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【来週の注目材料】米物価上昇さらなる加速へ~米消費者物価指数

為替 

 先週30日に上院銀行委員会で行われたパウエル議長によるCARES法に基づいた議会証言。議長は物価の上昇について「一過性」の表現を外す良いタイミングが来たと発言しました。新型コロナ禍を受けた物価の上昇について、FRBは4月のFOMCの声明で一過性との表現を使って以降、毎回のFOMCでどう表現が使われてきましたが、今回、姿勢の大きな転換を見せた形です。

 翌1日に下院金融サービス委員会で行われた議会証言でも同様の表現が見られ、政策当局者は来年後半に想定通り物価が鈍化しない場合に対応する準備をしておく必要があるとしました。
 
 こうした発言の背景には、ここにきて加速する米国の物価情勢があります。先月24日に発表された10月の米PCE(個人消費支出)デフレータは前年比5.0%と9月の4.4%から大きく上昇。同コアデフレータは前年比4.1%と9月の3.7%からこちらも大きく上昇しました。ともにインフレターゲットの2%から大きく乖離しています。

 こうした物価上昇について、議会証言の場でも議員から批判が見られたように、FRBへの圧力が高まり、パウエル議長としても姿勢を変化させざるを得なくなったといったところです。

 今後も物価動向への注目が集まる中、今週10日に11月の米消費者物価指数(CPI)が発表されます。米国のインフレターゲットは前述のPCEデフレータですが、発表がCPIに比べて遅いため、同系統の指標で変化動向がかなり似ているCPIに市場の注目が集まる傾向があります(11月のPCEデフレータの発表は23日)。

 前回10月の米CPIは前年比6.2%、食品・エネルギーを除くコアの前年比が4.6%となりました。ともに事前予想値を上回る伸びとなっています。CPI前年比が6%を超えるのは1990年12月以来、約31年ぶりとなります。
 
 エネルギー価格上昇を受けてガソリンが前年比46.6%の上昇となったことが大きな要因ですが、コアでもかなり高い伸びを示しており、市場の警戒感を誘いました。

 その他の内訳をみると、中古車・トラックの26.4%という伸びが目立ちます。新車も9.8%伸びており、サプライチェーン問題で供給制約の強い自動車の価格上昇が目立っています。

 サプライチェーン問題は自動車を中心に少し落ち着きつつありますが、依然として世界的な半導体不足が続く中で、厳しい状況にあります。
 エネルギー価格の上昇傾向も続いており、EIA(米エネルギー情報局)による米国のガソリン小売価格は10月の1ガロン当たり3.291ドルから11月は3.395ドルに3.16%の上昇
を見せています(全米全種平均)。

 こうした状況を受けて、事前予想は前年比6.7%とさらなる大きな上昇が見込まれています。食品・エネルギーを除くコアも4.9%まで上昇見込み。インフレターゲットの対象であるPCEデフレータの大幅な上昇期待にもつながる形で市場の警戒感を誘い、ドル買いの材料となる可能性があります。

MINKABU PRESS 山岡和雅

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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