の防衛・諜報機関のアナリスト向けにソフトウェアを提供する。顧客の伸びが鈍化した。
化粧品のコティ<COTY>が決算を受け下落。通期の1株利益の見通しを若干上方修正した。
食肉加工のタイソンフーズ<TSN>が決算を受け小幅ながらも逆行高。販売量は豚肉を中心に減少したものの、平均販売価格の伸びが予想を上回り相殺した。ガイダンスも公表しており、通期の売上高を従来から上方修正している。
リビアン<RIVN> 22.78(-6.01 -20.88%)
ヴァージン・ギャラクティック<SPCE> 6.07(-0.73 -10.74%)
ザナイト<ZNTE> 11.32(+1.16 +11.42%)
パランティア<PLTR> 7.46(-2.02 -21.31%)
コティ<COTY> 6.74(-0.54 -7.42%)
タイソン・フーズ<TSN> 92.84(+2.02 +2.22%)
アップル<AAPL> 152.06(-5.22 -3.32%)
マイクロソフト<MSFT> 264.58(-10.15 -3.69%)
アマゾン<AMZN> 2175.78(-119.67 -5.21%)
アルファベットC<GOOG> 2261.68(-51.52 -2.23%)
テスラ<TSLA> 787.11(-78.54 -9.07%)
メタ・プラットフォームズ<FB> 196.21(-7.56 -3.71%)
AMD<AMD> 86.36(-8.98 -9.42%)
エヌビディア<NVDA> 169.50(-17.25 -9.24%)
ツイッター<TWTR> 47.96(-1.84 -3.69%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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